エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし
Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation © 2002 Penguin Random House LLC. | 《フレームをもったはらぺこあおむし》 2002年 エリック・カール絵本美術館
Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation © 2002 Penguin Random House LLC.

東京、2026年注目のアート展14選

話題作が続々──今チェックしておきたい2026年東京の展覧会

Chikaru Yoshioka
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2026年の東京は、アートを巡る話題が尽きない一年になりそうだ。空山基やロン・ミュエクの大規模回顧展をはじめ、ピカソとポール・スミスの創造性が交差する企画、杉本博司が挑む写真表現の極地など、ジャンルや文脈を越えた展覧会が各美術館で開催される。

本記事では、チェックしておきたいアート展を厳選して紹介したい。

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  • アート
  • 乃木坂

「国立新美術館」で、1980年代後半~2000年代初頭のイギリス美術に焦点を当てた展覧会が開催。「テート美術館」の所蔵作品から、約60人の作家によるおよそ100点の作品を通じて、1990年代のイギリス美術の革新的な創作の軌跡を検証する。

19791990年のサッチャー政権下、失業率の悪化など社会が緊迫すイギリスでは、美術の枠組みを問い直し、実験的な表現に挑む作家たちが次々と台頭した。1988年にはダミアン・ハースト(Damien Hirst)がロンドン東部の倉庫街で「フリーズ」展を企画し、同世代の作家たちとともに新しい素材や方法を用いながら、積極的に発表の場を切り開いていく。

彼らは「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれ、その自由な活動によって、1990年代のイギリスのアートシーンは世界的に注目を集めるようになる。

本展では、ハースト、ジュリアン・オピー(Julian Opie)、ルベイナ・ヒミド(Lubaina Himid)、スティーヴ・マックイーン(Steve McQueen)、トレイシー・エミン(Tracey Emin)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)など、世界のアート史に名を刻むアーティストの作品が集結する。

UKカルチャーがあふれた黄金期の息吹。当時のイギリスで起こったアート・音楽・ファッションの革命的ムーブメントの核心を体験できるだろう。

  • アート
  • 京橋

京橋の「CREATIVE MUSEUM TOKYO」で、アーティストの空山基による自身最大の回顧展が開催。1970年代後半から現在までの代表作を通じて、空山が築き上げてきた芸術的進化と創作の歩みを総観する。

空山は、常々自身の作品コンセプトを「光」「透明」「反射」だと語ってきた。それは、空山が絵の具という制限された素材を駆使して、光を描くという挑戦を繰り返してきた軌跡でもある。

空山が描く人物や動物、恐竜などのロボット作品は、生物の身体性を超えた未来という仮想の物語を提示する。そこには、既存の生命体と機械文明が融合した世界の美学が広がり、知性・身体・時間といったテーマが交錯。鑑賞者の想像力と創造性を自然と刺激していく。

本展では、空山が1978年にウイスキーの広告のために最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、デザインを手がけた「aibo(アイボ)」の原画や、エアロスミスのアルバムジャケットとして知られる代表作が並ぶ。

さらに、SF漫画の『攻殻機動隊』に登場する草薙素子にインスパイアされた新作も登場。空山が半世紀にわたり追い求めてきた表現の核を圧倒的なスケールで体感できるだろう。

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  • アート
  • 上野

「国立西洋美術館」で、リトアニアを代表する国民的芸術家、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(Mikalojus Konstantinas Čiurlionis、18751911年)の日本で34年ぶりとなる回顧展が開催される。祖国・リトアニアにおける生誕150周年の祝賀ムードを引き継ぎ、「国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)」が所蔵する絵画やグラフィック作品、約80点を紹介する。

チュルリョーニスは、絵画と音楽という2つの領域で類まれな才能を示し、35歳の若さで亡くなるまでのわずか6年ほどの画業で、300点以上もの作品を手がけた。世紀末のアールヌーヴォーや象徴主義、ジャポニスムといった国際的な芸術潮流と響き合いながら、作曲家ならではの感性と、当時ロシア帝国の支配下にあったリトアニアのアイデンティティーを反映した作品群は、唯一無二の個性を放っている。

