1. Rise & Win Brewing Co.
    Photo: Rise & Win Brewing Co.
  2. Kamikatsu Zero Waste Center
    Photo: Transit General Office Inc. Satoshi Matsuo
  3. Hotel Why
    Photo: Transit General Office Inc. Satoshi Matsuo
  4.  Cafe Polestar
    Photo: Cafe Polestar

ゼロウェイストの町、上勝町を知る8のこと

持続可能な町の取り組みからやカフェ、ホテル、ショップまでを紹介

Tabea Greuner
テキスト:
Tabea Greuner
広告

タイムアウト東京 > トラベル > ゼロウェイストの町、上勝町を知る8のこと

緑豊かな自然に囲まれた徳島県上勝町。2020年末までに全ての廃棄物を再利用(リサイクル)するという、大きな志を持った小さな町だ。

最初の取り組みは90年代初頭に始まり、2003年には日本初となるゼロウェイスト宣言(ゴミゼロ運動)を発表。廃棄物をゼロにする目標へ道を開いた。2020年までにリサイクル率80%を達成し、残り20%の資源化を目指しているという。このビジョンは、約1500人が住む小さな町を毎年2000人以上の訪問者を迎える観光地に導いただけではなく、持続可能な生活のためのモデルとして国際的な場所へと変えた。

ここではその取り組みとともに町のスポットなどを紹介。なかでも町のホテル ホワイGo Toトラベルキャンペーンの対象となっているため、出かける際は旅程に加えるのもいいだろう。

関連記事

不要な素材を進化させたアップサイクルアイテム6選

上勝町のNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーは、2003年に発表された町のゼロウェイスト宣言推進のための非営利団体。全ての廃棄物をゼロにするため、社会システムや習慣を変える方法についてのアドバイスを行う。

例えばアカデミーでは、リサイクルを容易にし違法な廃棄物の投棄をなくすために、製造業者が古い製品を買戻すプログラムの実施を検討することを奨励。ゼロウェイストアカデミーの先駆的な手法のおかげもあり、現在は熊本県の水俣や奈良県の斑鳩などほかの町でも上勝町の対策が採用されている。

ゼロウェイストアカデミー、徳島県勝浦郡上勝町福原下日浦94-4

上勝町の住民はゴミをなんと45ものカテゴリーに分別している。金属製のキャップ、おむつや生理用ナプキン、鏡や温度計など、この取り組みは2016年から始まった。町にゴミ収集車は無く、住民たちは自家用車でゴミステーションまで分類したゴミを持ち込むシステムだ。

使い捨ての品物の使用を避けるか、安全かつ簡単に処分できる製品を購入することを住民に勧めているのだそう。

上勝町ゼロ・ウェイストセンター/徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2/9〜17時

広告
食品待機物を堆肥に変える
Photo: Markus Spiske/Unsplash

食品待機物を堆肥に変える

食品などの生ゴミをかつては各家庭の庭などでを燃やしていたが、90年代からコンポストや生ごみ処理機を使って堆肥に変えている。

上勝町のゴミ収集センターにあるくるくるショップは、再利用可能なものを無料で提供。洋服、食器、家庭用品は全てそろっており、訪問者は好きなものを自由に持ちこみ、持ち帰ることができる(町民以外は持ち帰りのみ可能)。

くるくるショップ/徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2/9〜17時/定休日は木曜

広告
アップサイクルグッズを作る
Photo: Zero Waste Academy

アップサイクルグッズを作る

20人の地元の職人が古い着物や布地を使って、バッグ、ジャケット、ぬいぐるみなどの商品にアップサイクル行っている

くるくる工房では、これらの美しい商品を購入したり、ぞうりやサンダル作りやかぎ針編、布の手織り体験も可能だ。

くるくる工房/徳島県勝浦郡上勝町大字福原下日浦94-4/9〜17時/定休日は木曜

上勝町のマイクロブリュワリー、ライズ アンド ウィン ブルーイングカンパニー バーベキューアンドジェネラルストアは、解体された家の廃材から造られた建物。文字通り、サステナビリティの記念碑だ。

客は自分のボトルを持参して、ライズ アンド ウィンのポートランドスタイルのクラフトビールを買うことができる。ランチにビールととバーベキューのペアリングもいいだろう(事前予約が必要)。

上勝の特産品の番茶やナッツ、さつまいもチップスなどの乾物を量り売りで販売する雑貨店もあり、古新聞で作られたエコバッグなどの販売もある。

また、ライズ アンド ウィンの2番目の醸造所であるカミカツ ストーンウォール ヒル クラフト アンド サイエンスは、古い製材所の中にある建物。ポン酢やジュース、ドレッシングを作る地元の農家から、使用しないかんきつ類の皮を提供してもらい、爽やかな香りのクラフトビールを製造している。

ライズ アンド ウィン ブルーイングカンパニー バーベキューアンドジェネラルストア/徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間237-2/11〜17時(土・日曜は10〜18時)/定休日は月・火曜

広告

カフェ・ポールスターは、新鮮な地元の食材を使ったおいしい料理を提供するだけでなく、厳格なサステナビリティのガイドラインにも準拠している。建物は高品質の断熱材と二重窓を使用してエネルギーを節約し、ストローやウェットタオルなど、通常プラスチックで作られているものは全て環境に優しい代替品を使用。タンブラーを持参した客は、テイクアウトコーヒーが割引になる。

