Albertine Books
Photograph: Courtesy John Bartelstone Photography | Albertine Books
Photograph: Courtesy John Bartelstone Photography

世界で最も美しい書店10選

スタイリッシュな空間から、かつての劇場や教会を活用した店舗まで

Daniela Toporek
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高く伸びるらせん階段、星月夜のような天井、荘厳な古い大聖堂、そしてブルータリズム建築。世界には、単なる買い物の場というより、別世界への入り口のように感じられる書店がある。現代的な空間から、猫が暮らすゴンドラ、趣ある元劇場まで、世界で最も美しい書店は棚を埋める本と同じように、その規模、年代、スタイルにおいて実に多彩だ。さあ、その扉を開いてみよう。

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El Ateneo Grand Splendid

ブエノスアイレス/アルゼンチン

この思わず息をのむような書店は、1919年に建てられた劇場の中にある。かつてはアルゼンチン屈指のタンゴダンサーたちが舞台に立ち、その10年後には映画館へと姿を変えた。

2000 年以降、この場所で幕を開けている唯一のショーは、本を主役にした3フロアに広がる壮麗なスペクタクルだ。とはいえ、観る者を総立ちにさせるだけの輝きは、今も失われていない。

各階のバルコニー席には往時の装飾が美しく残り、客席は訪れる人々のための読書スペースへと生まれ変わっている。しかし本当の見どころは、20世紀初頭に描かれた巨大なフレスコ画が広がるドーム型の天井だろう。

扱う本のジャンルは幅広く、ほとんどがスペイン語だが、それでもこの建物の壮麗さは、実際に足を運んで眺める価値がある。3階のカフェへ向かい、この空間を俯瞰(ふかん)するように堪能したい。

Shakespeare & Co.

パリ/フランス

1951年、アメリカから移住したジョージ・ホイットマンによってパリに開かれたこの店には、文学史がぎっしりと詰まっている。

当初は「Le Mistral」と呼ばれていたが、1964年に現在の店名に。ホイットマンの友人であり、1919年にオデオン通りで初代「Shakespeare & Co.」を営んでいたシルヴィア・ビーチへのオマージュだった。

ビーチ時代の店には、アーネスト・ヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、F・スコット・フィッツジェラルドといった文学界の大物たちが足を運んだ。一方、ホイットマンの店も、フリオ・コルタサル、ロレンス・ダレル、ジェイムズ・ボールドウィンなど、その続く世代の著名な作家にとって、定番の場所となった。

愛らしい緑のファサードの奥へ足を踏み入れると、そこは書店というより、誰かの家のコテージに入り込んだように感じられる。古い写真やタイプライター、店内のあちこちに点在する魅力的な小さな隅など、暮らしの気配を感じさせるような小物に満ちた空間だ。

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Albertine

ニューヨーク/アメリカ

1902年に建てられたアッパー・イースト・サイドの邸宅内に、2014年にオープンした「Albertine」は、ニューヨークで唯一、フランス語と英語の書籍だけを扱う。

その使命は、フランス政府が掲げる、仏米間の知的交流への取り組みを支えることにある。その結果として生まれたのが、両言語による古典から現代作品まで、1万4000冊以上を揃える書店である。

それだけではない。これらの本は、金色の星や惑星、占星術の記号がきらめく天体の天井の下に収められている。この天井は、ミュンヘンにあるドイツの画家フランツ・フォン・シュトゥックの旧居「Villa Stuck」の音楽室に着想を得たものだという。

小さいながらも存在感が大きい、オレンジ色を帯びたランプが幻想的な光を放つ、夕暮れ前に訪れるのがいいだろう。

Word on the Water

ロンドン/イギリス

「Word on the Water」は、キングス・クロスにあるコール・ドロップス・ヤードの裏手で、リージェンツ運河に浮んでいる。1920年代のオランダの運河線を改装したこの書店では、船内外の棚に数多の物語が並ぶ。

小さな船内は確かに居心地がいいが、その分混み合うこともある。だが、いい時間を選んで訪れ、薪(まき)ストーブのそばのクッション付きの席を見つければ、運河に揺られる穏やかな心地よさが楽しめる。

