グリーンテラス表参道
Photo: Keisuke Tanigawa | 丸みを帯びた建築が特徴的な外観
Photo: Keisuke Tanigawa

グリーンテラス表参道でしかできない8のこと

世界一のバリスタによる都内初出店のコーヒーショップや、パリ発のパフューム専門店など

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 表参道駅徒歩2分、ロハス通り沿いに、まるで大きな木のような複合施設「グリーンテラス(GREEN TERRACE)表参道」が誕生した。この場所には、かつて玩具や絵本のショップとオーガニックレストランを併設した複合施設「クレヨンハウス」があった。

敷地内に生い茂っていた豊かな緑は、都市の中に静かに佇む森のような役割を果たし、37年にわたって人々を癒してきた。この場所が持つ「緑の記憶」を継承するように、グリーンテラス表参道は建物自体を大きな木と見立ててデザインされている。

建物内には、東京初出店となるオーガニックジェラート店や、日本を代表するバリスタが手がけるコーヒーショップ、パリ発の香水専門店など、日々を豊かにする店舗が集結している。

ここでは、同施設を訪れたらぜひ注目してほしいポイントを、8つ厳選して紹介しよう。

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1. 一本の木のような建築を巡る。

まるで大地に根を張った大樹のような姿が特徴的なグリーンテラス表参道。設計を手がけたのは、ツチヤタケシ建築事務所の代表・土屋毅。人が自然と集いたくなる空間の本質を捉え、時代に左右されない「タイムレスな建築」を追及してきた建築家だ。

同施設は、地下1階から地上4階へと緩やかに立ち上がるような生命力に満ちた構造を持っている。地下の洞窟のような空間から、テラスの通路を螺旋状に登っていく動線は、まるで木の幹をなぞって歩いているような感覚を呼び起こすようである。

注目してほしいのは、階ごとに表情を変える植栽だ。地上には、深い緑色の日本の在来種が植えられ、上層部に向かうにつれて黄緑を基調とした外来種が増えていく。だんだんと明るくなる緑のグラデーションは、建物に奥行きを与え、視覚でも楽しませてくれる。

2. ルーフトップから明治神宮の森を見渡す。

この建物を一本の大きな木に見立てるなら、ルーフトップはその頂点。実際、この建物は、表参道のケヤキ並木の木の高さに揃えるように設計されているのだ。

ルーフトップからは、明治神宮の森を一望でき、空気が澄んでいる日には富士山が望める。この場所へは、地上から広々としたエレベータが通じているので、車椅子やベビーカーでも訪れることができ、誰もがアクセスできる配慮がされている。

屋上にはカウンターがあり、大人が立ってちょうどいい高さのものと、子どもや車椅子の人でも使いやすい低めのものの2種類が設けられているのも気の利いたポイントだ。

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3. 日本の恵みをジェラートで頬張る。

建物の4階には、オーガニック食材を使用したジェラート店「エリコ オオサワ アースリー ジェラート(Eriko Osawa Earthly Gelato)」が登場。ジェラートマエストロであり、野菜ソムリエでもある大澤英里子が手がける一軒だ。

故郷である宮城県の食材を使ったジェラート店からスタートした大澤は、やがて「日本各地の食文化をジェラートという形で届けたい」という思いで、全国の農家や生産者と交流し、旬や土地の個性を大切にしたフレーバーを次々と生み出してきた。

同店の前に併設された畑では、野菜や果物、ハーブなどが育つ。収穫されたばかりの新鮮で香り高い素材はジェラートやドリンクに姿を変え、採れたてならではのおいしさとなる。

中でも驚かされるのは、「天然ふきのとう&仙台味噌」。仙台味噌がキャラメルのようなコクを醸し出し、春を思わせるふきのとうのほろ苦い香りが鼻に抜ける。一口一口、大切に味わいたくなる繊細な逸品だ。

提供されているフレーバーの半数以上は、乳製品の代わりにオーツミルクや豆乳を使用したプラントベースなので、ビーガンの人や乳製品を控えている人でも安心して楽しめる。今後は、初夏限定フレーバーや、1日限定フレーバー、夕方17時以降にアルコール入りのものを提供するなど、大澤のアイデアは尽きない。

ルーフトップで風を感じながら味わえば、特別なひとときになること間違いなしだ。

4. 奥深い香りの世界へ入り込む。

1976年、植物学者のジャン・ラポルト(Jean-François Laporte)がパリで設立したフレグランスブランド「ラルチザン パフューマー(L’Artisan Parfumeur)」も登場。同ブランドは、現在では定番となっているニッチフレグランスの先駆者として、長年香りの可能性を研究してきた。

パリの本店をイメージして作られた店内に並ぶのは、創業当初から変わらぬ探究心によって生み出された香りの数々。なかでも、1978年に発表され、ブラックベリーとホワイトムスクの大胆な組み合わせで当時の香水界に衝撃を与えたシグネチャー「ミュール エ ムスク」は、今もなおブランドを代表する存在だ。

そのほかにも、フランス各地の風景を香りで表現した「レ ペイザージュ コレクション」や、野菜の香りが主役の「ル ポタジェ コレクション」など、斬新な視点に驚かされるアイテムも並ぶ。

「職人技の香り」という名の通り、同ブランドの香水は、マスターパフューマーが丁寧に調香したもの。職人たちへの敬意を込めて、パッケージには調香師の名前が刻まれているのも特徴的だ。

