中華そば専門 多賀野
中華そば専門 多賀野

東京、平成を代表するラーメン12選

ラーメン界の潮流を築いた伝説の店

テキスト:
Miroku Hina
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ >東京、平成を代表するラーメン12選

監修:メンチャック 

来たる4月30日、平成の時代が終焉(しゅうえん)を迎える。タイムアウト東京では、これまで毎年のベストラーメン特集のほか、『東京、激辛ラーメン』『東京、二郎インスパイア系ラーメン20選』などさまざまなベストラーメン特集を作成し、東京の深く多様なラーメンシーンを追ってきた。今回は新しい元号を迎える区切りとして、ラーメンハンター メンチャックの監修のもと、都内に数多ある名店の中でも平成のラーメンシーンをけん引してきたといっても過言ではない12軒を選出した。東京のラーメン界の潮流を築き上げた名店の歴史を振り返りながら、平成ラーメンの総復習に役立ててほしい。

「96年組」の代表格
  • レストラン
  • 新宿
  • 価格 1/4

麺屋武蔵 新宿本店

1996年は、その後のラーメン界の大きな潮流を創った名店が立て続けにオープンした年で、通の間では、麺屋武蔵、青葉、くじら軒の3軒は、「96年組」と呼ばれ崇拝されている。麺屋武蔵は、「ラーメンは男性向けの食べ物」という従来の既成概念を覆す、清潔で落ち着いた内観の店舗を青山にオープンし、女性客も惹きつける「おしゃれでかっこいいラーメン」の元祖となった。スープは鶏ガラと豚骨を主体とした「動物系スープ」と、かつお節や煮干しでとる「魚介系スープ」を使用。ダブルスープのスタンダードを作った店として、現在も幅広いファンから愛されている。

  • レストラン
  • 中野
  • 価格 1/4

中華そば 青葉 中野本店

麺屋武蔵と同じく「96年組」の青葉。青葉は、豚骨と魚介のダブルスープのパイオニア的な存在だ。九州ラーメン特有のこってりとした鶏ガラや豚骨から出たコクと、東京ラーメンで主流のさっぱりとした魚介系和風だしをミックスしたスープは、双方の味わいがバランス良く生かされている。ラーメン激戦区の中野にありながらも、長きにわたり不動の人気を得ていのは、重すぎず、軽すぎず、飽きのこない味わいだからだろう。現在、この豚骨と魚介のダブルスープスタイルは、渋谷のはやしや、せたが屋など数多くの人気店にも踏襲(とうしゅう)されている。

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絶品つけだれは最後の一滴まで
  • レストラン
  • 品川
  • 価格 1/4

六厘舎 大崎店

2005年、大崎で開業した六厘舎(ろくりんしゃ)。濃厚なスープに、もっちりとした極太麺をつけるつけ麺で人気に火がつき、2000年代のつけ麺ブームを巻き起こした。あまりの行列で近所から苦情が出たため、本店の閉店を余儀なくされた逸話は伝説的だ。六厘舎のブームは「大つけ麺博」を誕生させるなど、つけ麺をひとつのジャンルとして確立されるきっかけとなった。一番人気の『つけめん』(830円)は、具材を長時間にわたり煮込んで作られる、濃厚な豚骨と魚介のダブルスープが自慢。どろっとしたテクチャーで、国産小麦を使用した極太麺によく絡む。トッピングの魚粉をふりかければ、より濃厚な魚介の風味が味わえる。〆のスープ割りで、最後の一滴まで堪能しよう。

  • レストラン
  • 代々木上原
  • 価格 1/4

ジャパニーズ ソバ ヌードル 蔦

ミシュランのひとつ星をはじめて獲得したラーメン店が、2012年に巣鴨で開業したジャパニーズ ソバ ヌードル 蔦だ。ミシュランスター獲得の味を1,000円以下で楽しめるとあれば行列は必至。当日の朝8時前に店に行って整理券をもらわないと、席を確保できないほどだが、それだけの価値がその1杯にはある。白トリュフオイルが香り、何種類かの醤油をブレンドして作ったスープは濃厚で複雑、麺はシコシコつるつるで味わい深く、チャーシューはパーフェクトに柔らかい。冷蔵庫の上に飾られているトロフィーが、世界に認められた店であることを証明している。都内のラーメン店のトップに君臨しているといっても過言ではないだろう。

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間借り営業からの躍進
  • レストラン
  • ラーメン
  • 新宿
  • 価格 1/4

すごい煮干ラーメン凪 新宿ゴールデン街店本館

2004年、新宿ゴールデン街のバーで4坪の間借り営業からスタートした『凪』ブランド。こぢんまりとしたスペースにいつしか長い行列ができるようになり、現在では、東京を中心に11店舗を展開するラーメン店へと成長した。木造住宅の2階に入居する新宿ゴールデン街店は、現在も昔ながらの風情がある。本店の特徴は、なんといっても店に入った瞬間からその香りが食欲をそそる、インパクトのある煮干しだしスープだろう。20種類以上もの大量の煮干しを半日以上かけて煮込むというスープは圧巻のうまさだ。おすすめは、チャーシュー4枚と味玉がのる『すごい煮干ラーメン 特製』(1,100円)。〆の一杯であれば、さっぱりめの『すごい煮干つけめん』もおすすめだ。24時間営業なのも嬉しい。

