草彅洋平
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Tokyo Insider #16 草彅洋平

ゴッドサウナーが思わず語りたくなるサウナ

編集:
Time Out Tokyo Editors
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テキスト:高木望

東京で活躍するクリエーターやアーティストの行きつけの店を紹介する『Tokyo Insider』。今回は編集者、草彅洋平(くさなぎ・ようへい)が登場。

東京サウナ界の至宝「ゴッドサウナー(GOD SAUNNER)」の異名を持ち、フィンランド政府観光局が認めたフィンランドサウナアンバサダーの一人でもある草彅。2017年に下北沢で開催された野外サウナイべント『CORONA WINTER SAUNA』の企画と運営に携わったほか、2021年8月には古今東西の文献を調べ上げた著書『日本サウナ史』をAMAMIから刊行。昨今の国内サウナシーンを語る上でのキーパーソンである。

今回は『日本サウナ史』で記されたサウナの歴史関連施設や、話題の「ネオ銭湯」など思わず人に語りたくなるようなエピソードを交えながら、都内のサウナ施設とサウナ付き銭湯を紹介してもらった。

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マルシンスパ

「僕がまだサウナにはまっていなかったころ、一番最初にサウナ師匠こと秋山大輔さんに連れて行ってもらったのがマルシンスパだったんです。

ポイントは、常連さんに連れて行ってもらわないと外気浴スペースに気付かないところ。屋内にしか椅子が設置されていないので『あ、外気浴できないんだ』と勘違いしてしまいます。

実はこの外気浴スペース、外から聞こえてくるノイズがすごく良いんです。甲州街道沿いで、上には首都高も走っている。その反対側には京王線が走ってます。首都高を救急車が走り、京王線の特急列車が通過し、上空にヘリが飛んできたときなんかはすごかったですよ。僕、失神しましたから(笑)。

田舎のサウナは鳥の鳴き声や川のせせらぎが気持ちいい、とよく言いますよね。でも声を大にして言いたいのは『都市のノイズもめちゃくちゃいい』ということです」

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天然温泉 楽天地スパ

「書籍『日本サウナ史』の中でも触れましたが、フィンランド型ストーブを日本で初めて導入したのはスカンジナビアクラブというサウナでした。そして2番目に入れたのが、1956年、錦糸町にオープンした楽天地スパなんです。元々は楽天地温泉会館という名称でしたが、2010年に大改装。現在は男性専用サウナとしてビルの最上階にあります。

運営元は1937年創業の東京楽天地という老舗企業で、個人的に面白い縁があるんです。1960年に泉興業というサウナ事業を展開するための小会社を設立されているのですが、それが下北沢でサウナイベントを開催した時にフィンランドストーブを調達してくれた会社なんですよね。調べていてびっくりしました。

現存する施設の中でも、日本のサウナの歴史と深く関係する重要な場所です。ぜひ足を運んでみてください!」

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梅の湯

「『梅』というと京都にある、サウナの梅湯が注目されがちですが、東京の梅の湯も素晴らしい。2016年にフルリニューアル、定員数は少ないものの、ガツっとしたサウナが楽しめます。

都内銭湯でサウナを楽しむための『あるある』として、ととのうためには脱衣所に戻ることが大事で、脱衣所の扇風機の風が気持ちいい。ラウンジも居心地がよく、地元の住民を大事にされている雰囲気がある。とにかく心が安らぎます。

何より、番頭後継者である三代目の栗田尚史さんがとにかく頑張っていて、これからの銭湯経営者という感じ。今、都内でイケてるコミュニティを作り出している銭湯は、高円寺の小杉湯、駒込の殿上湯、そして田端の梅の湯ですね」

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黄金湯

「楽天地スパと同じ錦糸町にある黄金湯は、長坂常さんという有名な建築家がリニューアルを手がけた銭湯です。女性はぜひ水曜日に訪れてほしい。なぜなら、毎週水曜に男湯と女湯が入れ替わるから。男湯の方が、サウナと水風呂が大きいんですよ。

黄金湯は外気浴を行える場所があり、男湯には休憩用の椅子が5台並んでます。ここで『どの椅子を選ぶか』が、ととのうためのポイント。必ず水風呂側にある3席いずれかに座ってください! 吹き抜けの風が当たって気持ちいいです。

あと、気付いてほしいのがやはり扇風機の存在ですね。水風呂サイドの椅子に座ると目の前に設置されてます。ほぼ必ずスイッチが切れているので、あまり目立たない。紐を引っ張って回してください。

結構都内のサウナって、小さなことに気付くか、気付かないかが明暗を分けるように思います。場所ごとに何かしらの『必勝法』があるんです」

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アクア東中野

「水風呂として50メートルプールがあることで有名なサウナ施設。親父さんがこまめに水質チェックをしていて、熱量を感じます。アクア東中野の良いところは、男女で構造が全く一緒なんですよ。女性だけサウナが小さい、といったことがなく、出た後に『あの設備がよかった』と共感しあえるのがうれしいです。

ちなみに、僕は究極のサウナ飯(サ飯)って素麺なんじゃないかと思ってます。熱して、冷やして、整えてから食べる。サウナの工程と一緒なんですよね。しかも油分も含まれていて、サウナで抜けてしまった塩分や水分、脂質を補給できる。不思議とツルツル食べれちゃいます。

なんでこの話をしたかというと……アクア東中野の近くに24時間営業の阿波や壱兆(あわやいっちょう)という24時間営業の素麺屋さんがあったんですよ(2021年8月をもって閉店)。究極のサ飯を近所で探すのも、サウナの醍醐味だと思っています」

草彅洋平

草彅洋平(くさなぎ・ようへい)

編集者。メディアのみならず場づくり、イベントなど多方面のクリエイティブに精通し、観光庁の事業のコーチなどを担当。サウナは2017 年に下北沢で野外のサウナイべント「CORONA WINTER SAUNA」の場所を提供し企画、運営に携わり、現代のサウナブームの第一人者として業界では知られる。フィンランド政府観光局が認めた公式フィンランドサウナアンバサダー。著書に『作家と温泉』(編著/河出書房新社)、『日本サウナ史』(amami)など

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