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サブスク映画、今観るべきミュージカル作品7選

NetflixとAmazonプライムで観れるアメリカ、韓国、インドの名作たち

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Kako
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タイムアウト東京 > 映画 > サブスク映画で、今観るべきミュージカル作品7選

映画界の巨匠、スティーヴン・スピルバーグがミュージカルの名作をリメイクすることで話題を集めている『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開が2022年2月に控えている。

数多くの名作が存在し、今なおリメイクされ、アップデートを繰り返し、現代に生きる私たちを魅了し続けるミュージカル映画。ここでは、NetflixとAmazonプライムで観られる最高のミュージカル映画を7本紹介したい。

ミュージカル『RENT』の生みの親である作曲家、ジョナサン・ラーソンの伝記作品。監督を務めたのは、『ハミルトン』『イン・ザ・ハイツ』のリン=マニュエル・ミランダだ。

舞台は1990年のニューヨーク。食堂のウエーターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見る主人公のジョナサンは、制作に8年もの歳月を費やしたオリジナルのロックミュージカルが完成間近にして、重要なシーンがなかなか書けずに焦りを募らせる。30歳を目前に、これまで共に夢を追いかけてきた恋人や親友も現実に目を向け、「別の道」を模索し始めてしまう。

「自分はこのままでいいのか? 自分の夢に本当に価値はあるのか? 時間を無駄にしているだけではないか?」とままならない日々を過ごしながらも、なんとか自分の夢を手繰り寄せていく主人公の姿が胸に突き刺さる。

理想と現実のはざま、夢と迫りくるタイムリミットの間で、揺れ動く人々の普遍的な悩みに寄り添い、背中を押してくれる作品だ。

ジョナサン・ラーソンの代表作でロックミュージカルの金字塔として多くの人に愛される不朽の名作。プレビュー公演前日に35歳という若さで彼がこの世を去った、運命的な因縁も感じられる作品だ。

「52万5600分」という1年間を分数でカウントした印象的な数字の並びで始まる名曲『Seasons of Love』から幕を開ける本作だが、「人生の中で1年という時間をどのように測るか?」という問いかけが、作中通して常に問いかけられるテーマでもある。

ニューヨークのイースト・ビレッジで生活する、家賃(=RENT)も払えないほどに貧しいアーティストたちの挫折、恋愛、苦悩などの「現実」をポップに描きながらも、ホームレス、エイズウイルス(HIV)患者、ドラッグ、レズビアン、ゲイなどの社会問題も地続きに見せる。マイノリティーや社会的弱者の声を代弁するかのような側面もあり、芸術こそが果たせる役割を力強く感じるだろう。

誰にとっても時間は有限であり、そんな時間を好きな人と共有できることのかけがえのなさを思い知らされる。

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韓国ミュージカル『ロ・ギス』をK-POPグループ、EXOのD.O.を主演に迎え映画化した作品。朝鮮戦争下の捕虜収容所で対外イメージ向上のため結成されたタップダンスチームが題材で、見どころは何といってもタップダンスシーンだ。

踊っている時にだけ彼らの体を駆け抜け、実感できるのだろう「自由」が、ダンスをより情熱的なものに昇華させる一方で、理不尽にエネルギーの発散場所も「自由」をも奪われた彼らの境遇を逆説的に見せている。

何かを訴えるかのような熱いダンスシーンは、やり場をなくした彼らの秘めたる生命力をより切実に強調しており、その姿にきっと胸を打たれるだろう。

戦時中だからこそ結成できた、人種混合の即席ダンスチームだという事実と、戦時中ゆえに彼らの純粋なダンスへの情熱が不本意な形で利用され、裏切られた悲運に思いをはせずにはいられない。前半の疾走感と後半のシリアスさの落差が戦争の悲惨さを浮き彫りにした、胸に迫る作品である。

ラテン系移民が集まるニューヨークの片隅の街、ワシントンハイツで生きる4人の若者が、進学や仕事、恋愛につまずきながらも夢に向かって踏み出そうともがく姿がみずみずしく描かれている。

祖国を離れて暮らす移民たちが直面する差別や貧困など、アメリカが抱える根深い問題に切り込みながら、たくましく生きる彼らの強い絆についても見せつけるパワフルな作品だ。

本作で何より驚かされるのは、劇中歌の多様性だろう。ヒップホップ、サルサ、R&B、ポップなど多種多様な音楽が織り込まれ、この地で生きる人々の息遣いや生活をより身近なものとして感じられるのに一役を買っている。

音楽やダンスシーンが魅力的なのはもちろん、色彩豊かで鮮明な映像美にも圧倒される。力強く熱気を帯びたラテン系のダンスと歌から「私たちはここにいるんだ! 私たちの声を聞いて」という魂の叫びが聞こえてくるよう。作中通してあふれる陽のオーラも相まって、明日への活力をもらえる作品だ。

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インドで活躍するヒップホップアーティスト、ネイジー(Naezy)とディヴァイン(Divine)の半生をモチーフに描いた青春音楽ムービー。スラムで生まれ育った青年がラップに出合ったことで、新しい自分を見いだし、自身の価値に気付いて成長していく姿をスピード感たっぷりに描く。アメリカの伝説的リリシストラッパーのナズ(Nas)がエグゼクティブプロデューサーとして参加していることでも注目を集めた。

階級制度が根強く残り、貧富の差が大きなインドにおいて、「持たざる者」側にいた主人公が、そこから脱出する方法に「暴力」ではなく「ラップ」を選択。鬱屈(うっくつ)とした思いをラップにのせ、自分自身を解放し、願いや希望を託す様がダイナミックに観る者の心を打つ。

