1. 喫茶モリ
    Photo: Keisuke Tanigawa
  2. めし勇 精肉店
    Photo: Keisuke Tanigawa
  3. ぎょうざの美鈴
    Photo: Keisuke Tanigawa
  4. 三ツ橋ぱんじゅう
    Photo: Keisuke Tanigawa

伊勢、ローカルフード完全制覇ガイド

定番からマニアな一品まで、伊勢を食べ尽くす

テキスト:
Shiori Kotaki
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旅先で欠かせないもの、それは、その土地でしか味わえないローカルフードだ。今はお取り寄せができるものも増えてきているが、旅先で食べるという体験は一味違う。

ここでは、郷土料理や行列の絶えない人気店の味をはじめ、若者の腹を満たし続けるソウルフードや、伊勢市民を育てたといっても過言ではないご当地スーパーのコロッケなど、定番からマニアな一品まで幅広く紹介する。思い残すことのないよう、計画的に伊勢の名物たちをハシゴしよう。

より快適に食べ歩きを楽しみたい人は、タイムアウト東京のLINE公式アカウント『Desika:伊勢でしか』の「友だち追加」がおすすめだ。

伊勢の大鉄板

  • レストラン

ぎょうざの美鈴

1963年創業、今や行列のできる店としても知られる人気の餃子店。名物の餃子は「目で見て、鼻で感じて、耳で聞く」という代々受け継がれてきた方法で、その日の湿度や天候に合わせながら一つ一つ丁寧に焼かれている。

焼き面はパリッとしながらも、全体的にもっちり食感の餃子に合わせるたれは、たまり醤油をベースにした秘伝の味。添えられている紅ショウガとの相性も抜群だ。

  • ショッピング

赤福 外宮前店

1707年創業、言わずと知れた伊勢名物「赤福」の外宮前店。広々とした喫茶スペースもあり、商品の購入はもちろんのこと、「赤福餅」をその場で味わうこともできる。

土産でもらうとうれしい「赤福餅」だが、作りたてを香ばしい番茶と一緒に楽しめるのはまさに至福。夏季限定の「赤福氷」や冬季限定の「赤福ぜんざい」、季節によって果物が変わるフルーツ大福なども喫茶メニューとして用意されている。 

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  • レストラン

鈴木水産 外宮参道店

「手こね寿司」を楽しむならば「鈴木水産」へ。もともとは漁師が船上でサクッと食せる漁師飯として誕生したという「手こね寿司」は、醤油ベースのたれに漬け込んだカツオやマグロを酢飯の上に並べ、薬味を散らして味わう志摩地方の郷土料理だ。南伊勢町を中心に毎朝仕入れる魚介や伊勢エビの鮮度に定評がある同店では、新鮮な味わいで楽しめる。

  • ショッピング

若松屋 外宮前店

魚河岸として栄えていた伊勢市河崎町で、1905年に創業したかまぼこの店。合成保存料を使わず、厳選した素材本来の味わいを生かしたかまぼこやはんぺんを提供している。

ぜひ味わってほしいのが、「伊勢ひじき」やシイタケ、タケノコ、ウズラの卵など9種類の食材が入った「伊勢ひりょうず」。それぞれの食材が互いのうま味を引き出し、食感も楽しい具だくさんのかまぼこだ。

3大ソウルフード

  • レストラン

まんぷく食堂

1975年に創業した食堂。創業時から提供を続ける「からあげ丼」は、その元祖としても知られる一品だ。

おいしさの決め手は、鶏肉を漬け込む秘伝のたれにあり、だし汁で唐揚げを煮立てる際にそのうま味がだしに加わることで奥深い味わいになるのだという。甘辛いつゆが染みた白米に半熟卵が絡む唐揚げ、そして最後にはたっぷりの白胡椒でアクセントを。箸が止まらないのは言うまでもない。

通常よりも小盛りの「からあげ丼」に伊勢うどんが付いた「新福定食」もおすすめだ。

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店

喫茶モリ

1970年創業の喫茶店。特製スパゲティ、通称「モリスパ」は、ちょっと遅めのランチとしても愛される一品だ。

鉄板で提供されるスパゲティは、最後に溶き卵を回し入れる名古屋風。ケチャップベースのソースは創業当時からのレシピを今も受け継いでおり、どこか懐かしい味わいがある。ローカル流に、バナナジュースかミックスジュースとともに味わいたい。

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  • レストラン

キッチン クック

1978年創業の食堂。「若い子におなかいっぱい食べてもらいたい」という思いから作られたのが、同店の名物、ドライカレーだ。

ユニークなのは、ドライカレーにカレーのルーをかけて食べるというスタイル。店主自身がこの食べ方が好きだったことが始まりで、試しに店でも出してみたところ、来店客も気に入りやめられなくなったのだそうだ。カレーとカレーが交差する味わいを堪能したい。