扱う本は、子ども向けの本やケルトの歴史から、詩、自伝、社会正義について学べる本まで幅広い。夏の間には、デッキで生演奏の音楽に出合えることもある。

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Boekhandel Dominicanen

マーストリヒト/オランダ

マーストリヒトにある数世紀の歴史を持つドミニコ会教会は、かつて礼
拝の場、食肉処理場、コンサートホール、さらには自転車置き場として使われてきた。いくつもの役割を経て、今では世界で最も息をのむほど美しい書店の一つへと姿を変えている。

広大なアーチ状の天井にはフレスコ画が描かれ、その下に設けられた3フロアには、英語とオランダ語の新刊本と古書が並ぶ。昔ながらのCDやレコードを揃えた音楽セクションもある。

礼拝が行われることはもうないが、今も残る祭壇には、カフェ「Blanche Dael Cof-feelovers」があり、席に腰を落ち着け、買ったばかりの本を読み始めるのもいいだろう。

Livraria Lello

ポルト/ポルトガル

遊び心あふれる華やかな木工装飾と、砂時計のような曲線を描く大胆な赤い階段。その印象的なインテリアが、この店を世界で最も写真に収められる書店の一つにし、国内外から旅行者や愛書家を引き寄せている。

実際、あまりの人気ぶりに、入店には2種類のチケットのいずれかが必要だ。通常のシルバーチケットと、優先入店ができるゴールドチケットがあり、どちらも基本的には店内で本を購入する際のバウチャーとして使える。

本の買い過ぎを控えている人も、心配はいらない。購入するかどうかにかかわらず、この店の内装をのぞくだけで、入場料分の価値は十分にある

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Honesty Bookshop

ヘイ・オン・ワイ/ウェールズ

ヘイ・オン・ワイにあるこの書店ほど、簡素な書店はそう多くないだろう。この町は文学の聖地であり、かつてビル・クリントンに「精神のウッドストック」と称されたブックフェスティバルの開催地でもある。

厳密に言えば、この店は、物理的な店舗ですらない。ヘイ城の石壁に沿って置かれた、ぐらついた木製の本棚が2つあるだけで、それぞれ同じくらい無造作な小さな屋根に守られている。

並ぶ本のジャンルは幅広く、中には少し風雨にさらされたものもあるが、それがかえって魅力を添えている。さらに、ここには正式なスタッフも係員もいない。あるのは、あなた自身とあなたの良心、本(1冊わずか 2ポンド、約430円)、そして二次元コード、小さな「正直」料金箱だけだ。

Libreria Acqua Alta

ベネチア/イタリア

この店のオーナー、ルイジ・フリッツォは、ベネチアではでは避けられない浸水から自身の蔵書を守るための見事な方法を見つけた。床に本棚を据えるのを諦め、代わりにボートやおけ、ゴンドラに頼ることにしたのだ。

現在、この質素な書店は街で愛されるランドマークとなった。観光客も地元の人々も店を訪れて、さまざまなジャンルの本を眺めたり、本でできた階段の写真を撮ったり、人懐っこい店の猫たちをなでたりしている。

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The English Bookshop

ラバト/モロッコ

数年前、モロッコ出身のモハメド・ベルハジは、ラバトで英語の本が見つからないことにすっかりうんざりし、自ら書店を開いてぴったりの名前を付けた。

床から天井まで本が積み上げられ、ほこりが厚く積もる蔵書は、少なくとも1万冊。古典から現代作品、フィクションからノンフィクションまで幅広いジャンルを揃え、モロッコ各地だけでなく世界中から訪れる人々を引きつけている。

そして、この店は今いまも愛すべきアナログさを保ち、在庫管理から会計まで、ペンと紙、そして昔ながらの現金だけで切り盛りする。

本好きにとって、今年はラバトを訪れるには特にいいタイミングでもある。同地は、2026年のユネスコ「世界本の首都」に選ばれたからだ。

蔦屋書店

東京/日本

「蔦屋書店」や「TSUTAYA BOOKSTORE」の各店舗は、明るく開放的で、幾何学的な美しさが際立っている。東京のスタイリッシュな商業施設「 GINZA SIX」の6階にある店舗であれ、名古屋市のイオンモールに入る店舗の「インフィニティ本棚」の前であれ、その印象は変わらない。

