Mariko Kitajima Solo Exhibition “Carpe Diem”
画像提供:株式会社パルコ
画像提供:株式会社パルコ

東京、5月に行くべき無料のアート展11選

名和晃平、小島秀夫×ニコラス・ウィンディング・レフン、横尾忠則など

広告

タイムアウト東京 > カルチャー > 東京、5月に行くべき無料のアート展11選

アートにあふれる街、東京。本記事では、入場無料で楽しめるアート展を厳選して紹介する。

今月は、「グッチ銀座 ギャラリー」での横尾忠則の個展や、パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)」での北島麻里子展などをピックアップ。新たなお気に入りのアートと出合う、刺激的な5月を過ごしてほしい。

関連記事
東京、5月に行くべきアート展5選

  • アート
  • 銀座

横尾忠則の個展「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」が「グッチ銀座 ギャラリー」で開催。「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品が展示される。

本展のテーマである「未完」とは、「芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿る」という、横尾が一貫して掲げてきた美学に基づくもの。1960年代から約60年にわたり、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら作品を生み出してきた横尾は、常に新しい表現の可能性に挑戦してきた。

特別に解放された屋上スペースでは、1970年の「日本万国博覧会(大阪万博)」で大きな話題を呼んだ、「未完」のイメージをシンボリックに提示した「せんい館」の赤い足場を再現した作品を展開。ダイナミックで創造的な空間を感じてほしい。

また、2025年4月26日(土)〜6月22日(日)には「世田谷美術館」で「横尾忠則 連画の河」も開催。横尾の作品を都内でより楽しめるだろう。

  • アート
  • 青山

デンマークの映画監督であるニコラス・ウィンディング・レフン(Nicolas Winding Refn)とゲームクリエーターの小島秀夫が考案した展覧会「Satellites」が、「プラダ 青山店」で開催されている。

映画業界とゲーム業界のプロセスが互いに接近し、重なり合う傾向にあると考えているウィンディング・レフンと小島。そして、将来的には共通のテクノロジーの活用などを通じて一つのデジタル次元へと融合し、個人や集団の体験に新たな可能性をもたらす可能性があるという信念の下、活動している。

今回のコラボレーションでは、両者の選択的な一体感を浮き彫りにし、個の枠、言語の壁を超えることを可能にした。

会場は、ミッドセンチュリー風のインスタレーション空間として生まれ変わり、鑑賞者を別の次元へと誘う。レトロフューチャーな宇宙船を模した6台のテレビで構成され、映像として浮かび上がったウィンディング・レフンと小島が深く思索的な対話を交わす。

彼らの対話は、友情、クリエーティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティーとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマを探っている。

広告
  • アート
  • 渋谷

「パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)」で、ポップな色彩と息をのむほどの画力で魅了する画家・北島麻里子の過去最大の個展が開催。新作を含む約20点の作品を展示・販売するほか、オリジナル商品やシルクスクリーンのエディション作品も購入できる。

過去から連なる無数の「今」を静物という形で表現する北島。「自分自身を確認するための日常的な行動」として絵を描く作品には、透明なガラスでできた花瓶の後ろ側や、その脚の中に写り込む自身の肖像画が描かれている。

鮮やかな色彩と、繊細でユニークなモチーフの中に自らを溶け込ませ、細密に描き出す作品世界を体感してほしい。

  • アート
  • 渋谷

「ディーゼル アート ギャラリー(DIESEL ART GALLERY)」で、大河原健太郎による個展「MUSE TAKING A SHIT」が開催。現在ソウルを拠点に活動する大河原が、新たに取り組んでいるオイルペインティングを中心に、約50点の新作を発表する。

ペインティングやスカルプチャーを中心に国際的に展覧会を開催するほか、プロダクトデザインやさまざまなコラボレーションに取り組む大河原。特に女性のポートレートの割合が大きい本展では、生活の大部分を占めるパートナーとの深い関わりが影響しており、その関係性が本展の構想につながった。

