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Photo: Felix Mooneeram(Unsplash)

「映画館を不平等に扱うな」、日本映画製作者連盟が再開を要望

万全の感染症対策前提、6月1日からの営業再開求める

作成者: Time Out editors
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日本映画製作者連盟2021年5月24日、「「映画館」再開の要望について」と題する声明文を発表した。3度目の緊急事態宣言、多くの映画館は休業せざるを得ず、5月にはアップリンク渋谷が閉館するなど経済的に苦境が極まりつつある。こうした状況に加えて最近の緊急事態宣言の延長の可能性の報道を受けて、同連盟は以下を「強い危機感を持って要望する」とした。

1. 映画館はクラスターが発生していないことも踏まえ、感染症対策に万全を期すことを前提に6月1日からの営業再開を認めること。

2. 感染状況に応じて、映画館の利用にやむを得ず制限をかける場合には、政府の基本的対処方針に沿った扱いをし、映画館を不平等に取り扱うことのないように各自治体に求める。

同連盟は、上記の要望の根拠として以下を挙げている。 

・5月12日以降の緊急事態宣言期間延長後は、特措法施行令の対象施設として一定の制約条件の下に営業再開が認められたが、東京都、大阪府などの一部自治体において、より強い措置の継続が必要との理由から、映画館は引き続き休業要請の対象とされた。一方で、東京都が国の方針と異なる施設区分を適用して休業要請を継続した根拠について合理的な説明がなかった。

・映画館におけるクラスター発生のエビデンスはなく、「人流の抑制」という観点からも、他の集客施設やイベントなどと比較して特段その効果が異なるとは考えられず、「なぜ映画館だけが」と、今回の措置に対する平等性への疑問が生じている。

・映画産業は「興行」「配給」「製作」が三位一体で構成されており、映画館は、製作者にとって作品発表の場であるだけでなく、投資資金回収のための場でもある。長期間の休業は、映画館を運営する事業者だけでなく、作品配給や映画製作の事業者、クリエーターにとっても死活問題。

・東京都と大阪府だけでも、全国の映画館市場のシェアの35%程度を占有する最大のマーケットであり、そこでの上映ができないことは相応の収入減を意味する。配給会社が公開延期する場合も、既に使用した宣伝経費などの損失が生じることになる。このような状況が長く続けば作品製作自体の延期や中止も想定され、製作会社のみならず、フリーランスのスタッフなど多くの関係者に影響を及ぼす。

・今回の休業要請に関して、規模に応じた協力金を拡充して支給されるが、本来得られたであろう収入と比べれば、比較にならないほど少ない。特に、映画業界の中でも製作現場には十分な支援があるとはいえない。

とりわけ、協力金の金額に関しては私たちも共有しておきたい問題だ。NHKの報道では、4月25日〜5月31日の全期間応じた場合、映画館の1000平方メートル当たり1日20万円に加え、1スクリーンごとに1日2万円を支給。参考までに経済産業省大臣官房調査統計グループによる「特定サービス産業実態調査報告書」を見ると、2018年の1事業所当たり映画館業務の年間売上高は、シネマコンプレックスではない単独館などでさえ9,406万円にもなる。1000平方メートルでスクリーンが5あると仮定した場合でも協力金の合計は1,110万円なので、9分の1強にしか届かない。

SankeiBizによると、政府は5月25日、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の打ち手を確保するため、医療機関が1日50回以上の接種を行う体制を7月末までに4週間以上組むと、医師に1時間7,550円を支払うと発表した。

リスクの有無と金額のバランスを取るのは難しいが、金額だけを見れば、医療従事者などに比べて映画館など「文化」に関する施設に支払われる金額はあまりに過少といえるだろう。今一度、映画館を含め、生活における文化の役割を考えてみる時期なのかもしれない。

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