  • レストラン
  • 板橋区
  • 価格 1/4

蒙古タンメン中本 上板橋本店

1986年、「激辛」が流行語大賞を受賞。現在にも続く激辛ブームを盛り上げたのはラーメン界だった。その中でも首都圏においてパイオニア的存在と呼べるのが、上板橋駅から徒歩1分の場所に本店を構える、蒙古タンメン中本だ。注目はなんといっても『北極ラーメン』(830円)。表面が真っ赤に染まった究極の激辛ラーメンだが、衝撃的な辛さの中にも、秘伝の辛味噌ダレの深いコクや旨味が感じられる。上に乗せられたキャベツやにんじんの甘味もポイントだ。現在は首都圏に15店舗を展開するが、辛麺のおいしさは本店が随一だろう。そのほかのメニューに、スタンダードな『蒙古タンメン』(800円)や、辛さを抑えた『味噌タンメン』(780円)などがある。いずれも、汗を流しながら食べるうま辛の一杯の虜(とりこ)になってしまうこと必至だ。

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東京中華そばの手本
  • レストラン
  • ラーメン
  • 品川
  • 価格 1/4

中華そば専門 多賀野

1996年に創業以来、多賀野の『中華そば』は、東京中華そばの傑作として、ラーメン通をうならし続けている。秋田比内地鶏の濃厚なコクと、煮干しの甘みが合わさったスープは、あっさりとしながらも深いコクが感じられ、群を抜いたクオリティ。上に乗るチャーシューや、半熟の煮玉子も絶品で、東京の中華そばがなんたるかを教えてくれる。そのほかのメニューも豊富で『栗国の塩つけそば』や、『特製酸辛坦麺』『多賀野丼』など、何を注文してもはずれがない。丁寧な接客や常にきれいな店内にも、店主の人柄がにじみ出ている。東京のラーメンを語る上でははずせない名店だ。

  • レストラン
  • ラーメン
  • 池袋

東池袋 大勝軒 本店

「つけ麺の生みの親」や「ラーメンの神様」と呼ばれる山岸一雄(やまぎし・かずお)によって、1961年に東池袋に開業した大勝軒。今や日本全国に弟子を持ち、つけ麺の魅力を広める大規模なグループへと成長した。特に、東池袋大勝軒にルーツをもつ弟子の活躍は目覚しく、平成以降には、麺屋こうじやとみ田など、数々の有名店を生んでいる。それでも、昔から守られてきた大勝軒の魚介、豚骨、鶏の旨味が重なり合ったつけ汁と、コシを抑えた柔らかめの麺の絶妙なコンビネーションは唯一無二だ。並盛でも麺が350gあり、満足度が高いのもポイントだろう。ただ濃厚なだけではない古き良き伝統の味は、今も老若男女に愛されている。

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迫力の一杯で全国を圧巻
  • 3 5 つ星中
  • レストラン
  • 田町
  • 価格 1/4
  • お勧め

ラーメン二郎 三田本店

幅2センチほどの分厚いチャーシューに、たっぷり盛られた野菜…。見た目もボリュームも迫力満点のラーメンで世を驚かせたラーメン二郎の創業は、1970年代にさかのぼる。本店は都立大学駅近くから、現在の三田に移転し、そこからのれんわけ的に、全国に二郎の屋号をもつ店も増加。数多くの「二郎インスパイア」店も生み出した。以降も人気は衰えることを知らず、二郎ラーメンを愛する人の呼称として、「ジロリアン」という言葉が生まれたほどだ。本店は見た目も古く、決して食欲をそそる場所ではないが、現在でも油こってりの醤油ベーススープに、くったりとしたキャベツ、豚チャーシューが山盛りにされた一杯を求めて、多くの人が列をなす。三田本店で修業を積んだ従業員たちが30を超す姉妹店をオープンしているが、どの店もオリジナルレシピを提供しているため、本店の味はここでしか食べられない。

日本を代表する豚骨ラーメン
  • レストラン
  • 恵比寿
  • 価格 1/4

一風堂 恵比寿店

ミシュランにも掲載されたニューヨーク店を始め、国内外でグループ約200店舗を展開している一風堂。福岡で産声をあげたこの店は1994年に首都圏に進出し、そこから一気にブレイクした。メインメニューは、博多発祥の豚骨ラーメン。豚骨特有の臭みを排した濃厚スープと、「ふつう」から「ハリガネ」まで、好みの硬さを選ぶことができる自家製の極細麺が特徴だ。創業当時からの味を引き継ぐ『白丸元味(しろまるもとあじ)』のスープをひとくちすすれば、豚骨のコクと旨味がありながらも、決してしつこくない絶妙なバランス感にうなるはず。細麺との相性も抜群で、世界を股にかけるまでに成長した理由が分かる。卓上の辛モヤシと高菜が自由にトッピングできるのもうれしいポイントだ。

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