この複雑な世界を理解する方法として、大河原は家族や友人と向き合い、自身の感情をペインティングという形で表す。そして、作品を通して鑑賞者と対話することで、今、本当に必要としているものを見つめる。

人間、生き物、そして擬人化されたオブジェクトのカクテルが、親密かつ奇妙な方法で互いに作用し、誰もが愛着を持てる世界を作り出している。

会場では、新作の展示・販売をはじめ、限定グッズや、ディーゼルとコラボレーションによるTシャツも販売。また、ワークショップの開催も予定している。

広告
  • アート
  • 谷中

「スカイ ザ バスハウス」で、名和晃平の個展「Sentient」が開催。テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、ミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきた名和が、オブジェの存在論に新たな問いを投じる。

展示空間には、ブラウン管テレビ、節句を祝う飾り馬、ギリシャ彫刻の石こう像といった静物から、燃焼し続けるロウソクや展示中に週替わりで替える生け花まで、複層的な対話を織り成す約20点の彫刻作品が、それぞれ台座に置かれている。

作品の表面には、コケや菌糸のような絨毛(じゅうもう)を付着させた「Velvet」や、3Dスキャンなどで得たデジタルデータを元に彫刻化する「Trans」など、名和のこれまでの彫刻シリーズを特徴づける技法が用いられている。

彫刻の概念を拡張し続ける名和の作品世界へ、足を踏み入れてほしい。

  • アート
  • 代官山

「アートフロントギャラリー」で、韓国のアーティスト、イ・ビョンチャン(Lee Byungchan)による個展「アリの消失点」が開催される。

本展では、商品が消費される場面を「消失点」と捉え、韓国では「普通の人々」もしくは「群衆」と表現されるアリが、光と形が消えていくその消失点へと集まる様子を表している。

ギャラリーには、壁面にいくつかの凹面鏡が設置され、その前には有機的なフォルムのオブジェが配置。呼吸するようにわずかに動くこのオブジェは、凹面鏡の中でゆがみ、変形した姿を映し出す。

日本初となる個展を見逃さないでほしい。

広告
  • アート
  • 銀座

「ポーラ ミュージアム アネックス」で、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなどさまざまな制作活動を展開する鈴木ヒラクの展覧会「海と記号」が開催。「描く」と「書く」の間をテーマに、新作16点の大型連作を展示する。

本展の中心となるのは、深海や宇宙を想起させる瞑想(めいそう)的な青の背景に、シルバーで描かれた連作『海と記号』。大型キャンバスが円環状に配置され、水中を漂う発光プランクトン、または細胞分裂や超新星などを想起させる記号群が脈動する。

また、考古学的遺物の写真をシルバーで塗り消し、架空の記憶を描き出す『Casting (Ocean)』や、新作映像インスタレーションも展示。ドローイングの概念を拡張し、空間や時間に潜在する線を探求する鈴木の世界へ、足を踏み入れてほしい。

  • アート
  • 神楽坂

「エイトエイコ(eitoeiko)」で、さまざまな手法や場所で活躍する7人の作家によるグループ展「桜を見る会」が開催。岡本光博、重野克明、林葵衣、宮川ひかる、村田奈生子、山本雄教、渡辺おさむが参加する。

内閣総理大臣の主催によって1952年から2019年まで「新宿御苑」で開かれていた「桜を見る会」。公職選挙法違反、政治資金規正法違反、公文書管理法違反などが疑われ、中止となった2020年から、エイトエイコでは同名の展覧会が開始された。今年は5度目の開催となる。

数多くの作家が参加している本展では、「文化の観桜会」を目指し、「桜」という樹木の春先に開花する花弁の個体、集合体についての色彩や形態、あるいは桜にまつわる物語や言葉など、多様な角度からアプローチした作品が多数発表されてきた。

会場では、「桜」または「桜を見る会」が想起される絵画や立体作品などを展示する。

広告
  • アート
  • 品川

現代アートギャラリー「アノマリー(ANOMALY)」で、埼玉県を拠点に活動する画家、高橋大輔の個展「Open Map」が開かれる。

デビュー当初から、鮮やかな絵の具が幾層にも重ねられた、厚塗りの抽象絵画を数多く制作してきた高橋。2016年ごろから、その作風に変化が現れた。2022年には、自身の子どもの絵や、チューブから絵の具を直接絞り出し、一筆描きのように一気に描かれた斬新な絵画シリーズを発表する。

