東京をひらく教育 ギフテッド・アカデミー創設者・河崎純真が目指す場所

障がいが強みになる「偏りを活かせる社会」へ
河崎純真
作成者: Time Out Tokyo Editors |
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in collaboration with 日経マガジンFUTURECITY

渋谷駅近くのビルの一室。扉を開けると、窓際の長机と中央の畳敷きのスペースに座り、パソコンに向かう約30人の若者の姿が目に飛び込んでくる。2016年8月にオープンした「ギフテッド・アカデミー」は、日本初の、発達障がいを抱える人対象の就労移行支援施設だ。労働市場で需要が高まるデザインやプログラミングの技術を教え、就労機会を提供している。

発達障がいは、先天的な脳の特性により認知の発達に偏りが生じる障がいで、社会生活や対人関係に様々な困難が伴うと言われている。

「日本には『偏りのない社会=良い社会』と捉える風潮があります。能力に偏りがある発達障がいの人は、十分に力を発揮できていないのが現状です」。

そう語るのは、同アカデミーの生みの親で校長の河崎純真、26歳。15歳からエンジニアとして働き、既にベンチャー起業家として豊かな実績を持つ「早熟の天才」だ。彼もまた発達障害を抱え、生きづらさを感じてきた一人だという。

「能力の偏りは個性の一つ。それぞれの特性に合った学びの場や働く場があれば、障がいを強みに活躍できる。『偏りを活かせる社会』を作るための第一歩がギフテッド・アカデミーなんです」。

授業は聴講形式ではなく、習熟度に合わせた個別カリキュラムの自学自習が中心。少人数のチームで協働するプロジェクトを毎月実施し、自ら課題を解決する力の育成も重視する。また「高いパフォーマンスを発揮するには精神の安定が不可欠」(河崎)という考えの下、ボディワークやめい想などのリベラルアーツも取り入れている。

「どうしたらベストな学びの場を作れるのか、毎日が試行錯誤の連続です。でも、ここでの経験を通じて自信を取り戻し、成長していくメンバーを見ると、『作ってよかった』と思える。ここで一番成長させてもらっているのは僕自身かもしれません」。

今年4月からは、高校生を対象にした「ギフテッド・ディー・スクール」も開校する。既存の学校制度にとらわれず、自由なスタイルで学びを深める教育スペースになる予定だ。

「テクノロジーの進化とともに、社会構造は大きく変化しています。国家や資本などの基幹システムすら揺らぐ時代が来るかもしれない。時代がどんなに変わっても、人々を多様なまま受け入れる社会の実現に尽くしていきたい。価値を共有する人々の拠り所となるコミュニティを作りたい。それが僕たちの使命だと思っています」

河崎純真(かわさき じゅん)

1991年生まれ。15歳でエンジニアとして働き始め、複数のITベンチャー設立、役員業務などを経験。米国のWeb 3D/VR(仮想現実)ベンチャーCOOをへて2016年、GIFTED AGENT創業。同年8月「ギフテッド・アカデミー」を開校。

日経マガジンFUTURECITY第3号から転載

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