Au Détour café et brocante
Photo: Keisuke Tanigawa
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、2025年にオープンしたベストカフェ10選

カフェライターと編集部が厳選、今年を彩る「至福の一杯」

Genya AokiKumiko Nakakuki
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2025年も、東京では個性あふれるカフェが次々と誕生した。訪れる目的になるようなシグネチャースイーツを掲げる店や、唯一無二の体験を提供する店、非日常の世界観にこだわった空間の店など、東京のカフェシーンはかつてないほどの多様性と活気に満ちている。

編集部は一年を通じて数多くのカフェを訪れ、取材してきた。本記事ではその経験と知見を基に、2025年にオープンした店舗の中からベストカフェを厳選。味・体験・空間の全てにおいて際立ち、今年の東京を代表するにふさわしい10店を紹介する。

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  • カフェ・喫茶店
  • 三軒茶屋

2025年10月、三軒茶屋にオープンして以来、すでに幅広い層から注目を集めているコーヒーショップ「SAMAA_(サマア)」。店を手がけるのは「ブルーボトルコーヒー」でカフェのコンセプト設計や内装ディレクションを行ってきた村上雄一と、インドネシアで事業を展開するエドガー・ホンゴー(Edgar Honggo)の2人だ。

業界の常識という枠組みを超え、独自のアプローチで新しいコーヒー体験を提供するのが同店の魅力。看板商品の「スーパーミルクブリュー」(1,320円、以下全て税込み)は、超音波ミキサーという最先端技術と石臼による伝統的手法を融合させた、まさに革新的な一杯だ。

オリジナルブレンドには、温暖化による収穫減という未来を見据え、栽培量を確保しやすいロブスタ種をあえて取り入れている。おいしさと持続可能性の両立を、実験精神で追求する姿勢が光る。 フードにもこだわり、「étéco bread」の梶原裕が監修した低温長時間発酵ベーグルを用意。現在はインドネシアへの出店も計画中で、10年以内に世界500店舗の展開を目指している。

  • カフェ・喫茶店
  • 麻布十番

恵比寿での間借り営業で評判を集め、行列のできる人気店へと成長した紅茶専門店「喫茶 nanashian」。2025年1月に麻布台で実店舗をオープンした。

店内は、深海を思わせる濃紺の世界で統一。キャビネットには40脚を超えるアンティークや名門ブランドのカップ&ソーサーが並んでおり、訪れる人は好みに合う一客を選んで自分だけの一杯を楽しめる。

店主は、生産地であるスリランカにも足を運ぶほどの紅茶愛好家。産地証明付きの良質な茶葉の中から、香りの華やかさや奥行き、余韻などを独自に評価し、厳選して仕入れている。「ダージリン キャッスルトン 夏摘み」(1,310円)をはじめ、アッサムやキームンなど10種類以上を常時用意する。

看板スイーツの「白鳥の湖プリン」(1,100円)は、レトロな固めプリンの上に愛らしいスワンシューを乗せた、思わず心を奪われる一皿。香り豊かな紅茶と併せて楽しみたい。

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  • カフェ・喫茶店
  • 市ヶ谷

2025年は都内でもコーヒーショップのオープンが相次いだが、なかでも注目したいのが九段南の「成(なる)」だ。海外生活の経験があり、人気カフェMIA MIA Tokyo(マイア マイア トウキョウ)の店長を務めた吉田成儀が独立して開店した。

開放的なガラス張りの外観が初めてでも入りやすい雰囲気を生み出し、店内は元居酒屋だった物件を和の趣にリノベーション。ヒノキのカウンターや竹のテーブル、店主の家紋であるタカや花鳥風月を描いたのれんが配されている。

使用するコーヒー豆は、「KOFFEE MAMEYA」の深煎りブレンドのみ。看板商品の「カフェラテ」(750円)は、力強いエスプレッソの味わいとミルクの甘みが調和し、飲み終えた後も続く香りの余韻が秀逸だ。カップには、祖母が暮らす故郷大分の伝統工芸「小鹿田焼(おんたやき)」を採用した。

フードには、店主が幼い頃から親しんできた大分県吉野地方の郷土料理「鶏めし」(380円)を提供。甘辛く炊いた大分産のゴボウと鶏肉を、同じく大分産の米に混ぜ合わせた、どこか懐かしい炊き込みご飯だ。素朴ながらも奥行きのあるうまみが広がり、繰り返し食べたくなる一品である。

  • カフェ・喫茶店
  • 丸の内

フィンランド・ヘルシンキで40年近くにわたり愛されてきた「CAFE AALTO(カフェアアルト)」が、東京初上陸を果たした。北欧の巨匠、アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)の哲学が息づく空間で、本店と変わらぬ味わいが楽しめる。

