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自分だけのドライフラワーブーケを作り、逆輸入な抹茶を飲む

原宿駅からすぐそばの複合施設「原宿クエスト」の1階。区画番号を冠したドライフラワーショップ「EW.Pharmacy #106」と、抹茶専門店の「rocky’s matcha」がコラボレーションした新店が2026年3月13日に誕生した。
まずは「EW.Pharmacy #106」から見ていこう。同店はフラワーアーティストの篠崎恵美によるクリエーティブスタジオ「edenworks」が手がけるドライフラワーショップ。同店のドライフラワーは、展示で使用した生花や、系列のフラワーショップの「ew.note」で販売している花を破棄するのではなく、傷む前にアップサイクルしたものだ。
以前は富ヶ谷に店を構えていたが、ドライフラワーという性質上、頻繁に購入されるものではないため、かねてより移転することを前提に店作りをしていた。そのため、カウンターなどの什器(じゅうき)は以前の店のものをリサイズして再活用している。また、富ヶ谷から原宿へと移転することを決めたのは、もっと幅広く、若い世代にも「花を捨てない」という思いを伝えたいからだという。
同店の特徴は、店名の通り薬局(ファーマシー)のように、ドライフラワーのスワッグなどをカウンセリングしながら作れることだ。季節ごとに取り揃えた12種類の中から、スタッフが来店者に好きな色、今興味のあるものなどをヒアリングし、最適なものをセレクトする。真空パッケージの中に絵を描くように並べたタイプと、スワッグタイプがそれぞれ2サイズ展開し、最短で15分ほどで完成する。
そのほか、ボトルやガラスドームにアレンジすることもでき、花の種類や色味でオーダーメイドする場合は、1週間ほど時間がかかることも。ドライフラワーはシーズンで余ってしまっても、きちんと保管され、花を捨てることをなるべく無くすように取り組んでいる。
加えて、一枚一枚丁寧に押し花にした花びらや葉で制作したオリジナルのミラー「ready-made mirror」(2,420円、以下全て税込み)やバッジ「ready-made badge」(1,650円)などもラインアップ。他社のものは茶色いイメージが強いポプリも、同店の「schale pot-pourri arrangement」(4,400円)は鮮やかで、目にも美しい。さらに、本店舗から販売開始された6種類のオリジナルのオードトワレ「EW EAU DE TOILETTE」も全て植物由来の材料でできている。
また、同所には、アメリカ・ロサンゼルス発のティーブランド「rocky’s matcha」の世界初の実店舗が同居。同ブランドを手がけるのは、茶業界ではなく、元々は音楽、ファッション、デザインで長年キャリアを積んできた2人の共同経営者だ。異業種からの参入ゆえに、既存の常識に縛られることなく、生産者や職人にスポットを当てた上で、品質へのこだわりと歴史への敬意を保ちながら、抹茶を新しい層へ届けていきたいと彼らは語る。
日本とロサンゼルスでは、抹茶に対する捉え方が異なる。日本では世代を超えて受け継がれてきた伝統的な存在である一方、アメリカでは若い世代が「エナジードリンクの新しい選択肢」として抹茶を選んでいる。創業者の友人は、ロサンゼルスにおける抹茶について、「日本におけるアメリカビンテージへの愛情」に例えたという。ある文化にとって当たり前のものが別の文化圏で深く愛され、新たな解釈が生まれていく。そして、アメリカやヨーロッパでの抹茶の人気から、逆輸入のように日本の若い世代の関心を呼び覚ましつつあるのも興味深いとのことだ。すでに同店には、ローカルと海外からの来店者がバランスよく訪れている。
メニューは、ストレートの「rocky’s matcha」(700円)、「rocky’s matcha Matcha Latte」(850円)、「rocky’s matcha Houjicha Latte」(850円)の3種類を提供。それぞれホットとアイスが選べるほか、ミルクの入ったメニューはオーツミルク(50円)へと変更もできる。
また、抹茶やほうじ茶のパウダーもラインアップし、特に海外からの来店者に土産として人気だ。そのほか、抹茶、茶せん、茶せん立て、茶こし、計量スプーンといった必要な道具が揃った入門キットの「rocky's matcha Essential Tea Kit」(1万2,100円)も取り扱う。
「最高の一杯をさまざまな人と場所に届ける」というコンセプトをかかげるrocky's matcha。原宿クエストがラグジュアリーで洗練された表参道とカジュアルでストリートカルチャーを感じる奥原宿をつないでいるように、rocky's matchaは東京とロサンゼルス、日本の伝統的な文化と現代的なデザインなど異なる世界同士をつなぐことで、きっとこれまで抹茶に触れてこなかった人への橋渡しを担おうとしているのだろう。ドライフラワーを介して「花を捨てない」という思いを伝える「EW.Pharmacy #106」と、その志は通じている。原宿クエストの一角に生まれた空間に、まずは足を運んでみてほしい。
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