見どころは、人間の精神世界や宇宙の神秘を描いた幻想的な作品の数々のうち、日本初公開となる謎に包まれた最大の代表作『レックス(王)』。また、音楽形式を取り入れた連作や、自身の手になる楽譜、展示室に流れる旋律を通して、優れた作曲家でもあった画家の個性と感性を体感できる。

日本ではめったに見られない作品が来日する本展。再評価の機運が高まるチュルリョーニスの世界を堪能してほしい。

  • アート
  • 乃木坂

「国立新美術館」で、アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり、日本のファッションをリードした森英恵(1926〜2022年)の回顧展が開催。オートクチュールのドレス、資料、初公開となる作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにする。

高度経済成長期の日本において、家庭と仕事を両立しながら活躍し、新しい女性像の象徴として受け止められた森。1961年には雑誌『装苑』で、快活さと向上心を備えた人物像「ヴァイタル・タイプ」を提唱し、晩年まで世界を股にかけて活動した。

会場では、1977年から膨大な数のオートクチュールコレクションから、テーマごとにドレスを展示。高品質な素材と卓越した技術を持って世界に挑んだ一点ものの作品群から、森の美意識と創造力の高さを体感できる。

また、多彩な衣装や資料を通して、森のアメリカ時代の活躍を網羅的に展示。まずは、森が日本の帯地や絹織物を用いて生み出した作品に注目したい。日本的美を体現する絹地に鮮やかな色彩のプリントを施したオリジナルの布地とともに、近年の調査で新たに確認された布の原画や試し刷りを紹介している。

そして、ニューヨークの「メトロポリタン美術館」に所蔵されているドレスも日本初公開。伊藤若冲『月下白梅図』に着想を得て制作した1着を含む、計4点が出品される。

さらに、森がファッションを文化にするために力を注いだメディア発信にも焦点を当てている。森は1966年に『森英恵流行通信』を創刊。後に『流行通信』となり、日本を代表するファッション誌へと発展した。また1978年には表参道に「ハナヱ モリビル」を開設し、国内外のデザイナーが集う拠点を築いた。

デザイナーとしての表現だけではなく、生き方とその創造の根幹にまで迫るまたとない機会。会場でこそ味わえる体験が待っている。

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  • アート
  • 清澄

ページごとに紙のサイズが変わり、「あおむし」の食べた跡が穴で表現されている絵本『はらぺこあおむし』(1969年)は、現在でも世界中の子どもたちに愛されている。「東京都現代美術館」では、日本語版刊行50周年を記念し、アメリカを代表する絵本作家のエリック・カール(Eric Carle、19292021年)の回顧展が開催される。

会場では、『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』『10このちいさなおもちゃのあひる』など27冊の絵本の原画に合わせ、グラフィックデザイナー時代の作品、アイデアの最初の構想段階で作られるダミーブック、コラージュに使用する素材など、約180点を紹介する。

原画の色鮮やかさ、デザイナーとしての造本の工夫、そして絵本に込めた子どもたちへの優しいまなざしを体験できるだろう。

  • アート
  • 上野

「東京都美術館」で、20世紀のアメリカ具象絵画を代表する画家、アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth、19172009年)の回顧展が開催される。

ワイエスは、第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、91歳で没するまで、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けた。

作品には、自分のいる側と向こう側を隔てる象徴として窓や扉といったモチーフが繰り返し登場。境界は西洋絵画史の中で古くから取り上げられてきたテーマだが、ワイエスにとってはより私的な世界とのつながり、あるいは境目として機能している。

本展は、その境界の表現に着目し、ワイエスが描いた世界を見ていこうとするもの。作家自身の精神世界が反映された作品群に浸ってほしい。

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  • アート
  • 六本木

「森美術館」で、革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代美術作家、ロン・ミュエク(Ron Mueck)の大規模個展が開催。初期作品から近作に至るまで、作家の制作活動全体を包括的に紹介する。

人間を綿密に観察し、哲学的な思索を重ねて制作されたミュエクの作品。洗練され、生命感にあふれ、孤独、もろさや弱さ、不安、回復力といった人間の内面的な感情や体験を巧みに表現している。

総作品数が約50点しかないミュエクの彫刻を11点揃える本展は、それだけで貴重な機会だ。うち6点が日本初公開で、中でも初期代表作『エンジェル』(1997年)は見逃せない。