内観は、壁を彩る青いタイルや、真鍮や木のポールに至るまで本店の世界観を再現。店内には、アアルトがデザインした黒革と真鍮フレームの椅子が整然と並び、代表作のペンダントランプ「GOLDEN BELL」や、大理石や木を天板にしたテーブル、アントチェアまで、本店と同じ家具が配されている。

飲食メニューも本店のレシピを踏襲している。看板商品の一つが、フィンランドを代表する家庭料理「サーモンスープ」(バケット付き・1,650円)だ。野菜を煮込んで生まれる自然な甘みと、脂の乗ったサーモンのうまみが溶け合うクリーミーなスープで、ディルが優しく香りを添える。重層的なおいしさが口の中に広がり、繰り返し味わいたくなる一品である。

このほか、「シナモンロール」(850円)や「ビルベリータルト」(850円)なども用意する。浅いりで仕上げたオリジナルのブレンドコーヒーと併せて味わってほしい。

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  • カフェ・喫茶店
  • 銀座

2025年2月、銀座の地下に本場・パリ仕込みのクレープが味わえるカフェ「PANAME Crêpes de Paris GINZA TOKYO(パナム クレープ ドゥ パリ ギンザ トウキョウ)」が誕生した。

オープンキッチンでは、クレープ職人である「クレピエ」たちがフランス老舗メーカー「クランプーズ」のマシンを使い、直径40センチもの大きなクレープを次々と焼き上げていく。生地には水を使わず卵・牛乳・バター・小麦粉のみで作り、しっかりと寝かせることで、モチモチ感と軽やかなサクサク感を両立させている。

メニューは食事系を12種、デザート系を6種用意する。店のおすすめは「サーモンロワイヤル」(1,850円)。スモークサーモンやうまみ豊かなオーガニックマッシュルーム、2種類のチーズ、卵が入り、味もボリュームも満足度の高い一品だ。

デザート系では、果物が盛りだくさんの「マヌカフレッシュフルーツクレープ」が人気。 アルコールメニューも充実しており、ディナーでの利用も勧めたい。

ブルターニュのガレットとは異なる、パリのクレープ文化を存分に楽しもう。

  • カフェ・喫茶店
  • 神谷町

世界一のバリスタである深堀絵美とマシュー・タイズ(Mathieu Theis)が「世界大会で飲まれるようなコーヒーを誰もが楽しめる場所」をコンセプトに、2015年にスイスで創業したコーヒーショップ「MAME(マメ)」。現在同国に5店舗のカフェと1つのロースタリーがあり、地域の憩いの場はもちろん、コーヒーで世界を巡るコーヒーツーリストのスティネーションとしてまで幅広く愛されている。

コーヒー豆は、農園とダイレクトトレードしたものを自社焙煎(ばいせん)している。豆の販売もしており、こちらも世界大会で使用されることが多い高品質のスペシャルビーンズだ。

そんなコーヒー好きの聖地ともいえる店が、スイス外初の店舗である「KURO MAME TOKYO(クロマメトーキョー)」を東京・神谷町にオープンさせた。カフェではなく「テイスティングルーム」という業態を取り、イートインは原則1時間ごとの予約制。メニュー表はなく、バリスタとの会話の中でおすすめの一杯を提案してもらうという「おまかせ」スタイルで提供する。まさに、コーヒーを味わうためだけに存在する先鋭的な店舗だ。

価格は1杯4,000円から。普段使いとはいかないが、世界最高峰のスペシャルティーコーヒーを味覚、触覚、嗅覚、ストーリーに集中して味わう贅沢さを思うと体験価値として満足度の高い1軒だろう。

店舗デザインは、池ノ上の「コーヒーカウンティ」などを手がけたMHAA建築設計事務所の干田正浩だ。どこか温かみのある洞窟のような淡黄色の左官仕上げの空間は、心地よく集中を促す。カウンターでバリスタとの会話に興じるもよし、深めの椅子席で一人コーヒーと向き合うもよしという2種の座席設定も用途が明確で良い。

豆は常時15種程度あり、いずれもクロマメトーキョーの限定品。焙煎は全て本国のロースターで行われ、空輸される。マイクロロットの豆がほとんどで、「今ここ」でしか飲めないプレミアムなものばかりだ。

テイクアウトメニューは別に用意されており、気軽に注文できる。テイクアウト専用のマシンやミルクを使用したエスプレッソやアメリカーノ、「櫻井焙茶研究所」による抹茶を使用したラテやトニックなどが600円から味わえる。

