[title]
2025年3月10日、北千住にアングラネオ酒場「心技体酒場」がオープンした。相撲をコンセプトとした創作居酒屋で、細部まで躍動感あふれる内装の中でこだわり抜かれた創作料理が味わえる。
北千住のコミュニティーが集って自分たちで作り上げた空間は、5月中旬に完成。そんな同店の魅力を届ける。
コンセプトはオーナーの父である元力士・板井圭介
相撲をコンセプトにした同店は、オーナーである平野憂基が元力士・板井圭介(1956〜2018年)を父に持つことが由来。店内は蛍光色の装飾がギラギラと輝き、エネルギッシュなフォントのグラフィック、雑誌を用いた板井のコラージュや力士のイラストが随所にちりばめられており、非日常な空間が広がる。


壁には、板井の現役時代や昭和力士の手形が並ぶ。相撲好きは話が弾むだろう。シャンデリアや鏡は、キャバクラであった前の店のものを使用。空間に派手さと面白みをプラスしている。

昔ながらの商店街や飲み屋が多い北千住は飲食店同士の仲が良く、温かみがある下町ならではのつながりがあるという。今年2月に店作りを始めた際にも、オーナーとデザイナー、周辺のコミュニティーが意見を出し合い、自分たちで一から作業し、納得がいく形で空間を完成させた。
内装デザインは注目の若手グラフィックデザイナーを起用
空間ディレクションを手がけたのは、グラフィックを中心とした表現を軸に活動する、注目の若手デザイナー・KID ROSE。自身のInstagramで作品が広まり、国内外問わずアーティストやブランドと幅広くコラボレーションを行っている。
全体の空間デザインを受け持ったのは、今回が初めて。北千住の「エスディコーヒー(Sd coffee)北千住」の店主である鈴木保幸とのつながりがきっかけで、KID ROSE自身も下町出身であることから内装ディレクションを一任された。鈴木が営む、浅草の昭和レトロなカフェ&立ち飲み屋「ドライブイン電電」の図案も担当した。

実際のイメージと異なることが多く、追加で手を動かすことが山ほどあったり、オープン後は深夜作業が続いたりしたが、その分自由度が高く、自身がハマったとこまで作り上げられたという。
普段はグラフィックデザイナーとして平面に対する表現を仕事にしているため、壁に巨大なステッカーを貼ったような表現も取り入れた。また、元力士の板井は大相撲の八百長を告発したことで知られていることから、その要素も全体のデザインに落とし込まれている。


ディレクションだけでなく、多くの範囲で自らの手を動かしたことで、非常に愛着のある店が完成したと語るKID ROSE。今後も、下町と海外を中心に活動していきたいと話す。

ちゃんこ好き必食の創作料理
14時から飲める昼飲みスポットでもある同店。 地元住民を中心に、昼飲みを楽しむ人が訪れる。創作料理は、オーナーの平野が考案したこだわりの品々。「焼き鳥盛り合わせ」は、特製のちゃんこだれで絡められたモモ・ハツ・手羽・胸という4種の鶏肉と、アボカドとネギが豪快に盛り付けられている。

相撲部屋の料理「ちゃんこ鍋」のポーションを小さくした「ちゃんこ風つみれ煮込み」は、あっさりとした優しいだしが美味。国産牛を使用した「和牛塩ユッケ」も店のいちおしメニューだ。
オリジナルドリンク「横綱ハイボール」は、片手で持てない特大サイズ。箸も酒もぐんぐん進むだろう。

同店は現在も進化を続けている。今後は、店の一角でステッカーとTシャツなどのオリジナルグッズを販売するほか、食後にステッカーなどが当たる飲み放題のプランを思案中だとか。相撲好き、昼飲み、一人でも友人とでも、「心技体酒場」を体感しに訪れてほしい。
関連記事
『音楽、本、木漏れ陽、香り、五感で味わうロースタリーカフェが三軒茶屋にオープン』
『アーティストのネクストステップを支える場へ、代官山にクラブ「ORD.」がオープン』
『高輪に「HOTEL Rin TOKYO」がオープン、昭和民家が紡ぐ新たな宿場町体験』
『神保町・お茶の水エリアにミニシアター「シネマリス」が2025年オープンへ』
『新大久保のガチ台湾フードコート「K, D, C,,,」でしかできない4のこと』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら