1. 一本の木のような建築を巡る。


まるで大地に根を張った大樹のような姿が特徴的なグリーンテラス表参道。設計を手がけたのは、ツチヤタケシ建築事務所の代表・土屋毅。人が自然と集いたくなる空間の本質を捉え、時代に左右されない「タイムレスな建築」を追及してきた建築家だ。
同施設は、地下1階から地上4階へと緩やかに立ち上がるような生命力に満ちた構造を持っている。地下の洞窟のような空間から、テラスの通路を螺旋状に登っていく動線は、まるで木の幹をなぞって歩いているような感覚を呼び起こすようである。
注目してほしいのは、階ごとに表情を変える植栽だ。地上には、深い緑色の日本の在来種が植えられ、上層部に向かうにつれて黄緑を基調とした外来種が増えていく。だんだんと明るくなる緑のグラデーションは、建物に奥行きを与え、視覚でも楽しませてくれる。