イザカヤ ヴァン
Time Out Tokyo

渋谷、一人でも楽しく飲めるビストロ5選

一人客も歓迎、ワインと料理もおいしい厳選ビストロ。

テキスト:
Yoko Asano
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テキスト:浅野陽子(フードライター)

会社を出てもまっすぐ家に帰る気になれず、つい寄り道してしまうビジネスマンを「フラリーマン」と呼ぶそうだが、女性だって仕事の熱量が脳内に残り、帰宅前にガス抜きしたい日もある。しかし男性一人客にオープンな場所は昭和の時代から無数にあるが、女性が一人で入りやすい店は見つけにくい。

しかも居心地の良い空間に、おいしい料理と酒をそろえ、さらに話し相手もしてくれるすてきなソムリエがいる……なんて店をネット検索だけで探し当てるのは、令和の今も至難の技だ。

今回は渋谷駅周辺で、女性が一人でもふらりと立ち寄りやすい、そんな奇跡のビストロ5軒を紹介する。

全店に共通するのは、
1. ワインがおいしい(グラスワインも充実している)
2. 料理がおいしい
3. 一人でも居心地が良い
4. 気さくで話し相手になってくれる男性ソムリエ(または店主、シェフ)がいる
こと。

いずれも既存客のツテなどでなく、一見客として初めて訪れても問題ない。どっと疲れがたまった日の帰り、職場でも自宅でもない、ゆるっと肩の力を抜く第3の場として覚えておいてはいかがだろうか。土日営業している店もあり、仕事帰りだけでなく休日利用もOKだ。

2020年3月からの飲食店自粛要請で現在は各店とも営業時間などが変更しているが、テイクアウトを提供している店も多く、参考にしてほしい。

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渋谷駅西口の井の頭線改札のほぼ目の前にある一軒家ワインバー。1971年創業の老舗店だ。店名にはイザカヤ(居酒屋)とあるが、フランスの名醸地主体のボトルワイン3000本以上(グラスワインは30種)を常時そろえ、料理も本格的なフレンチベースのものを提供。 ワインとフードのクォリティー、しかし居酒屋らしい肩の凝らない雰囲気、ソムリエであり2代目店主の加藤重信(かとう・しげのぶ)の親しみやすい接客が大好評。人気メニューは『鶏白レバーのムース』や『パテドカンパーニュ』『鴨のサラダ』など。女性の一人客は多く、同店ならではのリラックスした雰囲気の中、一人でワイン一本を完飲する女性客も少ないないそうだ。 

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テイクアウト:『シュシュバーガー フライドポテト添え』『お肉屋さんのお惣菜盛り合わせ』ほか各種肉のコンフィ、ハンバーグなどを販売(シェフ自ら配送。商品到着時間16〜20時目安で注文受付、日曜休。配送エリアは渋谷区、目黒区、港区、世田谷区の一部)

渋谷駅から徒歩10分弱、セルリアンタワー東急ホテル近くにある小さなビストロ。店名のシュシュ(Chouchou)はフランス語で「お気に入り」の意味だ。20年フレンチの経験を積んできたオーナーシェフ、片野裕介(かたの・ゆうすけ)の繊細で味わい深い料理と、ついくつろいでしまう雰囲気に魅了され、ランチ、ディナーともに通い続ける常連客は多い。 毎朝豊洲市場で仕入れる鮮魚を使ったメニューと、600種のナチュール(自然派)ワインが売り。『エビの香草バター焼き』や『濃厚オマールエキスのブイヤベース』『北海道大粒アサリのマルセイユ風』なに、グラス880円〜(ボトルは4200円から)を合わせると止まらない。 同店の客の9割が女性。包み込むようなナチュールワインと片野の料理で癒されにきては。 

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テイクアウト:『トリッパの煮込み』『牛タンカツサンド』『特製フォアグラハンバーグ』『パスタソース(真空パック入り)』などを販売(11時30分〜20時)

渋谷の東急百貨店本店裏、井の頭線『神泉』駅にも近い、渋谷でも落ち着いたエリアにある。長野敬介(ながの・けいすけ)の付かず離れずの絶妙なサービスが心地よく、さらにフィレンツェで4年の修業を積んだ、シェフの柳原勇太(やなぎはら・ゆうた)の料理は本物のイタリアンを食べ慣れたシニア客にも好評。店内が奥に長く広がっており、手前は気軽なカウンタースペース、奥にはゆっくり着席できるテーブル席もある。メニューやワインリストは全て共通。0次会や2次会利用に前菜をつまみながら軽く飲みたい人、ゆったり座ってイタリアンのフルコースを堪能したい人、どちらにも使い勝手が良い。 ワインはグラスワインから2,000〜3,000円台の手頃なボトルワイン、そして高価格帯のものまでイタリア産を中心に豊富にそろう。ワイン好きはまずは一度、ふらりと立ち寄ってみては。

