ニュー新橋ビルは、地下1階から地上4階までが商店街で、5階から9階はオフィス、10階から11階には住居を配する複合施設なのだが、商店街の店舗数はなんと約300もある。
それもラーメン店、紳士服専門店、金券ショップ、理髪店、ゲーム屋、歯医者、雀荘、喫茶店、マッサージ店など、とにかく何でもアリな「バーリトゥード」っぷりで、どれも結構な年季が入っていそうなクセの強い店舗がひしめき合うその様は、ハッキリと異空間である。
ビル内は雑多でワイルドな活気に満ちており、飲み屋では油分強めなサラリーマンが「いや~(笑)」とかいいながら昼日中から一杯やってるし、かと思えば階段付近ではノートパソコンを床に直置きしてZoom会議に勤しむ人もいる。
そのほかにも、トイレの前にはチップを入れるボックスがあったり(誰も入れてなかった)、この御時世にあって飲食店の大半が喫煙可だったり、壁面にバイアグラの広告が燦然(さんぜん)と輝いていたりと、頼もしいばかりのフリーダム具合である。
「日本って、ちょっと前までこの感じだったよな」と思う。ガワの部分が昭和なスポットというのはさほど珍しくはないが、全体に渦巻くグルーヴそのものが「昭和」というのはなかなかない。それに、このテンションで1日の来場者数は1万人以上だというからすごい。