平成レトロカフェRETOPO渋谷
Photo: Keisuke Tanigawa | 千葉から来店していた2人が友達になってくれた。2人は地元の親友だという
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、平成懐古スポット5選

サイバーエージェント「次世代生活研究所」とともに平成カルチャーを読み解く

Karin Minamishima
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タイムアウト東京 > Things to Do> 東京、平成懐古スポット5選

平成という「新しい時代」が終わってはや8年。ファッションのめまぐるしい流行や、ガラケーやウォークマンなどのテクノロジー、さらにはインターネットの台頭に人々は狂喜乱舞した。

そして今、平成はレトロとなって私たちの前に再び姿を現している。街角に残る雑誌やゲーム、おもちゃやファッションに触れると、あの頃の空気が鮮やかによみがえる。また、デジタルネイティブのZ世代にとって、平成のアナログなコミュニケーションや「デコ文化」による自己表現は新鮮に映るだろう。

本記事は、Z世代を中心に消費者研究やZ世代向けマーケティングを行うサイバーエージェント次世代生活研究所とのコラボレーション企画の映えある第一弾だ。Z世代の間で流行している「平成懐古」ムーブメントのリアルな背景や心理を同研究所が調査し、タイムアウト東京がそれらのインサイトにマッチする「平成カルチャー体験スポット」をキュレーションした。

Y2Kファッションの復権と共に、世代を超えて、平成が人を引きつけるのはなぜなのか。あの時代が残した足跡をたどりながら、今だからこそ見えてくる魅力をぜひ感じてほしい。

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  • Things to do
  • 渋谷

平成レトロカフェRETOPO渋谷

日本初のY2Kカルチャーをテーマにした平成体験型カフェ「平成レトロカフェRETOPO(レトポ)渋谷」。平成女子の部屋をコンセプトに、雑誌や少女漫画、懐かしいキャラクターなどが店内に散りばめられている。Z世代にとっては「新鮮で、かわいい」アイテムの宝庫だ。

チャージはワンドリンク付き。ワッフルやプリンなど、デザートを追加で注文できる。混雑時には80分制。入店時にはニックネーム入りの手紙がもらえ、中には今日の運勢が書いてある。

席ではカラフルなドリンクやデザートを味わいながら、「ちゃお」「Seventeen」「egg」など店内に設置された雑誌を読んだり、プロフィール帳を書いたり、デジタルカメラや「ガラケー」で写真を撮ったり、「iPod」「ウォークマン」で音楽を聴いたりなど、放課後のような和やかなアナログ感が楽しめる。デジタルカメラのデータは自分のスマートフォンに転送してもらえるので、ぜひ土産として持ち帰ろう。

地下には、平成アイテムが並ぶフォトスポットを用意。「たまごっち」「お茶犬」などのぬいぐるみやグッズ、「おいでよどうぶつの森」「トモダチコレクション」などのゲームソフトやおもちゃが集められている。掃除中にアルバムを見つけたときのように、眺めているとあっという間に時間が過ぎていきそうだ。

少し遠回りで温かな平成のコミュニケーション。早く大人になりたかったあの頃を懐かしみながら、今の自分を見つめ直すような時間になるだろう。

  • Things to do
  • 代々木

Y!Y! hands 新宿店

数百種類のビーズやデコパーツを常時取り揃え、スマートフォンのケース・キーリング・ペン・くしなど、世界に一つだけのカスタムアクセサリーを制作できるワークショップを提供する「Y!Y! hands(ワイワイハンズ)新宿店」。平成を風靡(ふうび)した「デコ文化」を今再び体験できるスポットだ。海外の女の子の部屋やキャンディーショップをコンセプトにしたカラフルな内装で、写真撮影も楽しめる。

看板コースは「ワイワイ3種セット」。スマートフォンのケース・キーチェーン・「顔だけぬいぐるみ」が制作できる。ワークショップは予約制で、スマートフォンのケースは「iPhone 13」から用意がある。

顔だけぬいぐるみはネコ・クマ・ウサギから選択でき、布を縫うところからスタート。スタッフが親切にレクチャーしてくれるので、裁縫が苦手な人でもやり遂げられるだろう。

ぬいぐるみを縫い、綿を詰め終わったらいよいよパーツを選んでいく。無数のパーツを前に、自分がどんなものを作りたいのか、どんなものが好きなのか、など自分の心の声に耳を傾けよう。

ワイワイ3種セットのワークショップは約90分。参加者は、自らの手を動かしながら作品づくりに没頭できる。小さなパーツもピンセットを使って一つひとつ貼り付けていくため、決して「手軽」とは言えないかもしれない。しかし、無心になってデコレーションに向き合う時間は、あらゆるものが効率化された令和の社会において、驚くほど心を落ち着かせてくれるのだ。

リボン・レース・デコといった要素はまさに、2007〜2012年頃にLIZ LISAやMA*RSが牽引した「姫ギャル」カルチャーを今に引き継ぐものである。令和のギャルブームが「外見より価値観」に軸足を置くように、Y!Y! Handsもビーズひとつひとつに自分のマインドを宿す場所として機能している。