しかし、そのどれも「代官山 T-SITE」にはなかなか及ばない。ここでは、隣り合う3棟の建物が、まるで編み込まれているかのように見える白いT字型の格子によって組み合わされている。内部では、照明に照らされた無垢(むく)材の棚が、ドラマチックで魅惑的な空間を作り出す。館内各所で展開されるさまざまなアート展示にも注目したい。

もっと旅行を楽しむなら……

  • トラベル

過去8年間、私たちは世界の主要都市の中から最もクールなエリアを見つけ出し、毎年恒例のランキングを作ってきた。ナイトライフやアート、カルチャー、手頃な飲食が楽しめる場所。多様性が尊重され、老舗の隠れ家的スポットから最先端のアートスペースまで、独自の個性を持つ店が息づく場所だ。端的に言えば「世界で最もクールな街」は、その都市の魂を体現しつつ、独自の魅力で人々をひきつけ、暮らし・仕事・遊びが自然に交わるエリアのことだ。

今年の注目すべき街はどこなのか? その答えを探すために、私たちは世界各地のライターや編集者に、今まさに自分の街で最も「雰囲気がある」地区を推薦してもらった。そして、カルチャー、コミュニティ、住みやすさ、ナイトライフ、飲食、ストリートライフ、そして言葉にしにくい「今っぽさ」を基準にランキングを作った。

リストには、温かみのある村のようなコミュニティが息づくエリアや、再開発で活気を取り戻した都心のハブ、かつて眠っていた工業地帯がクリエーティブに変貌した場所など、様々な街が登場する。商業化された有名スポットの陰に隠れて見過ごされがちな場所もあれば、意外なグルメの名所、アーティストや作家、アクティビストをひきつけるカルチャーの拠点になった街もある。共通しているのは、DIY精神と、独創性や遊び心にあふれることだ。

さあ、議論の準備はできた?これが、今「世界で最もクールな街」だ。

原文はこちら

  • Things to do

「23人に1台」という驚異的な自動販売機の普及率を誇る日本は、世界でも類を見ない「自動販売機(以下、自販機)大国」だ。中でも東京は、名実ともに世界一の「自販機首都」といえるだろう。

ボタン一つで買えるのは、定番の飲み物だけではない。東京の自販機は進化を遂げ、新鮮なカットフルーツから調味料、さらにアニメや漫画のグッズに至るまで、ありとあらゆるラインアップが揃う。

小銭の準備はできた? 東京で見つけた、とびきりユニークな自販機の世界へ英語編集部が案内しよう。

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  • トラベル

役目を終え、住人がいなくなった建物はどうなるのだろうか。壊されたり、ノベーションされたりもすれば、自然の中に放置されぼろぼろになったりすることもある。

世界のあちこちには不気味な廃墟があり、シンガポールの落書きだらけのアールデコ様式の家から、ドイツの朽ち果てたサナトリウムに至るまで、こうした不気味な建物はほとんど忘れ去られてしまっている。ここで「ほとんど」と言ったのには理由がある。秘められた歴史のファンや世界の秘境情報ガイド「アトラス・オブスキュラ」の熱狂的な愛好者たちが、こういった場所が地図上から完全に消し去られることを阻んでいるからだ。

廃墟になった理由はさまざま。政変や経済的破綻もあれば、所有者が放置しているだけということもある。だが、これらの場所の多くに共通していることがあるとすれば、訪れた人がゾクっとするような不気味さが間違いなくあるということだろう。ここでは、世界各地にあるおすすめの廃墟11カ所と、そこにまつわる物語を紹介しよう。

  • トラベル

「死ぬまでにやっておきたい」リストに長年入っている項目を検討するのもよいが、新たな刺激を求めているのなら、2026年はまったく新しい旅行体験ができるはずだ。

野外美術館での宿泊や古代の景観が残る地を電動自転車で巡る旅、雄大な野生動物保護区のジップラインでの滑空、さらには日食の最中に開かれるイベントまで、そのラインナップは実に多彩。この先12カ月、経験した人がほとんどいない、発想もスケールも一味違う出来事が山ほど控えている。

ここでは、タイムアウトワールドワイドが発表した、最もクールで、奇抜で、刺激的な「2026年、世界で注目するべき26のこと」を紹介する。

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