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ニューヨークのリアルを描いた青春映画『KIDS』がリバイバル上映

1990年代を代表する問題作がスクリーンに帰ってくる

Rikimaru Yamatsuka
テキスト
Rikimaru Yamatsuka
作家
KIDS
©1995 KIDS N.Y. LLLC. All rights reserved ©2018 Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.
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1990年代を代表する伝説的青春映画『KIDS/キッズ』が、2025年10月17日(金)から「新宿シネマカリテ」ほかにて全国でリバイバル上映される。

映画『タルサ』や『ティーンネイジ・ラスト』など、アメリカのユースカルチャーをとらえ続ける写真家、ラリー・クラークの監督デビュー作にして、脚本は当時若干19歳であったハーモニー・コリン、制作総指揮にガス・ヴァン・サント、撮影監督は『マイ・プライベート・アイダホ』の名カメラマン、エリック・エドワーズと、豪華メンバーが集結して制作された。

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©1995 KIDS N.Y. LLLC. All rights reserved ©2018 Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.『KIDS』場面写真

ニューヨークのティーンエイジャーの24時間を描き、セックスとドラッグとバイオレンスに溺れる若者たちの姿をドキュメンタリータッチでとらえた本作。観客の嫌悪と不快をかきたてるリアルな映像は、公開当時「これはフィクションか現実か?」と全米を巻き込む大論争にまで発展した。これはエドワーズのカメラワークがいかに鮮烈で生々しかったかを物語るエピソードといえよう。

キャストも、俳優ではなく監督がストリートで知り合ったスケーターキッズを起用しているほか、当時無名だったクロエ・セヴィニーやロザリオ・ドーソンを一躍フックアップした。音楽はダイナソーJr.のベーシストとして知られるルー・バーロウが手がけているほか、ダニエル・ジョンストンなども参加しており、ノイジーながらも詩情を感じる劇伴はきわめて秀逸だ。

KIDS
©1995 KIDS N.Y. LLLC. All rights reserved ©2018 Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.『KIDS』場面写真

多くのデザイナーやスタイリストに影響を与えたファッション映画としての側面もあり、当時スケーターブランドのセレクトショップであった「Supreme」が衣装協力している。

あらゆるセクションにインディペンデントの鬼才が揃い踏みした、ユースカルチャーを理解する上で避けては通れない重要作であり、堕落した不謹慎さに満ちたスキャンダラスなドラマは、公開から30年の時をへた今観るだに衝撃的だ。

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©1995 KIDS N.Y. LLLC. All rights reserved ©2018 Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.

また、公開を記念して、weberによるグッズの発売も決定。当時の空気感や雰囲気を再現したTシャツ4種が、劇場およびオンラインストアで販売される。

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劇場限定Tシャツ

ムビチケ(オンライン)の発売も開始。購入者特典として、メインビジュアルを使用したスマートフォン用のオリジナル壁紙がプレゼントされるのでチェックしてほしい。

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