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2025年5月25日に、地域を案内するコンシェルジュサービスが付いた宿泊施設「ホテル リン トウキョウ(HOTEL Rin TOKYO)」が泉岳寺にオープン。昭和に建てられた住宅をリノベーションし、一棟貸しホテルとして生まれ変わった。現在は1日1組限定で、家族や友人グループなど最大6人ほどで利用できる。
泉岳寺駅から徒歩3分、高輪ゲートウェイ駅から徒歩11分という都心の真ん中でありながら、寺に隣接する静寂の中で「暮らすように泊まる」体験を提供する。24時間体制のコンシェルジュが、まるで地元の親戚のように滞在をサポートしてくれるのも特徴だ。
今回は、そんなホスピタリティーあふれる同施設の魅力について紹介する。
昭和の建物にモダンを吹き込む

ホテルに入ると、上質な静寂とともに「ただいま」と言いたくなるような懐かしい温もりに包まれる。
同施設を手がけるのは、品川エリアで複数の地域密着型のホテルを運営してきた宿場JAPAN。品川の寺院「道往寺」にその実績を見込まれ、寺に隣接する民家を譲り受けたことから、同施設の構想がスタートした。

今回は初のフルリノベーションに挑戦し、これまで培ってきたホテル設計のノウハウを凝縮。試行錯誤の末、昔ながらの日本民家のたたずまいはそのままに、内部は心地よく便利に過ごせるモダンな宿に仕上げた。
寝室のドアや装飾、着物ケースなど、ところどころにリノベーション前の面影が残る。チェックインしたら、ぜひ探検気分で隠れたディテールを発見してほしい。
3室ある客室はそれぞれ印象が異なり、どの部屋に寝ようか迷うのも楽しい。ウッドデッキで風を感じながらビールを飲むのもいいだろう。昭和のクローゼットがそのまま残る2階からは、日本家屋の屋根越しに寺院が見え、ビル群の中にいることをつい忘れてしまう。

宿場町のDNAを受け継ぐもてなし

江戸時代、品川は東海道屈指の宿場町としてにぎわい、旅人や朝鮮通信使が行き交う遊興の地だった。今も路地裏には下町の風情が残り、商店街の活気に驚く人も多い。
この地域に長年暮らし、地元住民とともに地域活動に携わってきたのが、同社の代表・玉井(渡邊)崇志だ。かつての宿場町としてのにぎわいが今の品川には感じられないーーそう気づいたことが、ホテル事業を立ち上げる原点となったという。

同施設では、グループ会社である旅行会社「宿場トラベル」のプランと連携し、屋形船クルーズ、寺院での座禅体験、地元商店街ツアーなど、高輪・品川の隠れた魅力を掘り下げるプログラムを用意する。

品川や近隣の飲食店や商店街からオーダーした商品が、ルームサービスのように宿に届けられるデリバリーサービスも見逃せない。
ビーガンやベジタリアンはもちろん、鍋やワインバル、中華など、ゲストの好みに合わせてコンシェルジュが近隣の提携店から料理をホテルまで配達。子ども連れや大人数では入りにくい品川近辺の名店の味をプライベート空間でゆっくり堪能できるのは、一棟貸しならではの贅沢だ。

今後はさらに地域との結びつきを強め、ゲストに品川の魅力を発信するサービスを展開していく。都内屈指の好アクセスという利便性だけでなく、古き良き建物や名物を味わい、地域に根ざした体験ができるのが大きな魅力だろう。
「滞在」という枠を超えたひとときを、大切な人たちとともに過ごしてみては。
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