アムステルダム、空港のバードストライク問題は「ブタ」で解決?

鳥を撃たずに追い払う方法を模索

Ed Cunningham
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Ed Cunningham
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世界の中でも自由奔放で独特な街の一つ、オランダのアムステルダムでは、最近、空港における「ある問題」を解決するため、ブタを活用していることが話題になっている。その問題とは、離陸する飛行機に鳥がぶつかる「バードストライク」だ。

アムステルダム・スキポール空港にガンなどの鳥が集まってくる主な理由は、滑走路周辺にある緑豊かなテンサイ畑。そこで、畑にブタを放して鳥たちを怖がらせ、寄り付かせないことで、飛行機との衝突リスクを低減しようという実験的プロジェクトが行われている。

鳥が飛行機に衝突したり、エンジンに吸い込まれたりすることは、鳥にとっても「不幸な」ことだが、飛行機(そして乗客の我々)にとっても、もちろん危険。ガチョウ、ハクチョウ、サギなどの大きな鳥は、飛行機のエンジンを停止させることもある。多くの人の記憶にあるのは、USエアウェイズ1549便の事故だろう。両エンジンが鳥に襲われ、パイロットのがニューヨークのハドソン川に飛行機を不時着せざるを得ない状況に陥った(この話はトム・ハンクス主演で映画化された)。

アムステルダム・スキポール空港は低地の埋め立て地に位置し、周辺は自然保護区に囲まれている。パンデミック以前は毎年500件件以上のバードストライクが発生。オランダの航空当局は長年にわたり、この地域からガンを遠ざけるために、群れを追跡し、レーザーや騒音技術を使って被害を防ぐ「バードコントローラー」と呼ばれる人たちを採用してきた。

今のところ、ガンの被害を減らす最も効率的な方法は、単純に撃つこと。しかし、ブタの導入で、今後はより倫理的で、人道的に対応できるようになることが期待されている。ブタを使った予備実験は2021年11月の第1週に終了済み。今後数カ月間でデータを分析して、プロジェクトの効果と長期的な実行可能性を判断する予定だ。

近い将来、アムステルダム・スキポール空港を使う場合は、ブヒブヒ言ったり、キーキーと鳴いたりする「友だち」を探してはどうだろうか。

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