その後も試行錯誤を重ね、これまでのキャリアにとらわれない挑戦的な試みを続けた。高橋の絵画への飽くなき探究心は、いまだ見ぬ作品に出合える期待にあふれている。

本展で初公開となる作品『Open Map』は、⻑い変遷を経てたどり着いた、作家にとってある種のマイルストーンとなる重要なシリーズだ。

なお、2025年5月10日(土)には、高橋作品の変遷を長年見守ってきた「埼玉県立近代美術館」学芸員の大浦周とのトークイベントも開催される。

  • アート
  • 六本木

「ペロタン東京」で、ベルリン在住のドイツ人アーティスト、グレゴール・ヒルデブラント(Gregor Hildebrandt)の日本初となる個展「…それでも4月に桜は咲く」が開催されている。

カセットテープとレコードを代表的な素材として用い、それらをコラージュしたり、組み合わせたりするヒルデブラント。一見ミニマルでありながら潜在的にロマンティックな絵画や彫刻、インスタレーションを制作する。

会場では、新作を中心に、展覧会タイトルにもある「桜の花」をモチーフとして展開。テープ・ペインティングのシリーズは、小型のものがさまざまなサイズで並び、驚くほど鮮やかな赤が用いられている。

また、本展の中で最も小さな絵画作品『The Red Studio』は 、アンリ・マティス(Henri Matisse)が1911年に制作した近代美術の傑作で、同タイトルの作品へのオマージュだ。

広告
  • アート
  • 荻窪

荻窪の書店「タイトル」で、鳥取県で43年続いた「定有堂書店」の姿をよみがえらせる展示が開催。「独立書店」と呼ばれる新たなスタイルの書店の源流ともいえる定有堂書店の、かつての息吹を伝える。

奈良敏行が始めた町の本屋「定有堂書店」。書店の棚には、奈良が1冊ずつ選書した本が、短く添えられた言葉とともに並び、そこはさながら「本の森」であった。

わざと「遅れた」雑誌や本が平積みされ、天井からは絵や短冊がぶら下がる独特な景観。また、何十年も前から「ミニコミ」を制作し、後には「読む会」と呼ばれた読書会も頻繁に行っていた。

本展では、定有堂書店のベストセラーから「タイトル」がセレクトした本を、奈良の言葉とともに展示。また、在りし日の店の姿を伝える写真や絵、実際に架けられていた額額などを並べる。

もっと読みたいなら……

  • アート

近年、美術館や博物館の入館料が上がりつつある。有料ならば確かにすばらしい体験ができると分かっていても、やはり無料で良い作品を見たいもの。

そのような需要に応えてくれるような美術館やギャラリーが東京には一定数ある。今回セレクトするのは、質の高い国内外の作家を紹介する「資生堂ギャラリー」や明治期洋画の重鎮、黒田清輝の作品を展示する「黒田記念館」から、「目黒寄生虫館」や「おりがみ会館」といった変わり種まで16館だ。

開館時間が変更になっている場合もあるので、事前に公式ウェブサイトを確認してから訪れてほしい。

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

広告
  • トラベル

野外アートミュージアムでの芸術鑑賞は、まるで宝探しのようだ。庭園や森の中を散策しながら自然に溶け込んだアート作品を見つけていくのは、わくわくするし開放感もある。岩場や池の中など広大なスペースに展示された作品は、アーティストたちの創造力をダイナミックに広げ、美術館とは違った楽しみ方を提供してくれる。また公園のような役割もあり、子ども連れにもぴったりだ。

ここでは、アートと四季の移ろいを同時に体感することができる屋外アートミュージアムや、博物館を紹介。足を運んだら時間は気にせず、広々とした敷地内に点在するアート作品を眺めながらのんびりと過ごそう。たくさん歩けるよう、履き慣れた靴で行くといい。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告