東京、オムライス14選

浅草、銀座、中目黒などで味わう洋食の定番

テキスト:河辺さや香・美濃羽佐智子

昨今、とかくおしゃれなメニューに注目が集まりがちだが、日本に昔からあるオムライスも、れっきとしたそのひとつ。卵の焼き加減はもちろんのこと、中のご飯の味付けや具材、そしてソースにいたるまで、そのひとつひとつの組み合わせがオリジナリティとなって、全く違うオムライスができ上がる。ほっと和むような昔懐かしいものから、驚きの匠の技、有名店の名物メニューまで、今都内で食べたい一皿を、14軒ピックアップし紹介する。

1

麻布食堂

閑静な住宅街の隠れた名店 

雑誌のグルメ特集で頻繁に名前が挙げられる名店。オムライスは、しっかり焼かれた卵でご飯を包みこんだ王道スタイル。『オムライス デミグラスソース』のご飯は、鶏肉や野菜をデミソースで炒めたもの。ソースは酸味が少なくやや甘みがあり、まろやかで上品な味わいだ。1000円以下ながら、高級店のような満足感を味わうことができる。オムライスのメニューは、ほかにケチャップソース・ホワイトソースの2種がある。

西麻布
2

食工房 あらじん

トロトロ派におすすめの優しい味

店名が冠された『あらじんオムライス』は、タマネギや鶏肉、ハムなどが入ったケチャップ味のご飯にトロトロの卵がかけられている。周りにかけられたさらっとしたデミグラスソースは、本体の卵とは別に加えられた黄身とトロトロの白身が混ざり合うことで、絶妙な甘さのソースに生まれ変わる。それはまるでスープのような優しさ。ちょっと酸味の効いたケチャップライスと絡めて食べると、絶妙なハーモニーを奏でる。

日本橋
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3

喫茶 YOU

歌舞伎役者も虜になった名物オムライス

歌舞伎役者も通う喫茶YOUのオムライスは、独自の濃度に調整したホイップクリームを使っているという、バターの効いたオムレツが、シンプルなケチャップライスの上に乗ったスタイル。プルプルしたこのオムレツにスプーンを入れると、トロトロの半熟卵がお目見えする。ちょっと固めのケチャップライスを、溶けるような柔らかさの卵が口の中でまとめあげてくれる。

東銀座
4

ぱんぷきん

王道を極めた正統派にファン多し

仙川の西洋料理店、ぱんぷきんの『人気者の洋食屋さんのオムライス』は、薄く固めに焼かれた卵でケチャップライスをきれいに包んだ王道派。しっかり炒められたタマネギとマッシュルームが入ったご飯は、チキンの旨味がしっかり染み込んだ味わいで、控えめなケチャップ味が一層その旨味を引き立たせている。王道のオムライスを食べたい時に選びたい逸品だ。ソースはケチャップかデミグラスソースが選べる。

仙川
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5

煉瓦亭

言わずと知れたオムライス発祥の店 

110年以上の歴史ある煉瓦亭は、オムライス発祥の店としても名高い。『元祖オムライス』は、広く知られているオムライスとは異なり、卵をあらかじめご飯や具材と混ぜて炒めてあるのだ。ミンチ、マッシュルーム、グリーンピースが入った「ライスオムレツ」とも言えるそれは、塩と胡椒だけで味付けされたシンプルなもので、卵の自然な甘みを引き立たてている。表面はやや固まっている状態だが、中の方は卵がトロトロだ。

銀座
6

キッチンパンチ 中目黒

これぞニッポンの洋食、懐かしの味

中目黒駅の人気店の『オムライス(ケチャップ)』は、付け合せのキャベツの千切りと福神漬、味噌汁がセット。ケチャップ味のチキンライスを丁寧に巻いた卵は丁度いい焼き加減で、ふんわりしつつも決してトロトロではなく、薄くもなく、まるで毛布でやさしく包んでいるかのよう。やや小ぶりに見えるが、卵に程良い厚みがあるので見た目以上に食べごたえがあり、味も量もすべてが丁度いいバランスで最後まで美味しい。

中目黒
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7

たいめいけん

タンポポオムライスを生んだ名店 

伊丹十三の映画『タンポポ」』で一躍有名となった店の代名詞的存在『タンポポオムライス(伊丹十三風)』は、オムレツの真ん中に切り込みを入れてゆっくり開くと、ふわふわの半熟卵がまるで花開くかのように広がる。タンポポの花びらのように繊細かつキラキラと輝くような黄色で、目で見ても楽しめる逸品だ。しっかり味のついた、やや固めのケチャップライスを包み込む卵はとろけるような食感で、やさしい甘み。