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  • カフェ・喫茶店
  • 杉並区

阿佐ケ谷駅から徒歩20分の場所にある「Au Détour café et brocante(オ デトゥール カフェ エ ブロカント)。祖父母の代から続く寝具店を、パリの片隅を切り取ったようなアンティークカフェへと大胆に刷新した一軒である。時を重ねた木製の引き戸を開けると、1950〜60年代のフランスへと迷い込んだかのような空間が広がる。

店内には19世紀のテーブルやチェア、南仏で愛用されていた花瓶、風合い豊かなデミジョンボトル、ゴッホやルノワールの画集など、時を超えた品々が並ぶ。

これらは全て、店主の一瀬寿・素子夫妻が30年以上かけて集めてきたフランスのアンティークや、100年未満の骨董(こっとう)品・ブロカントだ。小さな傷や欠けにも物語が感じられ、まるで丁寧に暮らすパリの邸宅に招かれたような気分に浸れるだろう。

京都から仕入れる深煎り豆を、イタリア製のエスプレッソマシン「Eagle One Prima」で抽出したコーヒーは、こくと甘みが調和したまろやかな味わい。フランス直送の「マドレーヌ」(300円)とともに味わえば、至福のひとときが完成する。

  • カフェ・喫茶店
  • 丸の内

昭和初期の建造物として初めて国の重要文化財に指定された「明治生命館」がこの度リニューアルオープンし、1階に「明治安田CAFE 丸の内」を新設した。

カフェの客席は60席と広々しており、文化財カフェとしては日本最大級を誇る。天井から陽光の射す吹き抜けに、大理石の柱や床、真鍮細工、シャンデリアが飾られ、風合いの良いじゅうたんが敷かれている。ソファがゆったりと配置されており、まるでクラシカルな高級ホテルを思わせるたたずまいだ。

フードやドリンクは、「歴史ある空間に相応しいもの」をテーマに、深煎りの「ブルーマウンテンブレンドコーヒー」(1,000円)、「ファーストフラッシュダージリンティー」(1,200円)や、1850年創業の老舗「つぼ市製茶本舗」の茶葉を使用した「抹茶ラテ」(1,200円)や「ほうじ茶ラテ」(1,200円)といった品質にこだわったメニューが揃う。

スイーツは、都内にある老舗洋菓子店が手がけるオリジナル商品を提供。その時期ごとのベストなクリを使った「モンブラン」(1,200円)などのケーキのほか、旬の果物を使用したパフェが味わえる。

軽食は、A5ランクの和牛を贅沢に使用した「照り焼きサンドイッチ」(1,500円)や、「アトランティックサーモンサンドイッチ」(1,500円)、「和牛のハヤシライス」(2,200円)などを用意する。

ゆったり過ごしたい時は、上質なスイーツを盛り込んだアフタヌーンティーセット「お堀端の玉手箱(数量限定)」(1名分 5,800円・ドリンク付き ノンアルコールシャンパンを除く)がおすすめだ。

ちなみに2階の展示フロアへと続く大理石階段は、今回初めて一般公開されるエリアの一つ。ウエディングフォトの人気スポットにもなっている。

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  • ショッピング
  • コーナーショップ・雑貨屋
  • 三鷹

「井の頭公園」の先にあった、知る人ぞ知るハイセンスな雑貨店「STAYFUL LIFE STORE(ステイフル ライフ ストア)」が三鷹に移転して再オープン。店舗の広さは以前の5倍に拡大。1階と地下1階に計200平方メートルのスペースが広がり、日常雑貨・カフェ・撮影スタジオ・アートギャラリーが組み合わさった多面体的な空間で、ならではの魅力を発信する。

大きくスペースを占めるカフェエリアは、メニューを大幅に一新。オリジナルコーヒー各種を浸漬式ドリッパーで抽出する。ほかにも、ソフトドリンクからエスプレッソのマティーニ割りなど軽めなアルコール類までラインアップ。スイーツと食事も強化して、ほっこりできる町カレーなどを提供する。開店時間も中休みなしの8~21時で、手軽に利用できる。

三鷹と吉祥寺を結ぶ、伸びしろ感があるのんびりした大道り沿いのロケーションも魅力だ。「ここに来たら心が落ち着く、また遊びに来たいと思ってもらえる空間を目指し、さまざまなジャンルの方々が交差することで新たな刺激の場となればと」と店主は語る。雑貨マニアの心をくすぐるショップが点在する三鷹の新たな注目店である。

  • カフェ・喫茶店
  • 飯田橋

2022年9月末に惜しまれつつ閉店した甘味処「紀の善」が神楽坂に復活。今では定番スイーツとなった抹茶ババロアの発祥の店として知られている。

抹茶ババロアは、以前の店主・富田夫妻のおかみが考案し、世代を超えて多くの人が魅了されてきた逸品。甘さを抑えながらもしっかりと抹茶の味が感じられるババロアに、柔らかく泡立てられた生クリーム、そしてこだわりの粒あんを合わせて食べると、三者が絶妙に調和した上品な甘さが口いっぱいに広がる。

