ハオワール
Photo: Yoko Asano

東京、世界のアレンジおでんが味わえる店

フレンチから四川、トムヤムまで、おでんの七変化

テキスト:
Yoko Asano
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、世界のアレンジおでんが味わえる店

テキスト:浅野陽子(フードライター)

まろやかですっきりした後味の和風だしに、日本料理ではおなじみのダイコンや卵、はんぺんをたっぷり。おでんは日本人が大好きな、冬の鉄板メニューだ。しかし近年、基本を少し崩した「アレンジおでん」と呼ばれる鍋料理が出現。調味料メーカーの新商品や、レシピサイトにも続々登場している。

ここでは、都内で独自のアレンジおでんを提供している店を紹介する。ワインに合うフレンチおでんや、全身から発汗してくる四川風おでん、トムヤム風味などグローバル仕様のアレンジおでんをセレクトした。個性的だが、どれもおいしいのにも驚く。さらに奥深いおでんの世界を体験してみては。

  • レストラン
  • ビストロ
  • 新井薬師前

西武新宿線新井薬師前駅から徒歩4分の場所にあるビストロ。中野駅からも歩ける。

レバームースや肉のコンフィなどをつまみに、ミシュラン店出身のソムリエが選ぶさまざまな銘柄ワインが楽しめる。

また、一年を通じて提供する『フランスおでん』が好評。シェフの小杉龍介(こすぎ・りゅうすけ)は「おでん=フレンチの煮込み料理」と考え、冬はブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)や鶏肉のポトフ、夏はブイヤベースなどをアレンジしたオリジナルのフランスおでんとして提供する。具は大根や卵とともに、牛ホホ肉や自家製ベーコン、フォアグラも使用。

高級フレンチ店での経験も長い、ソムリエの渡邉司(わたなべ・つかさ)によるワインペアリングも楽しさがある。カウンター主体でクラシックなバーのような店内は居心地がよく、フレンチやワイン好きの女性はハマるだろう。

  • レストラン
  • 中華料理
  • 神保町

神保町駅近くにある四川料理店。アジアの屋台街を思わせる空間で、四川の辛いメニューを酒と一緒にカジュアルに楽しめる。

一年中提供している『麻辣(まーらー)おでん』が名物。大根やコンニャク、ちくわなどのおでんの具を四川風の辛いスープで食べる。

店主の菊池正寛(きくち・まさひろ)が「中国の火鍋をヒントに考えた」というオリジナル料理で、一口目はあまり感じないが、後からビリビリした辛さが追いかけてやってきて、食べ終わる頃には全身から発汗。甘みやコクも感じる不思議な刺激感はクセになる。ハイボールや中国酒のソーダ割りとの相性も抜群だ。

点心や麺類など辛くない料理もたくさんある。中華料理で気軽に飲みたいときに仲間と訪れたい。

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  • レストラン
  • イタリア料理
  • 錦糸町

錦糸町駅から徒歩3、4分の場所にあるイタリアンバル。前菜やパスタ、肉のグリルなどイタリアンの定番メニューをイタリア各州のワインとともにカジュアルスタイルで提供する。

煮込み料理が人気で、ランプレドット(フィレンツェの牛もつ煮)や、ボッリートミスト(ピエモンテ州の煮込み料理)は注文が多く店の名物になっている。冬季限定で出す『イタリアおでん』も好評。牛バラ肉と野菜のだしでサルシッチャ(イタリアのソーセージ)やダイコン、チーズがけトマトを煮込んだものだ。

駅近ながら、45席ある広い空間も特徴的。大人数でワインやイタリアンを楽しみたいときに利用してみては。

  • レストラン
  • タイ料理
  • 代々木

代々木駅近くの古民家を再生した飲み屋街、ほぼ新宿のれん街にあるタイ風居酒屋。ガイヤーン(鶏の炭火焼き)やタイの串料理や定番メニューと東南アジア系ビールを提供する。

冬季限定で出す『赤おでん』が人気。ココナッツミルクやレモングラスをきかせた真っ赤なトムヤムスープで食べるおでんで、和の具材がなぜかタイのスープとも相性ぴったり。甘くて辛くて酸っぱい味は、ハマってしまうだろう。

店内は昭和の日本家屋とアジアの屋台をミックスしたような不思議な空間で、東京にいながらちょっとした旅行気分に浸れそうだ。おでんの販売期間は毎年決まっていないので、確実に食べたい場合は来店前に電話で確認を。

ライタープロフィール

Yoko Asano

フードライター。食限定の取材歴20年、「dancyu」「おとなの週末」「ELLE a table(現・ELLE gourmet)」「AERA」「日経MJ」「近代食堂」など食の専門誌を中心に、レストランや料理人への取材多数。テレビのグルメ番組への出演実績もある。「NIKKEI STYLE」(日本経済新聞社)の人気コーナー「話題のこの店この味」で毎月コラム連載中。

冬に温まるなら……

  • レストラン

日本の冬の風物詩、おでん。一年中おでんを出す専門店もあるが、やはり寒風吹きすさぶ季節に味わう、アツアツのおでんはたまらない。じっくり煮込んだダイコンや卵、練り物には日本人ならではの郷愁を感じるだろう。

 

  • レストラン

秋も深まり朝晩と冷え込む日が続き、温かい料理が恋しい季節が近づいてきた。家族や友人との鍋パーティーや、手軽な一人鍋など、自宅でのんびり鍋をつつくのもいいが、ここではプロの腕が光る鍋料理の専門店を紹介する。ちゃんこ鍋やねぎま鍋、すき焼きなど、いずれも都内の名店ぞろい。今夜は、ほかほかの鍋料理を囲んでみてはいかがだろう。

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  • レストラン

東京の冬は寒い。雪国のようにセントラルヒーティングや断熱性の高い設備があるわけではないので、こと屋内に関しては凍える思いをすることが多いのだ。

そんな環境であるから、我々がこたつの魅力に抗えないのも仕方のないこと。こたつに体を埋めながらの食事は酒は、どうしてあんなにも美味いのだろうか。本記事では自室にこたつがない人々のために、こたつ席を用意しているカフェや居酒屋を紹介する。

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