東京をひらく教育 工学院大学附属中学校教頭 髙橋一也の挑戦

13歳からの志の育て方
Kazuya Takahashi
作成者: Time Out Tokyo Editors |
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in collaboration with 日経マガジンFUTURECITY

高い志を持ち、社会のために行動するグローバルリーダーの育成に励み、注目を集める若き教育者がいる。工学院大学附属中学校教頭、髙橋一也だ。教育界のノーベル賞と呼ばれる『Global Teacher Prize』で、8000人のうちトップ10に選出されたこともある高橋にとっての教育とは。

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勉強ができるだけのエリートでは、決して世界を変えられない

高橋は現在、主要科目を英語で学ぶ「ハイブリッドインターナショナルクラス」の英語の授業を担当している。「誤解を恐れずに言えば、僕はもう教師が生徒にすべてを教える必要はないと思っているんです。教師は、生徒たちが仲間と協力し合い、自ら学習に取り組みたくなる環境を用意するだけでいい」。その言葉どおり、彼の授業の主体はいつも生徒たちだ。取材当日は中学1、2年の混合クラスの生徒たちが数人のチームに分かれ、電子部品を使って作品を作り、iPadでプレゼンするという内容だった。発表は、もちろんすべて英語である。

「生徒にはお題を与えるだけで、映像の編集方法やプレゼンの台本の書き方は一切教えていません。教師が適切なテーマと問いの設定さえできれば、あとは彼らがチームとコミュニケーションしながら自ら学んでいく。ゼロから何かを作り上げるプロセスの繰り返しが、子供たちの学びにとってもっとも重要なことなんです」。

彼の生徒には今回のようなICT(情報通信技術)を使ったプレゼンが年間100回ほど課せられる。「ただし、ICTの導入と学力の向上は決してイコールではありません。それらをどのように使うのか、生徒が熱中できるテーマは何か。教師たちは常に生徒を観察し、自ら学び続ける必要があります」。「学校とは学習者の共同体である」。彼は尊敬するイギリスの教育学者ケン・ロビンソンの言葉を引用しながら、こう続けた。「勉強は自分のためにする行為ですが、学習は社会のために何ができるかを知る行為。そうやって得た学びを社会にいかし、世界をより良い方向へ導く志を育むこと。それがこれからのグローバル教育にもっとも必要な視点です。志を持ったリーダーたちは、やがて日本の未来をひらいていくでしょう。勉強ができるだけのエリートだけでは、決して世界を変えられない。子どもたちには、そのことを忘れないでいてほしいですね」

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髙橋一也(たかはし かずや)

1980年、秋田県生まれ。慶應義塾大学、同大学院卒業後、米国ジョージア大学大学院へ留学。全米優等生協会に選出され修了。帰国後は英語教諭となり、2015年より工学院大学附属中学校に勤務。著書に「世界で大活躍できる13歳からの学び」がある。

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日経マガジンFUTURECITY創刊号から転載

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