また、忘れてはならないのが、素材本来の美しい藤色が印象的なあんこ。粒あんには大粒で風味豊かな「丹波大納言小豆」、こしあんには自然な甘さの十勝小豆を使用し、毎日店内で丁寧に炊き上げられる。

店内では「あんみつ」や「豆かん」といった定番の甘味や、夏期限定のかき氷などを提供。レジ前に設けられた大型のショーケースには、土産用の甘味がずらりと並び、家庭でも紀の善の味が楽しめる。

店内利用の場合、土曜日・日曜日・祝日は、10時30分から整理券が配布される。

カフェライター・なかくきくみこによる2025年総括

2025年、東京のカフェシーンはかつてないほどの盛り上がりを見せました。ほどよい広さの空き物件は取り合いになるほど人気で、日常の生活圏でも新しいカフェが次々と誕生しているのを実感した方も多いのではないでしょうか。

アジア最大級のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ」は来場者数が年々増加し、今年は4日間で9万6823人を記録。そんな人気に伴い、街でも浅いりを提供するコーヒーショップが増加しました。

その一方で興味深いのは、日本で長く親しまれてきた深いりに光を当てる店も着実に増えており、コーヒーの世界がより多彩に広がっていることです。

そして今、カフェに「おいしい」を超えた価値が求められる時代になっています。店舗数が増える中で、表面的な流行だけでは人気が長続きせず、店主の人生経験や価値観が店のそのものの個性となり、その深さが多くの人から支持を集める傾向にあります。

2026年以降もきっとこの本質と多様化の流れは続いていくでしょう。これまでにない驚きや感動、心を満たす経験が期待できそうです。

2025年のカフェ特集を振り返る……

  • カフェ・喫茶店

近年、中国のコーヒーシーンは急速な進化を遂げている。中でもカフェ文化が栄える上海には9000軒を超えるカフェが軒を連ね、各店が独自のシグネチャードリンクを打ち出し革新的なレシピを競い合っている。

生産地としては、雲南省産コーヒーが日本でも注目を集め始めており、耳にしたことのある人も多いだろう。豆の産地としては後進国だったが、発酵技術の目覚ましい進化や、国内のスペシャルティコーヒー市場の拡大と併せて生産量も増大。農園主の熱意はそのまま高い品質に表れている。

今回の特集では、そんな活況を見せる中国から日本初上陸を果たしたブランドや、中国と深い縁を持つブランドを紹介する。

国際品評会などで使用される最高級のコーヒーを楽しめる店から、高品質でユニークなコーヒーシーンを感じさせるシグネチャードリンクまで、ここでしか味わえない特別な一杯に、新たなコーヒーの可能性を感じることができるだろう。

  • カフェ・喫茶店

高度経済成長期に建てられた団地には、今もどこか懐かしい風景が残る。近年、その中に若い感性を取り入れた魅力的なカフェが次々と誕生している。

世代を超えた多くの人々が暮らす広大な敷地には、緑豊かな公園があり、時間が緩やかに流れている。団地特有の穏やかさや温もりに引かれ、この場所を選ぶカフェオーナーも少なくない。地元の人々だけでなく遠方からわざわざ訪れる人も多く、地域のハブ的存在となる店もある。

今回は、そんな日本の暮らしの原風景である団地に生まれたカフェを特集する。

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  • カフェ・喫茶店

枝のしなやかな曲線、幹に刻まれたしわ、足元を覆うコケの深い緑――盆栽は、日本の美意識を凝縮した芸術である。今東京では、そんな盆栽を眺めながら、一杯のコーヒーや日本茶を味わえるカフェが少しずつ増えている。本記事では、都会の片隅で静かに息づく盆栽の世界に浸れるカフェ5軒を紹介したい。

  • カフェ・喫茶店

友人との食事の後や仕事帰り、一人で夜静かに過ごしたい時。東京にはさまざまなシチュエーションや気分に寄り添う夜カフェがある。こだわりの空間でふと日常のスイッチを緩めてくれる、おすすめの5軒を紹介する。

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  • カフェ・喫茶店

看板がなく知らないと通り過ぎてしまうような店や、予約をした者にしか住所を教えない店、薄暗い階段を上らないとたどりつけない店……。そういう隠れた店は、初めて入る時こそ少し勇気がいるが、入ってしまえば長居したくなるような居心地の良い店も多い。

時には一人でゆっくりと過ごし、また時には友人と冒険気分で楽しむのもいいだろう。ブックマーク必須のおすすめ隠れ家カフェを紹介する。

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