ラップを通して自分を表現する手段、場を獲得し、人々の共感を呼び起こす主人公の姿は、今の社会に閉塞感を抱えている者の希望になり得るだろう。

ドラァグクイーンに憧れる16歳の高校生、ジェイミーが多くの困難を乗り越えながら「自分らしくあろう」と常識に囚われないで夢をかなえていく実話を基に作られたミュージカル。

 「自分を表現するのに他人の許可なんていらない」というメッセージが力強くポップに打ち出され、個性表現と迷惑行為の線引きなど示唆に富んだテーマについても取り扱われる。マイノリティーに理解のない学校、教師からの心ない言葉、クラスメイトによる執拗(しつよう)なからかい、さらにはジェイミーに無理解な父親との確執などが容赦なく描かれるが、それでもなおありのままの自分を愛し、自分らしく生きようとする彼の姿が勇気と感動を呼ぶ。 

ジェイミー役のマックス・ハーウッドは本作が初の本格的なデビュー作となるが、堂々たる演技には驚かされる。そのままの自分自身を全肯定してくれるような作品だ。

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愛弟子からの手ひどい裏切りで夢を失い落ちぶれたおもちゃの発明家に起きた、クリスマスの奇跡を描く心温まるクリスマスミュージカル。好奇心旺盛な孫娘の出現のおかげで、彼はかつての情熱と希望を取り戻し、不可能を可能に変えるミラクルを起こす。

家族愛と復活劇という2大テーマがファンタジー調にカラフルなビジュアルで描かれ、要所要所で差し込まれる人形劇がおとぎ話のような世界観を見事に醸成している。

主要キャストの全てが黒人俳優による本作は、圧倒的な歌唱力とキレの良いダンスが堪能できる。元弟子との直接対決やおもちゃ屋の立ち退きの危機など、さまざまな問題が一気に解決する怒涛(どとう)のクライマックスは清々しいほどの大団円で、誰もが思わず笑顔になれるような展開が待ち受けている。

家族はもちろん、誰と観ても幸せなクリスマス気分を一層高めてくれる老若男女問わずおすすめできる作品だ。

ライタープロフィール

佳香(かこ)

出版社勤務を経て、パラレルキャリアでライターに。映画、ドラマを中心にさまざまな媒体でエンタメ関連のコラムを執筆している。俳優さんの魅力にフォーカスするアクター評が得意。ビジネス媒体でのインタビューや執筆実績もある。

運命の作品を見つける……

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マーベルシリーズ映画『エターナルズ』でさえもセックスシーンが登場するようになったとき、映画の中でのセックスが再び大きくなってきたことを実感する。映画史の中で「セックス」は、スクリーンを焦がし、胸をときめかせ、人々を解放するものだ。また、セックスは売れるということから、論争の種をもまいてきた。

優れたセックスシーンには、衝撃的な瞬間であったり、痛快なコメディのオチであったりと、さまざまなものがある。そして時には、素晴らしいセックスシーンが検閲の壁を打ち砕き、インクルージョンとセックスポジティブの新時代の到来を告げることもあった。

「史上最高のセックスシーン」のランキングを作成するにあたり、映画における肉欲の知識を総動員した。タブーを押し広げるような挑発的な作品から、時代の流れを変えるような重要な作品、エロティックなものから不快なものまで、バラエティー豊かに紹介する。

 

クリスマス映画 50選
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タイムアウトロンドンが選ぶ『クリスマス映画50選(The 50 best Christmas movies)』を紹介しよう。『クリスマスキャロル』や『ホーム・アローン』などの定番作品から、コメディやラブストーリー、アクション作品などまで幅広く網羅している。リストをチェックして、クリスマス気分を盛り上げよう。

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今観るべき映画といったわけでもなく、全くもって自由に、東京をテーマに10の映画を選ばせてもらった。とは言え、東京の括りでは膨大な数の作品が対象になるので、ここでは「東京で実際に撮影されていること」「比較的近年の作品」そして主に「海外の監督の作品」を中心に紹介する。

さまざまな特徴を持った複数の街の集合体である東京は、その全体を一本の作品の中に包括的に映し出すことは難しいと言えるだろう。だが、ここで挙げる作品は、ある側面から見た東京の魅力や相貌を何がしかの方法で捉えようとしている。そのような共通項目を持つ映画郡をまとめて顧みることで、新たな映画と東京の可能性を探り当てる機会となれば幸いだ。

ベストLGBT映画 50選
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The 50 best gay movies: the best in LGBT film-making』と題して、タイムアウトロンドンでLGBT映画のベスト50が紹介された。同ランキングは、LGBT文化のパイオニアであるグザヴィエ・ドラン、キンバリー・ピアース、ブルース・ラ・ブルース、トッド・ヘインズ、ジョン・ウォーターズらが挙げたベスト10をもとに作成された。

1位に選ばれたのは、カウボーイ同士の悲恋を描いた名作名作『ブロークバック・マウンテン』。そのほかにも、2013年にカンヌの最高賞パルムドールを獲得したことでも話題になった『アデル、ブルーは熱い色』、「ドロシーの友達?(彼はゲイ?)」という言葉も生み出したLGBT映画の古典『オズの魔法使』などがランクイン。LGBTとくくらずとも映画として素晴らしい作品が数多く選ばれているので、何を観るか迷った時の参考にしてほしい。

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