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テイクアウト:パスタや前菜など通常営業メニューは基本的に持ち帰りOK。電話またはFBのDM宛に11時〜18時までに連絡し予約(月曜休み)。

渋谷駅西口から徒歩約7分、駅から少し歩くと桜丘(さくらがおか)という大人が集まる静かなエリアになる。ここにあるのがワインビストロのオン ザ ワイン(ON the WINE)だ。 同店の魅力は、オーナーソムリエの小野沢一成(おのざわ・かずなり)が300本のボトルから客の好みに合わせて選ぶ、最高のワイン。シェフの濱田健次郎(はまだ・けんじろう)の作る『カマンベールの塩麹味噌漬け』『パクチーの効いたフムス(ひよこ豆のペースト)』『トリッパのトマト煮込み グラタン風』『カキの香草パン粉焼き』などの料理も好評。 ワインと料理のレベルの高さに反して、立ち飲み店や居酒屋のようなゆったりくつろげる雰囲気なのも、ファンが通う大きな要素になっている。 デートや女子会利用はもちろん、ふらりと1、2杯飲みに来るだけでもよく、ワイン好きは覚えておきたい店の一つだ。 

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2020年5月6日まで臨時休業中

渋谷の東急本店裏、「奥渋谷」と呼ばれる大人向けのエリアにあるビストロ。三大和牛の一つ、近江(おうみ)牛を使った炭火焼きステーキや滋賀県産の食材を使ったメニューと、同じく滋賀県産の近江ワインを楽しめるのが特徴。前菜で大人気の『ダンデライオンサラダ』は、フェンネルやバジルなどのハーブや野菜の組み合わせが華やかで美しい。 料理を担当するのは、フランスやスイスのミシュラン二つ星店で経験を積んだ山中幸夫(やまなか・ゆきお)。カウンターに座り、おいしいワインと料理とともに会話好きな山中シェフとの時間を過ごすのも楽しい。店長の杉山周(すぎやま・しゅう)の朗らかな接客も心地よい。グループ客やカップルのほか、一人で訪れる30〜40代の女性客も少なくないそうだ。 

ライタープロフィール

Yoko Asano

フードライター。食限定の取材歴20年、「dancyu」「おとなの週末」「ELLE a table(現・ELLE gourmet)」「AERA」「日経MJ」「近代食堂」など食の専門誌を中心に、レストランや料理人への取材多数。テレビのグルメ番組への出演実績もある。「NIKKEI STYLE」(日本経済新聞社)の人気コーナー「話題のこの店この味」で毎月コラム連載中。

渋谷で極めるおひとりさまライフ

  • 映画館

東京の流行の中心地であり、混沌とした魅力を持つ渋谷には、意外と多くの映画館が集まっている。ここでは、最新設備が整ったシネマコンプレックスや、アート性の高い作品に絞った上映を行う映画館、レストランも併設されたミニシアターなど、渋谷にある映画館を10軒紹介する。

  • ナイトライフ

猥雑(わいざつ)さと昭和の香りが残る渋谷百軒店は、大人が集う繁華街というイメージを持つ人も多いかもしれない。道玄坂側の入り口にはストリップ劇場や無料案内所が立ち並び、少々近寄りがたい雰囲気を放っている。しかし近年、世代交代した店が増え、新しいカルチャーと昔ながらの老舗が残るユニークなエリアへと進化を遂げつつあるのだ。 そもそも渋谷百軒店は、関東大震災直後に「百貨店」をコンセプトに形成された商店街。その後、1945年の東京大空襲により、街は全焼する。昭和になるとジャズ喫茶やレストラン、テアトルの映画館などが立ち並ぶ飲食街としてにぎわいを取り戻した。ここでは、その名残が感じられる1931(昭和6)年に創業した老舗や、スナックを引き継ぎDJバーとしても営業する店など、アフター5から早朝まで楽しめる百軒店の居酒屋やバー、レストランを紹介する。 関連記事:『夜の門前仲町ガイド』『立石飲み歩き14選』

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若者に限らず、さまざまな人が行き交う街・渋谷。にぎやかなイメージとは対照的に、ゆったりと朝食を楽しめる居心地のいい店が点在している。今回は、和洋にかかわらず、センスが光る空間で店のこだわりが詰まった朝食を味わえる店を厳選した。ビストロで上品にフレンチトーストを味わうのも良いし、「朝スナック」で朝食と会話を楽しむのも、喫茶店の絶品サンドイッチを頬張るのもいいだろう。心と体を満たしてから、街へと繰り出そう。(1件閉店)

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