知る人ぞ知る、3大コロッケ食べ比べ

  • ショッピング

めし勇 精肉店

伊勢市駅から徒歩3分のところにある精肉店。コロッケやトンカツといった揚げ物は11時から販売がスタートする。

肉やジャガイモの素材の味が生きた「めし勇コロッケ」をはじめ、「松阪牛コロッケ」やコーンの甘さがクセになる「コーンコロッケ」など、いずれも注文が入ってから揚げてくれるので、熱々サクサクで楽しめる。

  • レストラン

豚捨 外宮前店

1909年に創業した精肉店「豚捨」の外宮前店。店内での飲食もできるが、食べ歩きを楽しむのなら熱々のコロッケや串カツがぴったりだ。

「コロッケ」は、カリカリサクサクの衣にほんのりブラックペッパーがきいたタネで、ビールが欲しくなる味わい。揚げ物のテイクアウトは、店内利用とは別の列から購入できるので、スムーズに手に入るのもうれしいところである。

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  • ショッピング

ぎゅーとら 八間通店

三重県内に28店舗を構えるローカルスーパー。充実したオリジナル総菜の中でも、とりわけ地元民に愛されているのが「ぎゅーとらコロッケ」だ。「ぎゅーとらのコロッケで育った」といっても過言ではないほどに身近な味わいだそうで、「時々食べたくなる」という声をよく聞くことから、冷凍食品のコロッケも開発された。

一息つきたい時には

  • レストラン

イモンネ伊勢内宮前店

2023年7月、宇治橋の正面に立つ大鳥居から歩いて3分ほどのところにオープンしたジェラート店。伊勢志摩の郷土食「きんこ芋(「隼人芋」で作った干し芋)」を生産する干し芋農家が手がけるカフェ「きんこ芋工房上田商店」の姉妹店として、きんこ芋や「ぎんこ芋(「紅はるか」で作った干し芋)」を使ったジェラートも提供する。
 
きんこ芋やぎんこ芋は、その製法から一般的な干し芋よりもねっとりとした食感が特徴で、ジェラートになるとその濃厚な甘さがより際立つ。追加で「ぎんこ芋」をトッピングできるので、ジェラートと干し芋を食べ比べてみるのもおすすめだ。
 
そのほか、好みのジェラートを求肥(ぎゅうひ)で包む「ジェラ餅」も同店ならではの一品。味わいはもちろん、大福のような愛らしいフォルムにも日本らしさが感じられる。きんこ芋やぎんこ芋はもちろん、伊勢茶を使ったほろ苦いものや、旬の果物で作ったものなど、季節ごとに用意されるさまざまなジェラートをジェラ餅として楽しんでみるのもいいだろう。
 
「皇大神宮(内宮)」を参拝した後に立ち寄ってほっと一息つけるようにと、冷暖房完備の広々としたイートインスペースがあるのもうれしいところ。外のテラス席は、愛犬との利用も可能だ。

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店

ダンデライオン・チョコレート 伊勢外宮店

サンフランシスコ発のチョコレート専門店、 ダンデライオン・チョコレート(Dandelion Chocolate)の伊勢外宮店。味わうべきは、同店オリジナルの「イセホットチョコレート」だ。

三重県度会町にある中森製茶で栽培、焙煎(ばいせん)されたほうじ茶を使用した「イセホットチョコレート」は、さっぱりとした口当たりが印象的。暑くなると冷たいドリンクを頼みがちだが、夏でもあっさりと味わえる一杯である。

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  • ショッピング

三ツ橋ぱんじゅう

「ぱん」と「まんじゅう」を合わせた「ぱんじゅう」は、地元ではおやつの定番として1920年ごろから愛されている一品だ。「三ツ橋ぱんじゅう」では「こしあん」「つぶあん餅入り」「伊勢茶」「むらさき芋」「栗」「カスタード」「期間限定クリーム」の7つの味を用意。3個450円から購入できる。

  • ショッピング

山田三方

「三方焼」と名付けられた、三角形の大判焼きの店。1905年に伊勢市河崎町で創業したかまぼこ店、若松屋の社長である美濃松謙が、2022年に新規事業としてスタートした一軒だ。

アズキの風味がしっかり感じられる甘さ控えめの粒あんは、美濃にとっても馴染み深かったたい焼き店「錦水橋の鯛焼き」から伝授してもらった味。「錦水橋の鯛焼き」は2021年に閉店したが、長年親しまれてきたこの粒あんは、「三方焼」としてこれからの世代にも愛されていくこととなった。

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  • ショッピング

トモナ ベイクド アンド ケイクス ショップ

伊勢市駅から歩いて15分ほどのところにある焼き菓子とケーキの店。ずらりと並ぶ菓子に、ふわりと漂う甘い匂い……。インダストリアルな雰囲気と、黄色のポップな壁が絶妙に交わる愛らしい店内に足を踏み入れた瞬間、まさに至福の気持ちに満たされる。

