1. サナギシンジュク
    Photo: Kisa Toyoshima
  2. オデントワイン ビノム
    Photo: Kisa Toyoshimaオデントワイン ビノム

東京、ネオおでん7選

カモだしに牛タン、異空間で楽しむ正統派まで

テキスト:
Yoko Asano
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ネオおでん7選

テキスト:浅野陽子(フードライター)

日本の冬の風物詩、おでん。一年中おでんを出す専門店もあるが、やはり寒風吹きすさぶ季節に味わう、アツアツのおでんはたまらない。じっくり煮込んだダイコンや卵、練り物には日本人ならではの郷愁を感じるだろう。

おでんを提供する都内の人気店のなかでも、だしに変化球を付けたり、あえて異空間や斬新なシチュエーションで正統派おでんを食べたりするなど、従来とは異なるスタイルでおでんが楽しめる店を紹介する。名付けて「ネオおでん」だ。

西麻布にある高級おでん店。おでんのだしはシェフが毎日6時間かけて仕込むカモのコンソメで、このスープで煮込む「フォアグラ大根」やトリュフスライスをかけた「半熟玉子」、「フルーツトマト」などのおでん種をコース形式で提供する。新しいフレンチスタイルのおでんだ。

ワインのラインアップが秀逸で、同店のオーナーソムリエがフランス産を中心に世界各国の銘醸地(有名な産地)のワインを200種そろえている。

コクのあるコンソメがじわりとしみたダイコンや半熟ゆで卵に、フォアグラやトリュフといったフレンチの高級食材が合わさるとまた絶品。ワインとの相性は言わずもがなだ。

古民家を改装した一軒家の店舗も、自宅で贅沢なおでんを味わっているようで居心地がよい。14席はすぐ満席になるため、早めに予約を。

  • Things to do
  • 新宿

新宿駅東南口から徒歩1分、甲州街道の高架下にあるレストランとイベントスペースを兼ねた場所。新宿区の開発計画により2016年にリノベーションされ誕生した。

店内はとにかく派手、の一言。全200席あり、ソファ席、バーカウンター、こたつのある小上がりが巨大なスペースに点在する。おでんや寿司、中華ちまきと料理はバラエティーに富み、屋台のような店舗から提供される。おでんは通常の和風だしが染みた正統派だが、異空間で味わう体験が目新しいと常時人気。ガイヤーン(タイの焼き鳥)、サテ(マレーシアやインドネシアの串料理)など東南アジア系のつまみもある。

客は店内のどの席に座ってもよい。初めて訪れた際はビビットドかつ斬新な内観とコンセプトに圧倒されるが、料理はクオリティーが高く満足感がある。

 

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  • レストラン
  • 中目黒
  • 価格 2/4

中目黒高架下にあるおでん専門店。鳥取の銘柄鶏、大山(だいせん)どりのだしで煮込む、濃厚かつうま味たっぷりの「鶏だしおでん」が大好評だ。近隣の住人や、中目黒を訪れる人に支持されている。

定番の「大根」(290円)、焼き鳥のように串打ちして煮込んだ「特選鶏串おでん」(「せせり」「もも」など各種)、チーズのような食感が後を引く「東京揚げ」(350円)、黄身がとろりと溶け出す「名古屋コーチン半熟卵」(320円)と、味わい深いおでん種がそろい、どれも絶品。

予約は一切受け付けないシステムだが、スタンディング席もあり回転は早い。テイクアウトも可能なので(一部のおでん種はテイクアウト不可)、持ち帰って自宅で好きな酒とともに楽しむ客も多いようだ。

  • レストラン
  • 日本料理
  • 渋谷

渋谷ヒカリエのレストランフロアにある。スタイリッシュな空間で、47都道府県の日本酒とともに創作おでんや「ベジ串(ミニトマトやレタスを豚バラ肉で巻いた焼き串)」を楽しめる。