日本橋
8

キッチン たか

シェフの技が光る、焼き炒め料理専門店 

わずか6席の洋食店、キッチンたかの人気メニューのオムライスは、ケチャップをかけた定番の『オムライス』と、チーズソースがかかった『白いソースのオムライス』、デミグラスソースをかけた『黒いソースオムライス』の3種類がある。注文を受けてからシェフが一品一品丁寧に調理していく。カウンター越しに鮮やかに宙を舞いながら作られる自分の料理を眺めるのも、おいしさの秘訣だ。

四谷三丁目
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9

グリルグランド

3代続く浅草の洋食店の味 

1941(昭和16)年の創業以来、親子で受け継がれ3代続く浅草の洋食店、グリルグランドの看板メニュー『特製オムライス』には、丹念に裏漉ししながら2週間コトコトと煮込んで作る秘伝のデミグラスソースがかかる。ビーフと野菜の旨みがたっぷりで、コクのある濃厚な味わいがなめらかな半熟卵に絶妙に合わさり、奥深い味わいを完成させている。料理にはサラダと漬けもの、食事の最後には紅茶かコーヒーがセットに。

浅草
10

ビヤホール ランチョン

美味しい食事とハイカラな時間を楽しむ 

100年以上続く神田のビアホール『ランチョン』の人気ナンバーワンの『オムライス』は、薄焼き卵を美しく巻いた昔ながらのスタイル。白ワインにバター、パルメザンチーズを隠し味に使いふっくらと仕上げたライスが、どこか懐かしい味わいだ。ビアホールといえども、食事メニューも豊富に揃っており、レストラン感覚での利用も可能。マイスターが注ぐ自慢のビールとともに味わおう。

神保町
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11

チャモロ

驚きの豪華牛タンオムライス 

恵比寿の人気店チャモロで、客の半数以上が注文するという『やわらか牛タンオムライス』は、一目見たら忘れられないインパクト。手のひらほどの分厚く大きな牛タンが、ふわふわの半熟卵の上に乗せられている姿は感動ものだ。牛タンはスプーンで切れるほど柔らかく煮込んであり、デミグラスソースとペッパーライスとの相性も最高。アイデア料理の枠を超え、牛タンにオムライスがこんなに合うのかという驚きで満たしてくれる。

恵比寿
12

レストラン吾妻

100年以上続く由緒正しき一品

本所吾妻橋駅近く、三ツ目通り沿いにある1913(大正2)年創業の老舗洋食屋。シックな外装、内装のこの店のイチオシは、先代創作の『オムライス』。今では東京の大半の店が提供する卵を開くスタイルは、先代が考案したこの店のオリジナル。少々値は張るが、伝統ある由緒正しき洋食屋の一流の味をぜひ一度堪能してほしい。価格が比較的安価になるランチタイムを狙うのも手だ。

墨田区
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13

黒船亭

ジョン・レノン夫妻も訪れた洋食店 

ジョン・レノン夫妻も足を運んでいたという黒船亭は、フレンチに精通したシェフが作る洋食メニューに定評があり、デミグラスソースやシチューなど、ひとつひとつにこだわりが感じられる。根強いファンを持つという『オムライス』は、美しい卵に包まれた正統派。チキンライスにはタマネギやニンジン、マッシュルーム、鶏肉と共に、存在感ある大きなエビがゴロゴロと入っており、贅沢な気分にしてくれる。

上野
14

新川 津々井

絵画のように美しいオムライス 

「日本の洋食」を掲げる洋食店、新川 津々井。看板メニューの『トロトロオムライス(ハム)』は、調理の段階で卵とご飯が混ぜ合わせてある一風変わったオムライスだ。ふわふわとした絶妙の混ぜ具合で、独特の食感が楽しめる。オムライスの上下には真っ赤なトマトソースとオレンジ色の生クリーム入りトマトソースが添えてあるので、2種類のソースを混ぜ合わせて自分の思い描く味を作ってみよう。

中央区
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手軽に絶品を味わいたいなら…

東京で楽しむ、手頃価格のミシュランレストラン

ミシュランの星を獲得したレストランの数は、東京が世界最多と言われるように、我が街は世界最高の食の都だ。2017年版のミシュランガイドブックにその名を刻むことができたレストランは234軒。星の合計数は314個にのぼる。これは、「ビブグルマン(5,000円以下(サービス料、席料含む)で食事ができる、オススメ店舗)」のレストランを除外した数だ。誇らしいことではあるが、これらのレストランは、高価で予約も取りづらい、という印象があるだろう。しかし、食の都ではそんな概念も覆される。最高の味を1,000円、またはそれ未満で楽しめる店を紹介する。 

By Lim Chee Wah

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