1. プラウド コーヒー
    Photo: Keisuke Tanigawa|プラウド コーヒー
  2. ボン ヴィヴァン
    Photo: Keisuke Tanigawa

伊勢、唯一無二の空間で味わう店5選

文化財で味わうフレンチや店内に植物が生えるカフェなど

テキスト:
Shiori Kotaki
広告

「どんな空間で味わうか」というのも食事を楽しむ上で大切なポイントだ。おいしいものであふれる伊勢市だが、ここでは、国の登録有形文化財で味わうフレンチや温かなストーリーを持った喫茶店など、「ほかにはない空間」という付加価値を持った4つの店を紹介する。

コースで伊勢の恵みを堪能するもよし、軽く休憩するもよし。最高の空間で心に刻まれるひとときを過ごそう。伊勢旅を便利に楽しみたい人は、タイムアウト東京のLINE公式アカウント『Desika:伊勢でしか』の「友だち追加」がマストだ。

  • レストラン

街を流れる水運を利用し、江戸時代には「伊勢の台所」としての役割も果たした河崎エリアにある海鮮居酒屋。予約必須の人気店で、週末に訪れるならば、約2カ月前には予約を入れておくのがおすすめだ。

明治末に建てられたという金物屋の蔵を活用した店内は、重厚感のある雰囲気。メニューは、その日に入った魚を見て決定している。料理を盛る器は、笹山芳人や谷本あけみといった三重県出身の陶芸家のものも多く用いており、目でも舌でも、この土地の魅力を存分に味わえる一軒である。

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店

資材倉庫だった場所を活用し、2021年11月にオープンした複合施設「ハイライター(HIGH-LIGHTER)」の1階にあるカフェ。倉庫ならではの無機質さと、土間を抜き、土を入れて直植えした緑が共存する空間はまさに唯一無二といえるだろう。

ドリンクは、4種の豆から選べるドリップコーヒーのほか、フラットホワイトや紅茶などを用意。暑い日にはエスプレッソの氷で作る「コーヒーシェイク」がおすすめだ。

広告
  • レストラン

国の登録有形文化財(建造物)にも指定されている旧電話局「旧山田郵便局電話分室」の一角に店を構えるフレンチレストラン。「ミシュランガイド2019」や、2019年から4年連続で「ゴ・エ・ミヨ」の受賞も果たしている。

同店のシェフ、河瀬毅が手がけるのは「正直な料理」だ。地元でとれた野菜や魚介、肉、果物などを用いながら、生産者やその食材を運んでくれる人々の顔が浮かぶような一皿を提供している。

料理には生クリームやバターを使っていないことから、軽やかに味わえるのも特徴の一つ。最大でも16人しか入れない小さなレストランだからこその丁寧さが随所に感じられる。

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店

1945年創業、伊勢最古の喫茶店としても知られる一軒。メニューは、ホットケーキやサンドイッチといった喫茶店の定番メニューをはじめ、日替わり定食や丼もの、伊勢うどんなど、食事系も充実している。

店内に飾られている風景画や、正面入り口を入ってすぐの部屋の天井に描かれたコスモスは、なんと店主の榊󠄀原保が描いたもので、その多才ぶりに驚く。ちなみに、コスモスをモチーフにした理由は、奥さんの一番好きな花だから。店を営む夫婦2人の温かさがあふれるアットホームな一軒だ。

広告
  • レストラン
  • 日本料理

江戸時代に森田久造が開いた寿司店からその歩みをスタートさせた、「おかげ横丁」の「すし久」。明治から昭和初期には料理旅館として最も繁栄し、天皇の命を伝える使者・勅使(ちょくし)の宿を務めたことでも知られている。
 
現在は、料理店として伊勢志摩の郷土料理「てこね寿し」を中心に提供。もともとは、とれたてのカツオを船上でさばいて醤油に漬け、白飯の上に乗せて豪快に手で混ぜて食べる漁師飯として知られるてこね寿しだが、同店では、天ぷらや季節の小鉢とともに楽しめる(内容は松竹梅によって異なる)。肉厚にカットされたカツオが乗った酢飯には大葉が混ざっており、想像以上にさっぱりとした味わいだ。
 
建物は、江戸時代当時の面影を残す形で1989年に復元改装されたもの。吹き抜けの梁(はり)には、1869年の遷宮時に下賜された宇治橋のケヤキ材が使われているのも珍しい。毎月末日の「みそか」には、三重県松阪市出身の落語家・桂文我を中心に、若手の噺家(はなしか)も多く出演する落語会を開催しており、この空間で落語を楽しめるとあって毎回人気を博している。
 
もう一つ、同店を訪れた際に欠かさずチェックしたいのが店の外に掲げられた看板だ。この看板は江戸時代から使い続けられているもので、片面は漢字で「鮓久」、もう一方には平仮名で「すし久」と書かれている。なぜこのような仕掛けになっているのかというと、「自分はどの方向から来たのか」が分かる目標として、当時「お伊勢参り」にやって来た人々の手助けをしていたから。一枚の看板を通して、当時の文化を体感してみるのも面白い。
 
営業時間は季節によって異なるので、訪れる際は店に確認しよう。

関連記事

広告
広告
おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告