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  • ショッピング
  • 高円寺

桃源郷

「比べる物のない世界」がコンセプトのハンドメイドとリメイクの店。高円寺の「エトワール通り」にあるピンクの店構えがトレードマークだ。ネイリストの店主が平成への情熱を燃やし、ネイリスト仲間と作り上げる完成度の高い手作りのアクセサリーや小物が並ぶ。店に並んでいる商品はほとんどが手作りで、アクセサリーのパーツから作ることもあるという。

人気はアザラシのリングやブレスレット、餃子のブレスレットなど。客の目利きもピカイチで、修学旅行の際に訪れる学生もいるという。棚を眺めていると、サービスエリアの土産コーナーや水族館のショップのようなノスタルジックな思いに満たされていく。

2階では物販スペースのほかに、ネイルスペースと作業スペースが設けらており、「お楽しみ会」を思い出すような景色になっている。

「量産型」という言葉をZ世代の人は自嘲気味に使うが、裏返せば「唯一無二でありたい」という欲求の表れであり、自分だけの好みを反映・拡散できるサービスは多くの若者を惹きつけているという。

今後は「同店を長く続けながら、海沿いのレトロな土産屋や初期の『ヴィレッジヴァンガード』のような、人の記憶に残る店舗を展開していきたい」と店主は語る。

ータイムアウト東京が選ぶ平成スポットー

ここからは、タイムアウト東京のスタッフが選んだおすすめ平成スポットを紹介しよう。

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  • ショッピング
  • 野方

吊り橋ピュン

戦後の闇市の姿を今に残す「野方文化マーケット」。「吊り橋ピュン」はその奥にたたずむ、異世界への入り口のような古着店だ。店主・さとるんの独自のセンスで選ばれた怪しげな服や雑貨を販売する。1990年代のTシャツを豊富に取りそろえており、なかでも洋楽や邦楽のバンドTシャツは自慢のコレクションで、珍しいものも多い。店内のBGMに耳を傾けるのも楽しい。

ほかにも、美少女ゲームやアニメのノベルティTシャツ、80年代に一世を風靡したタレントのグッズなど、キッチュでとがったアイテムが所狭しと並んでいる。

仕入れは、さとるん自ら東南アジアで行なっているという。今よりオタクに冷たい視線が注がれていた90年代、日本でたんすの肥やしになっていたタレントやアニメのグッズが、途上国支援が盛んに行われていた時代に東南アジアにたどり着いたのではないかとさとるんは考察している。

Z世代の古着消費は「サステナビリティ」というよりも「自分だけのストーリーを持つもの」への関心が動機として上位にくることが多い。遠い国を旅してたどり着いた一枚というナラティブは、その需要と合致しているといえるだろう。

  • ミュージアム
  • 科学&テクノロジー
  • 神田

絶滅メディア博物館

オフィスビルの1階と地下に隠れるように位置するこの博物館では、常設コレクションとして約1500点のアイテムが所狭しと並ぶ。「紙と石を除く全てのメディアは最終的に時代遅れになる」という考えの下、タイプライターやフロッピーディスクをはじめ、ビンテージカメラ、古い携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、初期のMacintoshノートパソコン、「ウォークマン」までさまざまな時代を彩ったメディアが展示されている。まるでアナログ時代へのタイムカプセルのようだ。

Z世代は、デジタルネイティブでありながら、「記録が消えない不安」を抱える世代でもある。物理メディアへの関心の高まりには、クラウドに依存しない「手元に残るもの」への原始的な安心感があるのかもしれない。

展示品は大まかな時代別に配置。小さなラベルが貼ってある品をおもむろに眺めていると珍品や忘れ去られた遺物に出くわして、思わず声が出るような興奮を覚えるだろう。

展示物に触れたり、写真を撮ったり、一部のオブジェクトを実際に試したりできるのも同施設の大きな特徴だ。「Twentieth Anniversary Macintosh」やAppleの「QuickTake 200」デジタルカメラなどの希少品に触れられる貴重な機会である。

テクノロジー愛好家やレトロファンにとっては、宝島そのものの同店。大きな満足感が得られるだろう。

ギャル雑誌をめくる手触りや、友人と交換したプロフィール帳、デコレーションに夢中になった放課後、初めて手にした携帯電話や音楽プレーヤーのきらめき。そこには、タップやスクロールでは手に入らない時間が流れている。

平成レトロの魅力は、過去への逃避ではない。効率やスピードが求められる時代に、少しだけ逆らうこと。その余白の中で、人は忘れていた感情や記憶と再会するのかもしれない。

懐かしさを求める人も、新鮮なカルチャーとして楽しむ人も、それぞれの視点で平成に触れてみてほしい。忘れていた記憶や、新しい時代を生きるヒントが見つかるはずだ。

もっと夏の東京を楽しむなら……

  • Things to do

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  • LGBT

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