奥深い香りの海の中から、自分のアイコンとなる香りを見つけてほしい。

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5. 英国から届いた優しい素材に包まれる。

イギリスの豊かな自然溢れるコッツウォルズで誕生したライフスタイルブランド「バンフォード(Bamford)」が、表参道に新たな拠点を構えた。創設者キャロル・バンフォード(Carol Bamford)が、自身の子どもたちのために始めた有機農業をきっかけに、「肌に触れるものもまた、人と地球に優しくあるべき」という思いから生まれたブランドである。

店内には、バス&ボディケア、スキンケア、ベビー用品、ホームフレグランスまで、多彩なラインアップが揃う。製品には天然香料が使用されているのも特徴だ。

中でも「ウッドランドモス オードパルファム」は、イギリスの森や草原の中を表現しており、思わず深呼吸がしたくなる香り。きっと疲れや緊張感を解いてくれるだろう。

同店に訪れたらぜひ体験してほしいのが、エステだ。3部屋用意されたトリートメントルームには、無垢材がふんだんに使用されており、洗練された中に温かみも感じられる心地よい空間となっている。

メニューは、フェイシャル、ボディ、そしてオプションでヘッドマッサージが受けられる。バンフォードの高品質な製品を贅沢に使用したトリートメントで、自分に褒美をあげてみては。

6. メイドインジャパンの上質をまとう。

1階に店を構えるのは、大人の女性の魅力を引き出すファッションブランド「RITAN(リタン)」。ブランドの特徴は、女性の体の美しい曲線を引き立たせる、緩やかにカーブしたカッティングやデザインだ。

どのアイテムにも必ず「仕掛け」が施されている。例えば、テーラードジャケットにあしらわれた小さなスタッズは、星屑のようなきらめきを与え、背中に入ったスリッドからは、シアー素材が覗く。

どのアイテムも、ベーシックすぎず気取らずにモード感を演出できるのがうれしい。また、日本各地の職人や信頼の置ける工場と手を取り合うことで、丁寧な服作りを実現している。

タグには、縫製を担当した都道府県名が記されており、ものづくりの背景まで見せる。その誠実さが魅力の一つだ。

洗練された印象も欲しいし、体のラインも美しく見せられるデイリーに着られる一着が欲しい、そんな欲張りな願いはリタンでなら叶えられるだろう。

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7. 「人生を変える一杯」と出合う。

地下1階のまるで洞窟のような空間に静かに佇むのは、都内第1号店となる「フィロコフィア(PHILOCOFFEA)」。バリスタ世界チャンピオンの粕谷哲の手がけるコーヒーカンパニーだ。

取り扱うのは、世界のコーヒー豆の中でも全体のわずか5パーセント程度しか存在しないと言われる、最高等級の豆のみ。豆の個性を最大限に引き出す焙煎は、選ばれた2名の焙煎士のみによって行われ、抽出は粕谷によるトップレベルのトレーニングを受けたバリスタが、丁寧に一杯ずつ目の前で淹れてくれる。

抽出には、粕谷が開発した独自の「4:6メソッド」をさらに進化させた「ニューハイブリッドメソッド」が用いられ、コーヒーの味わいを「設計」するかのように、酸味や甘みのバランスを調整している。

表参道店でしか味わえない限定の「東京ブレンド」は、華やかな浅煎りで、喉をすっと通り抜ける軽やかな一杯だ。「理想のコーヒーは水のようなもの」と語る粕谷の言葉どおり、気づけば飲み終わっていたという驚きが感じられるだろう。

また、農園と台湾のエクスポーター「Tri-Up Coffee」とフィロコフィアが一丸となって生み出した「共同プロジェクト」の豆も取り扱う。そのほか、ゲイシャ種を使ったシングルオリジンなどもラインアップされている。

販売されている豆も、東京と千葉の各店舗で異なるラインを展開しており、パッケージに書かれている番号が500番台の豆はフィロコフィア4店舗の中でも特に表参道店でのラインアップが充実している。スペシャルティコーヒーの中でも上位に位置する特別な豆であり、ぜひ飲んでおきたい味わいだ。

これまでコーヒーが苦手だった人にも、ぜひ一度足を運んでほしい。ここで味わう一杯が、あなたの「コーヒー観」を変えるはずだ。

なお、7月中旬、3階に国産牛のみを贅沢に使用したしゃぶしゃぶとステーキの店「ザ スライス(THE SLICE)」がオープン予定。一人でも気軽に贅沢な時間が過ごせる同店の誕生を楽しみにしたい。

8. 散りばめられた遊び心で心を満たす。

建物のあちこちには、アートや遊び心が散りばめられている。鉄作家の田中潤の野外彫刻は、鉄を素材にしながらも、軽やかで有機的な形を作り出し、訪れる人を楽しませる。

地下には、アレキサンダー・リーダー(Alexander Reeder)と川鍋徹による、アニメーション作品「FOREVER SKY」もぜひ鑑賞してほしい。雲がゆったりと漂う映像を眺めていると気持ちが穏やかになるだろう。

同じく地下には、木作家の植村浩一による手回し式の木製オルゴールが設置されている。実際にハンドルを回すと、箱の中から響く音色にしばし立ち止まり、耳を澄ませたくなる。

敷地内に配された石製のベンチにも注目したい。よく見ると、アンモナイトの化石やビー玉、ベネチアングラスの破片などが埋め込まれ、その欠片は、石材に新たな表情を与えている。ぜひ館内を歩きながらさまざまな作品を見つけてほしい。

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