シンプルな「江戸前澄み出汁」おでんと、こってりした「デミ味噌出汁」おでんの2種類あり、定番のだしの染みたはんぺんやたまごもいいが、デミグラスソースと八丁みそを合わせたような、甘く濃厚な風味のもつ煮込みやロールキャベツなどの洋風おでんは、なかなかハマる。

日本酒は好みを伝えるとスタッフがぴったりの銘柄を選んでくれる。冷やから常温、熱かんまで各酒に合った11種類の温度で提供。少量を495円から飲める「ちょい飲み」サイズもあり、初心者やいろいろ飲んでみたい人にも気軽に注文できる。

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  • レストラン
  • 日本料理
  • 代々木

代々木駅から徒歩1分の飲み屋街、ほぼ新宿のれん街にある居酒屋。特大サイズのゆで牛タンや、牛テールスープのだしで煮込んだおでんが名物だ。

牛だしおでんは見た目は透明であっさりしているが、味はこっくり濃厚。卵やちくわぶ、とろろ昆布をたっぷり乗せた豆腐など、このだしがじわりと染みた具は酒との相性が抜群だ。同店ではおでんは冬だけでなく1年中提供するが、夏でも注文が多いという。

客は20代からシニアまで幅広いとのこと。女性の一人客も気兼ねなく過ごしやすいだろう。古民家をリノベーションした店舗で靴を脱いで入店するため居心地がよく、外で飲んでいることを忘れそうになる。

  • レストラン
  • 日本料理
  • 赤坂

赤坂見附駅、赤坂駅からそれぞれ徒歩3、4分の場所にあるおでん店。アサリのだしに大根や卵、ちくわなど定番の具材を煮込んだオリジナルの「あさりおでん」を酒とともに提供する。

塩加減は控えめだが、まろやかでコクのある貝のだしは素材の味を引き立て、酒が進む。女性店主の諸井麻利子(もろい・まりこ)の明るい接客も居心地がよい。実はアサリおでんは、諸井の下の名前の漢字から思い付いたという。

赤坂近辺で働くビジネスマン、近隣に住むグルメ好きの客が通う。27時まで営業しているのも便利だ。

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渋谷区円山町にある住所非公開の隠れ家系おでん店。おでんのだしはコンブとカツオをベースにしたもので、完全予約制のコース(3,800円から)やアラカルトで提供。このだしで味わう「かすうどん」も好評だ。

ドリンクにも個性的なものをそろえ、ウオッカ漬けにした生のサンショウで作る「山椒と木の芽のサワー」などがある。

いろいろ秘密めいた同店は、大阪出身のマルチアーティスト、Seihoがプロデュースしている。25時まで営業。謎が多いが、Twitterには予約や空席確認用の「QRコード」があり、興味がある人は誰でも来店可能だ。 

ライタープロフィール

Yoko Asano

フードライター。食限定の取材歴20年、「dancyu」「おとなの週末」「ELLE a table(現・ELLE gourmet)」「AERA」「日経MJ」「近代食堂」など食の専門誌を中心に、レストランや料理人への取材多数。テレビのグルメ番組への出演実績もある。「NIKKEI STYLE」(日本経済新聞社)の人気コーナー「話題のこの店この味」で毎月コラム連載中。

東京でさらにおでんにハマるなら……

  • レストラン

ここでは、都内で独自のアレンジおでんを提供している店を紹介する。ワインに合うフレンチおでんや、全身から発汗してくる四川風おでん、トムヤム風味などアレンジはさまざま。個性的だが、どれもおいしいのにも驚く。さらに奥深いおでんの世界を体験してみては。

  • レストラン

ベースとなるだしに練り物から溶け出す魚介系のうま味、野菜の優しい甘み、牛すじなどの動物性のうま味が合わさった複合的な味わいが、たまらないおでん。ここでは、気楽な立ち飲みおでんから、下町の老舗、持ち帰りのみの名店まで、東京都内の人気おでん専門店を紹介する。

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