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映画がテーマの「他人とかぶらない」クールなハロウィン仮装

映画好き必見!一周回って逆に狙い目なアイデア

Rikimaru Yamatsuka
テキスト
Rikimaru Yamatsuka
作家
True Romance
True Romance
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もういくつ寝るとハロウィンがやって来る。子どもたちが魔女やお化けに仮装して、近隣住民の家を訪れて菓子をねだるというアメリカ発祥のこのイベントは、気付けば大人がアニメキャラの仮装して酒を飲んだり写真を撮ったりするハレの日として我が国に定着した。

その仮装モチーフの中でも人気ジャンルといえば、そう「映画キャラ」である。しかし残念ながらその多くは非常に没個性的なチョイスである。今年もきっと渋谷辺りに繰り出せば、ジョーカーとハーレクインをダース単位で目撃できるに違いあるまい。もっと、わかるやつにだけわかる仮装があってもいいのではないか。

本稿では、その映画を知らなければ、普通にそういう格好の人として片付けられるであろうクールなルックを紹介しよう。 

『コブラ』(1986年)のシルベスター・スタローン

当時アーノルド・シュワルツェネッガーと世界最強のアクションスターの座を巡り、シノギを削っていたシルベスター・スタローンの傑作映画。ロス市警のはみだし刑事コブレッティが、美人モデルを守りながら悪をなぎ倒していくという痛快アクション作だが、本作のスタローンは実にかっこいいのだ。

長袖のヘンリーネックTシャツに色褪せた「Lee」のジーンズ、ティアドロップ型サングラスにシルバーネックレス、おまけに革手袋をはめてマッチ棒をくわえるという、「男のロマン全部盛り」といった風情のスタローンにはただただシビれ上がるのみである。

ちなみにハンドガンはジーンズのベルトに直接ぶっ挿すのがコブラスタイル。革手袋とサングラスをつけたままピザをモリモリ喰うシーン、はぜひオマージュしてほしい。 

『スナッチ』(2000年)のブラッド・ピット

ブラッド・ピットの仮装といえばもっぱら『ファイト・クラブ』が人気であるが、ここでは『スナッチ』を推したい。86カラットの巨大ダイヤを巡って悪党が争奪戦を繰り広げるクライムムービーだ。

ブラピが演じる無敗ボクサーのミッキーは、そのスタイルもキャラクターも強烈にクール。ボタンダウンシャツにレザージャンパーとレザーハット、下はグレーのスラックスにエンジニアブーツと、どこかロシアンマフィアを思わせる武骨なレイヤードスタイルは、今見るだに格好いい。

一見みすぼらしいようでいて、実はコートが「ポール・ハーデン」だったりベルトが「エルメス」だったり、エレガンスを醸し出す工夫があちこちに散りばめられている。アクセ使いも実に絶妙なので、ぜひ参考にしてほしい。

『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)のウィノナ・ライダー

Filmarks 90’s「ナイト・オン・ザ・プラネット」
画像提供:つみき

映画衣装史に残る数々の名スタイリングを算出してきた、単館系のゴッドファーザー、ジム・ジャームッシュによる傑作。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキを舞台に、タクシー運転手と乗客のダラダラしゃべりを描いた会話劇だ。

本作のウィノナ・ライダーの輝きときたらハンパない。後ろ被りにしたキャップ、大ぶりのティアドロップ、オーバーサイズのシャツとデニム、腰から提げた懐中電灯というスタイルで、不機嫌そうにタバコをスパスパ吸いながら、夜のロスを走らせるウィノナはこの上なくワイルドでしかも超チャーミング。普通に「早くこれになりたい」と思う。

本作のウィノナはよく「衣装が魅力的な映画」みたいなテーマで槍玉にあげられることが多いのだが、まったく納得のクールさである。

『反逆のメロディー』(1970年)の原田芳雄 

娯楽映画のプロフェッショナル集団・日活が、当時隆盛していたアメリカンニューシネマの流れをくんで制作した「日活ニューアクション」の傑作。ナワバリをめぐって抗争するいわゆるヤクザ映画だが、主人公の哲を演じる原田芳雄のファッションときたらどうだ。

強烈なもみあげを伴うロン毛、素肌にGジャンとジーンズのセットアップ、さらにはサングラスと、およそヤクザ映画の主人公とは思えないヒッピースタイルで、後のショーケンや松田優作にも多大な影響を与えたアウトローなアンチヒーローっぷりは永久もののカッコよさである。

Gジャンを肌に直接着る、これほど反体制的な服装があるだろうか? 不機嫌そうにガムを噛みながらジープで爆走すればパーフェクト。永遠の憧れ。

『トゥルー・ロマンス』(1993年)のパトリシア・アークエット

True Romance
True Romance

クエンティン・タランティーノが脚本を手がけたことで知られる純愛バイオレンス映画。本作でパトリシア・アークエットが演じたアラバマ・ウィットマンはまさにアイコンである。1950年代のマリリン・モンローと1980年代のマドンナをミックスして生まれたというスタイルは、派手さの中に絶妙なチープさが漂っており、非常にチャーミングだ。

どのルックもいいのだが、赤いウエスタンシャツにホルスタイン柄のスカート、水色のウエスタンブーツという組み合わせがとりわけ素晴らしい。ブルーとピンクでバランスを整えている点にもぜひ注目してほしい。

ちなみにストーリーは、深夜にコミック店でアルバイトをしているオタクが美女と映画館で恋に落ちた末に、なんやかんやあってマフィアと戦うというオタクの妄想丸出しの1本だ。

あと、本作にもブラピが一瞬出ているが、Tシャツにスウェット姿でポテトチップスを食べながらペットボトル製のボングでマリファナを吸いまくるという、超どうしようもない役柄なのに格好いい。

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