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浅草・猿若町でしかできない6のこと

老舗の「町パン屋」から靴職人の店、最新の穴場カフェまで

Genya Aoki
テキスト: Michikusa Okutani
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タイムアウト東京 > Things To Do >浅草・猿若町でしかできない6のこと

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インバウンドで沸き立つ街の代表格、浅草。「浅草寺」の右後方に広がる浅草6丁目周辺は、情報誌ではほぼ紹介されない住民地区だ。

しかし、ここはかつて「猿若町」と呼ばれ、江戸幕府公認の三大芝居小屋「中村座」「市村座」「森田座」が立ち並ぶ江戸のブロードウェイだった。東へ進めば大根を供える風習で知られる「待乳山本龍院(まつちやまほんりゅういん)」、その先は桜並木の隅田川と、戦前まで風光明媚な遊興地として賑わった粋な歴史を持つ。

近代以降は靴問屋街として栄え、現在の街並みは地味ながらも凛とした雰囲気が心地いい。仔細に歩けば、土地に根ざした新たな店や生き続ける魅力的なスポットが見いだせるはず。ここでは猿若町と周辺の穴場を紹介。未だ秘められた浅草の魅力に迫る。

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  • カフェ・喫茶店
  • 浅草

Café PA·TRI·CIAN

2025年1月オープン、地味な街中で異彩を放つガラス張りのビル1階にあるカフェ。店名の由来は、店内の奥に鎮座するアメリカ・エレクトロボイス社の伝説的ビンテージスピーカー「Patrician700」だ。1台約150キロ、直径75センチのウーハーを搭載した名機が、ジャズを中心にまろやかで深みある音色を響かせる。

毎週水曜日の14~17時には、サウンドキュレーターの中山新吉によるジャズレコード鑑賞会も開催。一方で音楽鑑賞専門店ではなく、メニューも凝っている。

8〜22時の通し営業で、モーニングから酒のつまみまで幅広く対応。まろやかな味わいがクセになるペルーの家庭料理「アヒ・デ・ガジーナ」(1,100円、以下全て税込み)や、ビーガン仕様の和食セット、近隣の「テラサワ」の食パンを厚切りにしたトースト、デンマークのオーガニックウォッカまで揃う。週末の夜にはジャズライブも開催、今後が楽しみな穴場だ。

  • ベイカリー・パン屋
  • 浅草

テラサワ

1950年創業、3代続く浅草の老舗「町パン屋」。年季の入ったたたずまいから歴史を感じさせる、今となっては希少な店だ。浅草で食パンといえば「パンのペリカン」が有名だが、こちらの「特上食パン」(594円)も試す価値が大いにある。派手さはないが味わい深く、トーストにした時のさっくり感もよく、食べ飽きない日常食の名脇役だ。

看板の「CAKE SHOP」は、かつて周辺の靴問屋の主人たちが菓子パンを好んで食べた頃の名残。今は調理パンと食パンが売れ筋だが、菓子パン時代に名を鳴らした「生クリームコロネ」「チョココロネ」、カステラにようかんを挟んだ「シベリア」など、特製クリームやあんの甘味がほどよくクセになる。

昔ながらの硬めのプリンや、バタークリームの滋味を再確認させられる「ロールカステラ」も試す価値大。コースローを挟んだ「サラダドック」、異色の「イカゲソパン」など調理パン系もイケる。女将の明るく丁寧な接客も心地いい、下町グルメの良さを総取りしたような一軒だ。

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  • 浅草

お米とごはん隅田屋 浅草店

1905年開業、銀座の高級寿司店をはじめ名料理店を顧客に持つ浅草の老舗米穀店のアンテナショップが、2025年3月、地元にオープン。「麻布台ヒルズ店」に続く2号店だが、テイクアウトのみだったメニューをバージョンアップし、イートインスペースを完備した。

