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2027年夏、作家の90歳を記念

ロンドンでは、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)のインタラクティブなイベントがいくつ開催されれても飽きられることはない(冗談ではなく、本気でそう思っている)。そのことを示すかのように、「テート モダン」が、2027年夏に「タービン ホール」を、ホックニーにささげる巨大で没入型の空間へと変貌させる予定だ。
この展示はテートの2027年プログラムの一環として企画されており、ホックニーの90歳の誕生日を記念して、同年秋に「テート ブリテン」で予定されているキャリアを網羅した回顧展に先立って開催される。
この大規模な没入型展示は、2023年にキングス・クロスの「ライトルーム」で開催されたホックニー展「Bigger & Closer」に続くものだが、同展がロサンゼルスやヨークシャー、ノルマンディーを描いたペインティング作品やiPadドローイングに新たな息吹を与えたのに対し、今回はアーティストのキャリアの中でも、舞台美術に関わった時期に焦点を当てる内容になるという。
1975年、ロンドンに暮らしていたホックニーは、ヨーロッパやアメリカの名だたるオペラハウスで上演される作品の舞台美術を手がけ始めた。この芸術形式の熱心な愛好家でもある彼は、「ロイヤル オペラ ハウス」から「グラインドボーン音楽祭」、そしてニューヨーク「メトロポリタン歌劇場」まで、名だたる舞台とに仕事を一通り経験している。
その活動はおよそ17年にわたり、11の舞台美術を担った。例えば、「ロイヤルコート劇場」で上演したアルフレッド・ジャリ(Alfred Jarry)の『ユビュ王』や、リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss)の『影のない女』(当初はロサンゼルスでの上演のためにデザインされたが、1992年の初演はロンドンの「ロイヤル オペラ ハウス」)といった作品が挙げられる。
特に、後者の舞台美術は、彼の多才さと尽きることのない創造力(そもそも疑う余地はほとんどないのだが)を改めて示すかのように、明確なポップアート的感性をもってデザインされている。
ホックニーのキャリアの中でもあまり掘り下げられてこなかったこの時期に光を当てるべく、タービン ホールは壮大で没入感あふれるオペラ体験の場へと変貌し、これらの舞台美術が象徴的な空間の壁面に投影される。テートによれば、来場者に「音楽とアートが動きの中で交差する、スリリングな体験」が楽しめるという。
一方、2027年10月にスタートするテート ブリテンでの展覧会では200点以上の作品が展示され、ブラッドフォード生まれのこの天才の「スウィンギング・シックスティーズ」から近年の作品に至るまで、70年に及ぶキャリアの全体像をたどる。テートは「本展では、ホックニーの視覚的な物語表現において、家族や友人、恋人が果たしてきた役割に焦点を当てるとともに、親密さや人と人とのつながりがいかに彼の芸術を形作っているかを探っています」と説明している。
ホックニーはかつて、17年にわたるオペラの仕事に取り組んだ理由について、こう語った。「何か『見て楽しめるもの』が欲しかったから、オペラの舞台美術を手がけたいと思ったんだ」。2027年には、テートのおかげで、私たちも同じような体験ができることになりそうだ。
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