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江戸東京博物館が4年ぶりの復活、中身が想像以上だった

カタナだけじゃない、都市の400年を丸ごと体感する巨大空間

Rikimaru Yamatsuka
テキスト
Rikimaru Yamatsuka
作家
江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima | 施設内にある「服部時計店」
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このたび、4年ぶりにリニューアルオープンした両国の「江戸東京博物館」に行ってきた。当施設に足を踏み入れたのはこれがはじめてである。公式プレスによれば、「選りすぐりの逸品と初出品資料を軸に、都市『大江戸』の魅力に迫ります」とあったので、カタナとかヨロイとか浮世絵とかそういうのがいっぱいある感じのところだと思っていたのだが、全然想像していたのと違った。

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima明治時代の「浅草花屋敷の門」を再現したコーナー

カタナもヨロイも浮世絵も確かにいっぱいあるのだが、それ以外もめちゃくちゃあるところだった。しかもなんなら個人的にはそれ以外のほうが楽しいぐらいだった。 

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima展示の様子

コストコ並みの規模

取材当日はまさに初日であいにくの雨だったのだが、昼過ぎに訪れると、半端ない行列だった。往年のドラクエの発売日を思わせるほどの長蛇の列がうねり、館内では職員さんたちが超忙しそうに駆けずり回っていて、なんかもうちょっと異様な空気だった。

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima「江戸東京博物館」内部の様子

調べたところによると初日の来場者数はなんと6000人超だったそうで、「こんな人たくさん入ってたら展示とか全然ちゃんと見れなそー! ルーヴル美術館みたいになってんじゃねーの?」とか思ったのだが、5・6階の2層に広がる常設展に足を踏み入れると、すぐにそんな心配は雲散霧消した。

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima展示の様子

デカい。マジデカい。普通に「コストコ」ぐらい広い。フロアはなんと9000平方メートルだ。調べたところによると京都八幡のコストコの売り場面積は9509平方メートルなので、本当にほぼコストコ。しかもそれが2層にわたって展開されているという。

なので、混雑感をあまり感じることなく、ノンストレスで鑑賞できた。逆にマジデカすぎて出口わからなくなるレベルだった。実際、職員さんに「帰り道はどっちですか?」って聞いている人がいたもん。それに聞き耳立ててどうにか帰ったもん。そのぐらいデカい。

「江戸」と「東京」(そして文明開化)

で、このデカいスペースは大きくふたつに大別されている。「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」だ。そしてその中間部に「文明開化ゾーン」とでもいうべき一角があり、導線に沿って鑑賞してゆくと、ここ400年ぐらいの江戸・東京の歴史を体感できる。まずこれが予想外だった。

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima展示の様子

両国にあるし、てっきり「和」で「雅」な感じの江戸文化フィーチャー施設だと思っていたのだが、近現代まで幅広くカヴァーしている。カタナやら甲冑やらの時代から、最終的にはiPadとかメイド服の時代までいってしまうのだ。非常に潤沢なスペースを贅沢に使って展示されるのは、単なる歴史的アイテムばかりではない。

江戸東京博物館
Photo:Kisa Toyoshima展示の様子

江戸時代の絵草紙屋や寺子屋や芝居小屋や、大正時代の同潤会アパート、高度経済成長期の団地の一室などが再現され、フロア内に建物がいくつも実寸大で設置されている。その完成度たるやどれも素晴らしく、たとえば寺子屋(江戸時代の私塾)などはちゃんと当時の着物を着た子どもたちの人形が正座し、黙々と書に励む子どもの集中力や、頭をはたく子どもの躍動感すらリアルに表現している。しかも、それらの一部は実際に内部に入ることすらできるのだ。 

ハイバジェット、フルボリューム

極めつきは文明開花ゾーンに位置する「服部時計店」。ここにはなんと26メートルもある時計台を再現。ここにはリニューアル前「朝野新聞社」を模した大型模型があったそうなのだが、「朝野新聞社」が「服部時計店」へ改修されたという史実に基づいて、今回展示をアップデートしたということらしい。マジやばい。マジやりすぎ。

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Photo:Kisa Toyoshima「服部時計店」

ほかにも、吹き抜けの6階中央には江戸時代にかけられていたという木造の橋が実物大再現されているし、さらにそこから天井を見上げるとプロジェクションマッピングで江戸の夜空が映し出されているしで、シンプルにめっちゃくちゃ金かかってんなと思う。

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Photo:Kisa Toyoshima最初の円タクである「フォードA型4ドアセダン」

普通に「スバル360」とか日産のトラックとか本物置いてあるしね。最初の「円タク」である「フォードA型4ドアセダン」や、大正期の重要文化財に指定されている日本最古の乗合バスなんかもある。銀座煉瓦街の1/25スケールの模型とか、ミニチュア系のやつもマジで作り込み半端ない。

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Photo:Kisa Toyoshimaミニチュア模型

「文明開化東京」エリアにある鹿鳴館のミニチュアなんか、わざわざガラス張りの床に展示してあって、それを上から見下ろす形で鑑賞できるようになってるしね。とにかくマジデカくてマジ金かかってて作り込みが異常でボリュームが半端ない。これでチケットが大人800円なのは破格。本気で全部イチから鑑賞しようと思ったら、丸1日かけても足りないだろう。

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Photo:Kisa Toyoshima「鹿鳴館」のミニチュア

歌川広重の後期代表作も

現在、リニューアル記念企画展として、「名所江戸百景」展がひらかれているが、それも相当よかった。かのゴッホにも影響を与えた絵師・歌川広重の後期代表作シリーズ「名所江戸百景」の全120点を一挙公開するというものだが、これは大変貴重な機会だそうだ。

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Photo:Kisa Toyoshima「名所江戸百景」展のエリア

絵の美しさもさることながら、アート&デザインスタジオのTangentによるディレクションもすばらしかった。全ての絵がガイドブックを開いたような立体的な額装になっていて、右にキャプション、左に原画があてられた見せ方は、とてもセンスがよく、また非常にわかりすい。2026年5月10日(日)までの企画なので、ぜひ鑑賞してほしい。

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