木の温もりが感じられる明るい店内で供されるいちおしは「おむすび御膳」(2,000円)。オリジナルの型抜きを使い、ひつから炊きたてのご飯をよそって、客自らおむすびを握る趣向だ。7種の具を自由に組み合わせ、ほろりと軽い口当たりの絶品おにぎりが味わえる。ご飯のおかわりは自由。物足りなければ、サケか鶏を選べる「おひつ御膳」もある。

米はプロが厳選したものを独自の「古式精米製法」で、通常の7倍の時間をかけて繊細に精米。用途に応じてブレンドした米は、表面部分のうまみまで感じられる。米を嗜好品として楽しんでもらうという理念の下、特別な日に試したくなる絶妙な価格帯で展開する。

なお現金での支払いはできないので、注意してほしい。

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  • 浅草

RENDO

店主の吉見鉄平はイギリスで靴作りの基礎を学び、国内メーカーで腕を磨いたのちに独立。「Panther」スニーカーの倉庫だった、イギリスのファクトリーをほうふつさせる建物が気に入り、2013年に工房を兼ねたショップを開いた。

奥に長い高天井の店内は浅草の下町とは思えない洒落た雰囲気で、左右の壁の無骨な棚に並ぶレザーシューズはヨーロッパスタイルをベースとしつつ、日本人の足にフィットするよう調整されている。

木型ごとにフィッティングサンプルを完備、実際に履いて詳細に確認できる点も心強い。既製品とパターンオーダー両方を扱い、オーダーは、22センチから受注する。

人気は伝統的なグッドイヤーウエルト製法を用いたドレスカジュアルな「APRON FRONT DERBY」(8万4,700円)。シャープすぎない上品な外観と安定感ある履き心地で幅広く支持されている。コロナ禍にご近所歩き用として作られた「CSMD001」(3万6,300円)も、シボ革の表情が高級感を醸す名品。かかとを潰してスリッパ風にも履ける、年配者にこそ勧めたい大人びたカジュアルシューズだ。

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浅草 飴細工アメシン 花川戸店

江戸時代より続く伝統あめ細工の専門店。販売のみならず、あめ細工作りの体験教室を随時開催している。猿若町から少し離れた東京メトロ「浅草」駅寄りの花川戸エリアにあり、黒壁の入り口に太いしめ縄を掲げた小粋なたたずまいだ。

店の奥にある教室は、こざっぱりしたカフェ風で落ち着いて作業できる。温かくしたあめを棒に刺し、和ばさみを使って「白うさぎ」に仕上げていく。ウサギ作りには、あめ細工の基本がすべて詰まっているという。練習を3回繰り返し本番に挑戦。職人の助けを借りながら形を整え、食紅で目鼻に色付けして完成する。

代表の手塚新理は、それまでありえなかった透明なあめ細工の開発に成功した人物。店頭の販売コーナーでは、透明な体に鮮やかな色を乗せた金魚や、透き通る和柄のうちわ、かわいらしい白黒のパンダなど高度な作品も購入できる。伝統文化の一端をコンパクトに味わえる、東京人にも興味深い好企画だ。

あめ細工作り体験の所用時間は、1時間30分〜2時間。料金は大人3,100円(税込み)で、予約を推奨する。

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待乳山聖天

やや離れているが別格スポットとして紹介したい、「浅草寺」の支院。標高約10メートルの小高い丘「待乳山」に建つ、平坦な浅草の地で唯一の高台に立つ寺だ。595(推古天皇3)年9月、一夜のうちに出現した山に金龍が舞い降りて守護したという伝説を持ち、かつては間近の隅田川を一望できる景勝地として親しまれた。

本尊は十一面観音菩薩の化身とされる「大聖歓喜天」、通称「聖天(しょうでん)さま」。境内各所に、財福の功徳を表す巾着(きんちゃく)と、身体健全・夫婦和合の功徳を示す大根の印が見られる。

とくにダイコンは同寺院の供養に欠かせず、参拝の折に麓の授与所で分けられるダイコンを1本丸ごと本堂に供える風習が今も続く。前日に供えられたダイコンは、本堂脇で無料配布される。毎日500〜1000本ほど奉納され、配布分も残らないという。