 通年で購入できるのは、スコーンやブラウニー、キャロットケーキ、バナナケーキなど。季節限定で販売されるスイーツにもファンが多く、中でも12〜5月ごろまで販売するレモンケーキは個数制限するほどの大人気商品だ。このレモンケーキ、実は良いレモンが手に入った際には、この時期以外にも店頭に並ぶことがあるのだそう。そんな幸運に遭遇した際には、必ず手に入れて帰りたい。

商品数が一番多い時間帯は11〜12時ごろ。しかし、このタイミングは列ができていることも多いので、ゆっくりと菓子を選びたい人は、品数は減ってしまうかもしれないが13時ごろに訪れるのがおすすめだ。

臨時休業の場合もあるので、訪れる際は、事前にInstagramで営業状況をチェックしよう。

水と豆腐のパワーを知る

  • レストラン

とうふや

「おかげ横丁」の喧騒から少し離れた五十鈴川の河畔にある、自家製豆腐とアナゴ料理の店。美しいこの日本建築は、くぎや金物を一切使わず、木と木をパズルのように組み合わせていく木組み技術によって建てられており、店内からは五十鈴川を眺めることもできる。
 
メニューは、作りたての「寄せ豆腐膳」をはじめ、月替わりの「季節豆腐」や「豆腐田楽」「ひつまぶし風あなご重膳(数量限定)」などを用意。中でも、豆腐と穴子の両方を堪能したい人には「とうふや膳(数量限定)」がおすすめだ。寄せ豆腐やアナゴの天ぷらなどがセットになっており、主食は「白ごはん」「炊き込みごはん」「穴子叩き寿し」から選べるのがうれしい。
 
畳の席がメインだが、一部テーブル席もある。また、トイレにはオムツの交換台が設置されており、キッズフレンドリーな一軒であるのもうれしいポイントだ。
 
五十鈴川越しに満開の桜が眺められる春には、ぜひとも窓際に座りたい。いずれの座席も空きがあれば予約できるので、リラックスして食事を楽しむべく、事前に席を押さえておくのがいいだろう。

  • レストラン

町家とうふ萬来

大豆を細かいパウダーにするという独自に開発した技術で、おからを出さずに、大豆を丸ごと使った豆腐や豆乳、油揚げを毎日手作りしている店。妻入りの町屋や蔵が並ぶ河崎エリアに店を構える。
 
店内では、併設する工房で作った出来たての豆腐や、カリッと揚げた油揚げに薬味を乗せた「やみつき揚げ」などが堪能できる。こういった自慢の商品を少しずつ楽しめるセットメニューは、ヘルシーながらも満足感が高いと地元の人からも人気が高い。大豆の栄養がたっぷり詰まった豆腐は、一般的なものよりも濃厚な味わいで、一口食べればきっと驚くだろう。
 
店内では、豆腐や油揚げ、湯葉などのほか、常温で持ち歩けるオリジナル商品も販売。そのまま食べてもおいしい「大豆フレークベーコン」や、おにぎりの具材にもぴったりな「大豆ミンチジュレ」といった日持ちする商品は、土産にもぴったりだ。
 
前日までに電話で連絡をしておけば、メニューはビーガン対応に変更もできる。町屋を活用した趣のある空間で、体に優しい食事を楽しもう。

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  • ショッピング

豆腐庵山中

日本で唯一、五十鈴川の伏流水を生かした豆腐作りを行う「豆腐庵山中」。おはらい町にある工房を併設したショップでは、自慢の豆腐のほか、豆腐やおからを用いた優しい味わいのスイーツを販売している。
 
看板メニューは、おからを活用した「うの花どーなつ」と、材料の50%に豆腐を使った「おとうふソフト」。そのほか、「うの花あんどーなつ」や「うの花ポテト」などもショーケースに並ぶ。いずれも、素材本来の風味とほんのりとした甘さが印象的だ。
 
「おとうふソフト」はレギュラーサイズに加えて、少し小さめの「お子様サイズ」が用意されているのもうれしいところ。形を保つための添加物が入っていないため溶けやすく、味わう際はスピード勝負だが、「お子様サイズ」であれば溶けてしまう前に子どもでも食べきれるだろう。
 
「昭和の終わり頃、伊勢土産として販売されているものの多くがこの地で作られたものではないと知った時、伊勢でしか手に入らないものを作りたいと思った。そこで考えたのが、五十鈴川の伏流水を使った豆腐作りだった」と話すのは店主の山中一孝。神宮の森と五十鈴川の水があるからこそ生まれた同店の商品は、まさにこの場所でしか楽しめないものだ。地域へのリスペクトと愛が詰まった奥深い味わいを、ぜひ一度体験してみてほしい。

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