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南極観測70年の歩みをたどる「大南極展」が日本科学未来館で開幕

36万年前の空気を含むアイスコアの実物も展示

Kaoru Hoshino
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Kaoru Hoshino
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大南極展
Photo: Kisa Toyoshima | 左から、橋田元、日本科学未来館副館長の高木啓伸、熊谷宏靖
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1956年、南極観測船「宗谷」に乗った第1次南極地域観測隊が東京・晴海ふ頭を出発し、日本の南極への挑戦がスタートした。それから70年となる2026年、その歩みと研究の最前線を紹介する「大南極展」が、2026年7月1日(水)から9月27日(日)まで「日本科学未来館」で開催される。

大南極展
Photo: Kisa Toyoshima
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Photo: Kisa Toyoshima南極観測船「しらせ」の模型

南極には、地球の過去を知る手がかりとなる氷や隕石など、貴重なサンプルが眠っている。それらを分析することで、過去の気候変動を復元し、未来の地球環境を予測する研究が進められている。

大南極展
Photo: Kisa Toyoshima配布されるミッションシートのクイズに答えながら進むと、展示がより楽しめる
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Photo: Kisa Toyoshima会場の様子

展示では、南極観測の最前線に迫る。見どころは、約36万年前の空気や火山灰を閉じ込めた深層アイスコアの実物だ。南極は、数十万年に渡って積もった雪が固まってできた氷床に覆われ、その厚みは最大で4000メートルに及ぶ。現在、その氷床を掘削するドリルは2700メートル以上の深さまで到達し、約100万年前の氷の採取を目指すプロジェクトも進行中だ。

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Photo: Kisa Toyoshima南極の氷に触れられる
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Photo: Kisa Toyoshimaアイスコアを掘削するドリル
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Photo: Kisa Toyoshima実物のアイスコア

さらに、南極で採取された隕石や地質調査の方法を紹介する展示など、普段は目にする機会の少ない貴重な資料も並ぶ。生態系研究の一環として、アデリーペンギンのヒナのレプリカを実際に持ち上げ、その重さを体験できるコンテンツもある。予想以上の重みに、生き物の存在感を実感するだろう。

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Photo: Kisa Toyoshima南極で採れた隕石の展示
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Photo: Kisa Toyoshimaアデリーペンギンの体重測定体験

実際に南極で使われている観測機材や防寒着の展示に加え、激しい降雪と吹き上げられた雪で視界が奪われるブリザード体験も用意。雪が渦を巻くように舞い上がると、地面がゆっくりと回転しているような錯覚に陥り、足がすくんでしまう。このような、隊員たちが直面する過酷な環境が疑似体験できる。

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Photo: Kisa Toyoshima防寒具
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Photo: Kisa Toyoshimaブリザード体験

観測隊の日常を紹介する展示も見どころの一つ。南極では約30人の越冬隊が1年以上生活を共にし、食料の保存や葉物野菜の水耕栽培、インターネットを利用した家族との連絡など、限られた環境の中で暮らしている。昭和基地内にはバーや理髪室が設けられ、「氷山流しそうめん」といったイベントも行われるなど、厳しい環境の中でも工夫を凝らしながら生活していることが分かる。

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Photo: Kisa Toyoshima観測隊の日常を紹介する展示
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Photo: Kisa Toyoshima多彩なメニューの「南極飯」

観測隊は研究者だけで成り立っているわけではない。料理人や歯科医師、大工、エンジニアなど、多様な職種が観測を支えている。研究者でなくても南極へ行く道はあると思うと、南極が身近な存在に感じられるだろう。

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Photo: Kisa Toyoshima

南極地域観測隊越冬隊長を3度務めた橋田元は、展覧会開催前の会見で「満月の夜は屋外で本が読めるほど明るくなるんです。これは実際に体験してみないとなかなか伝わりません。そして、基地から離れた場所では、本当に音がありません。多くの観測隊員が、この静けさをどう表現するか考えるほど印象的です」と、南極ならではの自然について語った。

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Photo: Kisa Toyoshima画面に映るペンギンをカウントする体験

また、南極地域観測隊夏隊長の副隊長を務めた熊谷宏靖は「人工の光がほとんど存在しない南極では、満天の星空や流れ星を鮮明に見ることができます。オーロラは天候や太陽活動に左右されるため毎日見られるわけではありませんが、遭遇できた日は隊員にとって特別な体験になります」とその美しさを振り返った。

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Photo: Kisa Toyoshima南極の生き物が近くで感じられる体験も

展示を見終える頃には、もっと南極について知りたくなっているはずだ。会場のショップには関連書籍も並び、「すみっコぐらし」とコラボレーションした限定グッズも見逃せない。

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Photo: Kisa Toyoshima「すみっコぐらし」とのコラボレーショングッズ

気候変動への関心が高まる今だからこそ、未来を考えるヒントが詰まった展覧会だ。南極に詳しくない人でも楽しめるよう、基礎知識から丁寧に紹介されており、専門的な内容も分かりやすいパネルで解説されているので、歴史から最新の研究成果まで自然と理解が深まるはずだろう。この夏、南極がぐっと近づく同展へ出かけてみては。

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