上勝町での生活に興味があるなら、イノウ上勝ホームステイプログラムに参加するのもいいだろう。滞在中は、町のゼロウェイスト哲学を間近で体験し、有機農場で伝統的な農業技術を学び、地元の旬の食材を使った伝統的な日本料理の調理方法などを学ぶことができる。

カフェ・ポールスター/徳島県勝浦郡上勝町大字福原字平間32-1/10〜15時(土・日曜は17時まで)/定休日は木・金曜

ゼロウェイストホテルに泊まる
Photo: Transit General Office Inc. Satoshi Matsuo

ゼロウェイストホテルに泊まる

上勝ゼロ・ウェイストセンターは、クエスチョンマークのようなユニークな形の建物で、ゴミとの関わりを考えさせてくれる。クエスチョンマークの本体にはゴミ収集センターとくるくるショップがあるが、点の部分には、新しいホテルが建っている。

建築家の中村拓志によって設計されたホテルホワイは、地元の杉の木と廃棄されたドアや窓で作られた建物。客室のアメニティーは環境に配慮したブランドの品物だ。

滞在中は、釣り、トレッキング、カヤックなどのアクティビティを通じて、周囲の自然を楽しもう。またゼロウェイストセンターのワークショップに参加すると、町のリサイクル戦略について学びを得られる。

ホテル ホワイ/勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2

SDGsに触れるなら......

  • ショッピング

不要なものを単に資源として再利用するリサイクルに対し、それらをより価値の高いものに生まれ変わらせるのが「アップサイクル」だ。ここ最近でアップサイクルという言葉を目にする機会も増えたが、「こんなものが」という意外なアイテムもまだまだある。最近のアップサイクル商品は、デザイン性も格段に進化していて見逃せない。

  • レストラン

日本では地産地消と置き換えて語られがちな「ファーム トゥー テーブル」。本来は、生産者が誇りを持って提供している素材をシェフが厳選し、その一つ一つの良さを生かした最高の料理に昇華すること。そして、この一連のストーリーに食への敬意と感謝をもって味わえるのが根本理念だ。

そこには素晴らしい農家を食事を味わうことで支援できるというだけにとどまらず、サステナビリティが自然な要素として備わり、健康で地球に優しい社会活動につながっている。

ここでは、そんな自然をキッチンの主役にした創作的でおいしい食事を提供する東京のレストランを10軒紹介する。旬の食材が持つ最高の味わいを堪能してほしい。

広告
  • ショッピング
  • バッグ・鞄

海洋プラスチックごみや、地球温暖化の課題として問題となっているプラスチック製レジ袋が2020年7月1日(水)、日本でもついに一斉有料化した。

そんななかで、エコバッグに多くの関心が集まっている。今後日常的な買い物の相棒となるのだから、吟味する必要のあるアイテムだ。そして、地球環境のために持つのだからエコバッグも地球に優しいものを選びたいと思う人もいるだろう。今回はそんな人のために、サステナブルなエコバッグだけ厳選して紹介する。材質はもちろんデザインもユニークなものばかりだ。

  • ショッピング

穴が空いたら繕い、防寒性を高めるために布を重ね、生地を丈夫にするために糸を刺す。そうやって何世代にもわたって使い続けられたつぎはぎの着物や肌着、寝具などの衣服や布類を「BORO(ぼろ)」と呼ぶ。当時は「貧しい象徴」として恥ずかしいものだと思われていたBORO。しかし、時代とともにその評価は変わり、今や世界的なファッショントレンドになった。

浅草にあったアミューズミュージアム(2019年に閉館)では、民俗学者の故・田中忠三郎が一人で収集したという、青森県を中心とした東北地方の農民や漁民が江戸時代から昭和時代の初期にかけてに使用していた「BORO」を展示して話題に。その展覧会は2019年から2021年にかけて世界を巡回し、各地で好評を得るまでになった。

また、2013年には『ルイ・ヴィトン』、2014年には『アルチュザラ』、2015年には『コム・デ・ギャルソン』が相次いでコレクションのテーマにBOROを掲げたりと、世界のトップデザイナーたちに大きな影響を与えたことも記憶に新しいだろう。

生きるためにBOROを着ていた人々は、こんな未来を想像していなかったかもしれないが、同じ衣服を長く着続ける、同じものを使い続けるというBOROのサステナブルな考え方は、今の時代にも通じる。ここでは、初級者編、中級者編、上級者編とステップを分けて、洋服を長く着続けるために知っておきたいことを紹介する。

広告
東京、エコな量り売りショップ9選
  • ショッピング

今、世界的に盛り上がりを見せている「ゼロ・ウェイスト」運動を知っているだろうか。文字通り、出すゴミを減らしていこうという活動だ。多くの人が買い物の際にビニールやパックを受け取らず、容器を持参して、バルクショップ(量り売り店)で必要な分だけを持ち帰るという生活を始めている。海外より数は少ないが、東京でも食品から日用品まで、さまざまなものが量り売りで購入できる。こだわりのある店が多く、商品が良質なのもうれしいポイントだ。

今回は、出来たてのしょうゆやクラフトビール、環境に優しい洗剤まで、幅広いジャンルでおすすめの9軒を紹介。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告