展示の中心となるのは、巨大な頭蓋骨の彫刻100点で構成されたインスタレーション『マス』(20162017年)。これまで世界各地で展示され、その都度会場に合わせて再構成されてきた作品で、同館でも約300平方メートルを使ったサイトスペシフィックな展示となる。

さらに、25年以上にわたりミュエクの制作現場を撮り続けてきたフランス人写真家のゴーティエ・ドゥブロンド(Gautier Deblonde)による写真と映像が並び、創作プロセスの舞台裏が垣間見える。

  • アート
  • 乃木坂

「国立新美術館」で、「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」展が開催。パリ国立ピカソ美術館」が所蔵する20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、18811973年)の作品からインスピレーションを得て、伝統的な仕立てと遊び心あふれる色使いで知られるイギリス人デザイナー、 ポール・スミス(Paul Smith)が会場のレイアウトを考案するかつてない展覧会だ。

色使いや壁紙、装飾品や模様に至るまで、自由な発想で創り上げられた会場は、スミスがデザインする洋服や小物のような色鮮やかさと楽しさに満ちている。ピカソの初期を代表する『男の肖像』から『アルルカンに扮したパウロ』など、作品約80点を緩やかな時系列に従って展観する。

本展は、2023年にパリで開催されたピカソ没後50周年を記念する特別展「Picasso Celebration: The Collection In a New Light!」を基にした国際巡回展となる。心待ちにしてほしい。

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  • アート
  • 竹橋

「東京国立近代美術館」で、現代美術作家の杉本博司による「杉本博司 絶滅写真」が開催。杉本の1970年代後半の初期から現在に至る、「銀塩写真」65点を展観する。

杉本は「小田原文化財団 江之浦測候所」を手がけるなど建築分野でも活躍し、古典芸能をはじめとした舞台演出では国内はもちろん、ヨーロッパ各地やニューヨークにも進出している。さらに、書・陶芸・和歌・料理へと活動領域を広げ、多彩な表現を展開してきた。

そんな杉本の表現の原点は銀塩写真にある。確固たるコンセプトに基づく作品は、デジタル化が進んだ現代では銀塩技術の頂点を極めるものであり、その技法自体が今や「絶滅危惧」といえる。

本展では、初期から近作まで全13のシリーズを紹介。初期3部作の『ジオラマ』『劇場』『海景』をはじめ、『建築』『スタイアライズド・スカルプチャー』など各シリーズから新作も初公開される予定だ。

デビュー作として知られる『ジオラマ』では、『ポコット族』などの新作を加えた構成によって、1976年のシリーズ誕生時から秘かに構想されてきた人類史を巡る深淵な物語が、約半世紀を経て初めて提示される。

タイトルでもある「絶滅写真」は、銀塩写真というメディアの終息と自らの作家活動の終幕を見すえて浮上したテーマだが、本展が示す絶滅のビジョンはそれだけにとどまらない。一体何が絶滅しようとしているのか。写真表現を拡張・深化してきた杉本の創作世界を俯瞰(ふかん)する本展で、絶滅という通奏低音に注目してほしい。 

  • アート
  • 京橋

「アーティゾン美術館」で、20世紀のイタリアデザインにおける世界的な巨匠、エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass、19172007年)の展覧会「エットレ・ソットサス魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」が開催。日本初のソットサスの回顧展として、初期から晩年に及ぶ約100点を一挙に公開する。

ソットサスは1950年代以降、オリヴェッティ社やポルトロノーヴァ社のデザイナーとして数々の名作を手がけ、1981年には国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成。ポストモダンと評される革新的なデザインで、一世を風靡(ふうび)する。

彼は過度な合理性の追求に疑念を持ち、人々の生活に自由で生き生きとした感性を取り戻そうとした。斬新でユーモアあふれるデザインによって、現代人の生活や人生、ひいては運命を明るく照らす。本展を通して、創意あふれるデザインの数々を堪能してほしい。

