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ドイツ・バーデン=バーデンのような療養地とアートが融合する場へ

草津、有馬と並び、「日本三名泉」の一つに数えられる岐阜の「下呂温泉」。この地を舞台に、2026年9月11日(金)から11月8日(日)まで、国際芸術祭「下呂 Art Discovery」の第1回目が開催される。
年間190万人もの宿泊客が訪れ、海外からの旅行客も多い下呂市だが、これまで観光資源の中心は温泉や自然であり、文化の側面では他の観光地に一歩譲る部分があったという。今回の芸術祭では、そこにアートという新たな視点を加え、地域全体に新たな魅力の根を張ることを目指すものだ。
会場となるのは、200以上の滝が点在する自然豊かな小坂、
総合ディレクターを務めるのは、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」といった数々の芸術祭のディレクションを行ってきた北川フラム。彼は「岐阜は水がきれいなので食も文化も非常に強力ですが、アピールが控えめな印象があります。芸術祭を通じて、この地の面白さ面白さを伝えていきたいです」と期待を寄せた。
ビジュアルデザインを担当したのは、2023年と2025年の「EASTEAST_TOKYO」や、2024年の「横浜トリエンナーレ」など、注目のアートイベントのデザインを手がけてきたグラフィックデザイナーの岡﨑真理子だ。今回のデザインについて「写真家の川谷光平さんの写真とグラフィックを融合させ、下呂の川の水面や空気感を五感で捉えたビジュアルを制作しました」と語り、夢の中にいるような旅の雰囲気を盛り上げる。
2026年1月時点で20組のアーティストの参加が決定している。注目は、2025年の瀬戸内国際芸術祭で島の外来種を食材として提供した『エイリアンフード 島の外来種』で話題を呼んだ、EAT & ART TARO。萩原エリアに位置する「南飛騨健康増進センター」を舞台に、食を通して健康とは何かを問い直すプロジェクトを構想中だ。
また、リトアニアの巨匠、スタシス・エイドリゲヴィチウス(Stasys Eidrigevičius)は、地元に伝わるヘビの伝説を参照した象徴的な彫刻作品を神社に展開する。さらに下呂温泉街では、台湾出身のトゥ・ウェイチェン(涂維政)が、2つの顔と4本の手がある神様「両面宿儺(りょうめんすくな)」の伝説を発掘された遺跡に見立てて再現するなど、地域に伝わる物語が作品となる展示が楽しめる。
また、小坂では、2012年に廃校となった「旧湯屋小学校」を舞台にした公募プロジェクト「みんなの学校」も見逃せない。学校にまつわるあらゆる事象をテーマにした作品が展示され、来場者は多彩なアイデアに触れられる。
最終的に11の国と地域から40〜50組のアーティストが参加予定する大規模な芸術祭となるが、移動の心配は無用。期間中は、会場間を周遊バスが運行する予定だ。都内から新幹線で約3時間半というアクセスの良さも魅力だが、せっかくなら下呂の湯に浸かり、1泊2日でゆっくり巡るのがいいだろう。前売りチケットは、2026年5月以降順次販売が開始される。
ドイツ・バーデン=バーデンのように、温泉地とアートの融合を目指す日本初の試み。アートと温泉で心を解放する一味違った体験を味わってみては。
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