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デザインの最前線を巡る、「DESIGNART TOKYO 2026」が開幕

10周年の目玉はKK線に広がる展示「AUTOBAHN」

Kaoru Hoshino
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Kaoru Hoshino
Editor
DESIGNART TOKYO 2026
画像提供:DESIGNART TOKYO 2026 | KK線
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秋の東京をクリエーティブ一色に染めるデザイン&アートの祭典「DESIGNART TOKYO 2026」が今年も開幕した。表参道・外苑前・原宿・六本木・池尻・代官山・銀座など、都内各所の約70の会場に、国内外から約150組の気鋭デザイナーや建築家、アーティストが集結し、街のあらゆるロケーションで独創的な作品を披露している。

DESIGNART TOKYO 2026
Photo: Analicia Graça展示風景

節目となる10周年目を迎えた今年のハイライトは、高速道路としての役目を終えた東京高速道路「KK線」を舞台にした大規模展示「AUTOBAHN」だ。かつて車が行き交った約4000平方メートルに及ぶ空間に、名称通り、リミットのないクリエーションが、11月3日(火)まで繰り広げられる。

DESIGNART TOKYO 2026
画像提供:DESIGNART TOKYO 2026「AUTOBAHN」

さらに今回は、初の試みとなるポップアップストア「AUTOBAHN - The Design Store」もKK線に登場。ハイセンスなプロダクトデザインが並び、眺めているだけでも思わず財布の紐が緩んでしまいそうだ。

今回は、街全体が巨大なギャラリーと化す同イベントの見どころを厳選して紹介。出かける前にチェックしてほしい。

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Photo: Analicia Graça「AUTOBAHN - The Design Store」

KK線

銀座周辺の上空にまたがるKK線では、30歳以下の若い世代から産業を牽引する企業まで、多彩なクリエーションが市場のように広がって展示されている。中でも注目したいのは、テキスタイルデザイナーの竹内瑠奈による、伝統的な染色技法や布の特性を生かした表情豊かなテキスタイルだ。彼女が作り出す新たな質感の生地は、布の可能性を軽やかに広げる。

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Photo: Kaoru Hoshino竹内瑠奈のテキスタイル

デザイナーの谷雄一郎は、4つの石の内部に電子機構を組み込み、位置や回転を読み取ることでラジオとして機能させたユニークな作品『石とラジオ』を発表。「もの派」を思わせる佇まいとテクノロジーの融合が、一際目を引く。

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Photo: Kaoru Hoshino『石のラジオ』

くすりと笑えるユーモアを持ち合わせるのは、イスラエルを拠点に活動するデザインスタジオ「Reddish Studio」による、「フムス」をテーマにした展示。中東の伝統的なひよこ豆ペーストであるフムスを成形するため、特別な機能を加えたろくろを制作。皿に盛り付けるという何気ない行為そのものを再考させるコンセプチュアルな作品だ。

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Photo: Kaoru Hoshino「Reddish Studio」の展示

AUTOBAHN - The Design Store

KK線上に登場した期間限定のポップアップショップ「AUTOBAHN - The Design Store」では、名作プロダクトが実際に購入できる。北欧最大級のデザインフェスティバル「3daysofdesign」で初披露され注目を浴びた照明ブランド「Nosou」の竹製ランプ「Nosou 0°」が世界先行販売されるなど、デザインファンは見逃せない。

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Photo: Analicia Graça「Nosou 0°」

このショップは、世界中にファンを持つパリのコンセプトストア「Merci」の共同創業者、ジャンリュック・コロナ・ディストリア(Jean-Luc Colonna d'Istria)がキュレーションを手がけたことでも注目を集めており、唯一無二の買い物が楽しめるだろう。なお、KK線の入場にはチケットが必要なので、出かける前にチケットサイトを確認してほしい。

日比谷OKUROJI

銀座からほど近い「日比谷OKUROJI」では、飲食店が立ち並ぶ高架下の空間に突如現れるギャラリーでさまざまな作品と出合える。ウェルネスブランド「&MEDICAL」は、オーバル形のバランスボール「MALLOW」とともに、3人のクリエーターが手がけたカバーを展示。注目のデザイナーHikari Hayashiが、子ども用の古着Tシャツから繊維をほぐして再構築したカバーなど、遊び心あふれる作品が揃う。

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Photo: Analicia Graça「&MEDICAL」の展示
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Photo: Analicia Graça「&MEDICAL」

クリエーティブユニット「ITOMA」は、器に小さな照明を組み込み、そこから生まれる植物の影で空間を演出するプロダクトシリーズ『影を生ける』を発表。照明一つで場の印象をガラリと変えてしまうささやかな仕掛けが存在感を放っていた。

帝国ホテル

同じく日比谷エリアの「帝国ホテル 東京」の本館1階では、絶え間なく発生する泡のインスタレーション作品『AUTONOWA』が展示されている。無心で眺めていると生命の秩序へと思いが巡る作品だ。帝国ホテルといえば、館内を彩る多田美波の光壁など、名建築の各所に凝らされた意匠にも目を凝らしたい。

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Photo: Analicia Graça『AUTONOWA』

Axis Gallery

六本木エリアに位置する「Axis Gallery」では、「Industrial Romanticism 2」と題し、日本を代表するメーカー8社のインダストリアルデザイナーによる日常を豊かにする提案が並ぶ。パナソニックの根岸三月は、人が心地良いと思う影を作るように、光の移ろいに呼応して動くルーバーを発表する。

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Photo: Analicia Graça「Industrial Romanticism 2」

シャープの古井翔真と山本莉沙は、街路樹の木漏れ日を切り取ったかのようなディスプレーを制作し、日常のふとした美しい瞬間を標本のように閉じ込める。

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Photo: Kaoru Hoshinoシャープの展示

東京ミッドタウン

「東京ミッドタウン」にも、気鋭のデザイナーの作品が点在している。クリエーティブユニット「Fushi Sano + Mio Haruhana」は、骨伝導スピーカーで鑑賞者の頭蓋骨に直接音を届ける体験型作品『BONE VOYAGE』を出展。実際に寝転がり、「頭蓋骨が耳になる」感覚を通じて聴覚体験のあり方を問いかける。

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Photo: Analicia Graça『BONE VOYAGE』

ヒルサイドテラス

「代官山 ヒルサイドテラス」では、日常的に手にするアルミニウムで国内トップシェアを誇るUACJと乃村工藝社によるコラボレーション展示「アルミは動き出す」が興味深い。

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Photo: Analicia Graça「アルミは動き出す」

同じ形状を連続生産できる押し出し技術を用いながら、あえて不安定なフォルムを原型に採用。製造過程で生じる独特の歪みや揺らぎをそのまま生かした柱を生み出し、それを組み合わせた壁面で空間を構成している。工業素材としてのアルミニウムが秘める新たな可能性に驚かされるだろう。

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Photo: Analicia Graça「アルミは動き出す」

同じくヒルサイドテラスで開催されているもう一つの展示「SEPARATION 空間をほどく」は、建物の解体時に生じる混合廃棄物の解決に向けたアイデアを提案。これまで分別できず埋め立てるほかなかったタイルをねじ止め式にして回収しやすくするなど、当たり前だと思っていた前提を異なる視点から捉え直す。

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Photo: Analicia Graça「SEPARATION 空間をほどく」

身近な素材の再発見から未来の暮らしを見据えた試みまで、見ているだけでインスピレーションが湧き立つクリエーションが目白押しだ。

会期は、2026年11月8日(日)まで。都内各所に展示が点在しているので、秋の散策がてら東京の最前線のデザインシーンへ繰り出してみては。

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