なお、本展の鑑賞料金で、同時開催の展覧会「瀧口修造 書くことと描くこと」も鑑賞できる。

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  • アート
  • 渋谷

近年、日本の写真表現は国際的に高い評価を受けているものの、その代表として語られる作家は長く男性に偏ってきた。「渋谷ヒカリエ」の「ヒカリエホール」 で開催される展覧会「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」では、女性写真家に光を当て、日本の写真史を新たな視点から捉え直す。2024年夏に「アルル国際写真フェスティバル」で大きな話題を呼んだ世界巡回展が、規模を拡大して日本に上陸する。

出展作家は石内都、石川真生、岡上淑子、片山真理、川内倫子、志賀理江子、長島有里枝、蜷川実花、野口里佳といった、日本の写真史のみならず美術史においても重要な役割を果たしてきた約30人の女性写真家。狭義の「写真」という枠組みを超え、インスタレーション・コラージュ・映像などを含む創造性豊かな作品を紹介する。

 凱旋(がいせん)記念となる今回は、さらに内容を深く掘り下げ、記憶・身体・日常・ジェンダーなど多岐にわたるテーマの200点の作品が登場。幅広い層の観客が写真表現の多様さを発見することで、さまざまな対話へと導かれるだろう。

  • アート
  • 上野

1753年に開館したロンドンの「大英博物館」は、世界を代表するミュージアムの一つ。同館の日本美術コレクションは、海外では最も包括的なものの一つと評されるほど量・質ともに充実している。そのコレクション形成を支えてきたのは、ジャポニスムが流行した19世紀後半以来、海を隔てた異国の地・日本の文化に魅了された人々であった。

「東京都美術館」で開催される展覧会「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」では、4万点に及ぶ同館の日本コレクションから優れた作品を厳選して紹介。江戸時代の屏風(びょうぶ)・掛軸・絵巻の絵画作品と、喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重といった代表的な8人の浮世絵師による版画を中心に構成される。

さらに、近年の調査成果や収集の背景にも光を当てることで、同館が日本美術の収集・研究・保存の第一線で果たしてきた役割をたどっていく。今日まで受け継がれてきた、日本美術の名品を心ゆくまで堪能してほしい。

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  • アート
  • みなとみらい

ロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館」で企画された世界巡回展「マリー・アントワネット・スタイル」が、国内唯一の会場「横浜美術館」に上陸する。

歴史上最もファッショナブルな王妃、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)。時代のファッション・アイコンとなった王妃の装いやインテリアは、18世紀から現代まで、ファッション、デザイン、映画などに広く影響を与えてきた。

本展は、アントワネット時代のドレスや宝飾、家具などを手がかりに、あらゆる点で新しい様式(スタイル)を打ち立てていった王妃の革新性と、その人物像に迫る。さらに、王妃が形作った「スタイル」の源泉が、いかに時代を超えて人々を魅了し、現代のクリエーターたちにも示唆を与え続けているかについて紹介していく。

  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、近年も国内外で再評価が高まる女性作家、多田美波(19242014年)の軌跡をたどる展覧会が開催。東京では35年ぶりの個展となる。

多田は、高度経済成長を機に次々と生まれた工業素材や技術を芸術表現へ取り入れた先駆者。彫刻からレリーフ、シャンデリア、建築の仕事まで、多彩な分野で活躍した。

本展では、初期の絵画作品から、光の反射や透過を取り入れた代表的な彫刻、建築空間のための造形作品までを、関連資料とともに展覧する。

2026年といえば……

  • トラベル

2025年は、52の地域が選ばれた。選定された村は、インフラや交通、文化・自然資源、環境の持続可能性など、地域を支える9つの視点で評価されている。また、今年新たにリスト入りした村により、認定された農村コミュニティーは合計319に達した。認定基準に向けて支援する「アップグレード・プログラム」には、20の村が追加されている。

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  • Things to do

「お金」を嫌いな人が一体、この世にいるだろうか。一攫千金、巨万の富……なんと素敵な言葉だろう。人は金を愛してやまない。当たると評判の宝くじ売り場に毎年できる、長蛇の列を見れば明らかだ。また「お金に困っていないけれど、もっとあったって悪くない」と余裕ある人も、「今年こそ、金運をつかみたい!」と意気込む人も、新しい年を迎える際、金運アップを神頼みしてみてはいかがだろうか。

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