年配の参拝者に考慮した無料の小型スロープカーも設置。高低差といいダイコンの供物といい、浅草で異彩を放つ名刹である。猿若町を訪れる際にはぜひ参拝したい。

東京のローカル散歩を楽しむなら……

  • Things to do

相撲の街として知られる両国。街を歩けば相撲部屋が点在し、力士が行き交う姿に出会えるのは日常の風景だ。江戸時代には歓楽街としてにぎわい、その名残は今も息づいている。1718年創業の猪肉料理の老舗や、かつて勧進相撲が行われた「回向院」など、歴史の足跡をたどれる場所も多い。

一方で、新しいカルチャーの風も吹き込んでいる。2016年には「北斎美術館」や「両国 江戸NOREN」がオープンし、2024~5年ごろにかけては話題のカフェが増加している。本記事では、そんな街の「いま」を感じさせる旬の店から、地元で愛され続ける老舗までピックアップ。

伝統と新しさがミックスされた街を歩いてみよう。

※2018年の記事を情報のみ確認してアップデート

  • Things to do

浅草と浅草橋のほぼ中間にある蔵前は、かつては江戸幕府の御米蔵が並び、吉原や芝居小屋などに通い慣れた粋人が多く住んだ街。隅田川に平行する江戸通りを中心に玩具(がんぐ)や花火の問屋が並び、現在は昔ながらの職人や老舗メーカーに加え、多くの若手作家がアトリエとショップを構える。

特にここ数年は「丁寧に作られた質の良さ」や「人と人のコミュニケーション」などを重視する若手店主の面白い店も増えてきた。新しいコーヒー文化の息吹も気になるところ。東エリアでコーヒーと言えば、清澄白河を思い浮かべる人が多いだろうが、この街でも上質なエスプレッソとハンドドリップを味わえる場所が増えている。

そんな蔵前の今を感じさせる旬の店から、この地で長く愛されてきた老舗まで、散策にぴったりのショップを紹介する。

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  • Things to do

江東区にある古き良き人情街、亀戸。近年「カメイドクロック」やアトレのリニューアルなど、駅前が様変わりして、現代的な面とレトロな要素を兼ね備えた街へと変わりつつある。

有名グルメをいくつも輩出している食通エリアでもあり、亀戸グルメの代名詞ともいえる「亀戸ホルモン」と「亀戸餃子 本店」は行列必至だが、並ぶ価値は十分にある。甘味ならば「船橋屋」のくず餅を堪能してみてもいいだろう。

ここでは、新名所「カメイドクロック」はもちろん、老舗の新名物である味噌を使った絶品プリンや、元キャバレーの内観が雰囲気抜群の中華料理店、地域に愛されるアートギャラリーなど、同エリアの魅力的なスポットを5つ紹介しよう。

4月から5月にかけては、都内随一の名所といわれる亀戸天神のフジの花が見頃を迎える。併せてぜひ散策の参考にしてほしい。

  • Things to do

東東京エリアにおけるターミナル都市の一つ「北千住」。かつては江戸時代の宿場町として栄え、古き良き商店街や居酒屋、銭湯が今に残る街である。

近年は、こうした古き良き雰囲気を残しつつも、現代的な装いにアップデートした店やスポットが増えている。ここでは、そんな新旧の良さが詰まった同エリアで行くべき場所を6件紹介しよう。

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  • Things to do

戦火を避けられたことで築100年以上の長屋が現存する街、曳舟。4軒長屋をリノベーションした店舗など、生活に根差しながらも独自性を打ち出している魅力的なヴェニューが数多く揃っている。

東京スカイツリーも街中から見えるほど近く、押上を訪れる機会があればぜひ曳舟まで足を延ばしてほしい。温室を再構築した観葉植物店、建物自体がアート作品なネパール料理店、個性あふれるヴェニューを紹介する。

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