正月・冬休みに観たいコメディー映画7選
イラスト:Lee Yuni | 正月・冬休みに観たいコメディー映画7選
イラスト:Lee Yuni

正月・冬休みに観たいコメディー映画7選

バカを真剣にやると、映画はここまで面白くなる

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もういくつ寝ると年の瀬である。我々の一年が終わろうとしているのである。

「2025年、マジ秒だったわー」とかいってヘラヘラしながら、内心では何事も成せなかったことを悔やんでいる今日この頃だと思うが、そんな苦慮の念に襲われたときは「2026年はガンバルモ~ン」と切り替えて、年末年始特有のめでたいムードを楽しもう。

ここでは、そんな冬休みにぴったりなコメディー映画を7本選出した。すっかり緩みきった頭で、友達・家族・おひとりさまで、とことん「おバカ」な映画を観てゲラゲラ笑って、景気よく2026年の幕開けだ。

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『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008年)

戦争映画を撮影していた超自己中のスター俳優たちが、本物の戦場に迷い込んでしまうアクションコメディー。

コメディー映画には旬というものがあり、「当時の観客は爆笑だったんだろうけど、今観るとクスッと笑えるぐらいだよなー」みたいなことになりがちだが、本作の殺傷力は公開から20年近くたつ今も全く衰えていない。

監督・脚本・原案・製作・主演を務めたベン・スティラー(天才)が、「現在では製作不可」と語っている通り、相当エッジのきいたコメディーで、不謹慎な悪ノリギャグがテンコ盛り。しかしながら露悪的ではなく、皮肉満載の批評的な笑いになっているあたりもレベルが高い。

トム・クルーズを筆頭に、ハリウッドの名だたるスターが本気でふざけ倒し、1億5,000万ドルの製作費を使ってやりたい放題している。究極の娯楽映画の一つといっていいだろう。

友達とワイワイ観る向け。日本語吹替もおすすめ。

『ジム・キャリーはMr.ダマー』(1994年)

前述した通り、笑えるユーモアとは時代とともに変わっていくものだが、ジム・キャリーの輝きは何十年たっても古びない。楽しく痛快な娯楽作『マスク』や、ドラマも魅力な『トゥルーマン・ショー』など名作は多数ある。

その中でもギャグの比率が高く、かつかなり尖った笑いが満載なのが本作だ。超アホな2人組が美女の忘れたスーツケースを届けに旅に出るというロードムービーで、とにかく徹頭徹尾バカ。全編を笑いに振り切ったジムの存在感が神がかっており、画面に映っているだけで笑える域に達している。

もはや笑いのカツアゲ。ふざけまくりながらもラストはなかなか粋で、「なんやかんやいい映画観た感」がある。後に『グリーンブック』でアカデミー作品賞・脚本賞を獲ったファレリー兄弟のデビュー作だが、その手腕はすでにさえ渡っている。

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『26世紀青年』(2006年)

軍人と娼婦がコールドスリープの人体実験に選ばれ、2505年に目覚めると、人類が全員超アホになっていたというディストピアSFコメディーの超傑作。かなり笑えるが、根底には高い批評性が宿っており、今観るとゾクッとさせられる。

高IQ層が子作りを控える一方で、低IQ層が繁栄しまくり続けた結果、人類の平均知能が著しく下がった未来社会――という設定からして結構ヒドい。

ケツとオナラが90分映るだけの映画がオスカーを総ナメし、「電解質が入っている」という理由で農作物に「ゲータレード」を散布し、スラムの真ん中に要塞(ようさい)のような「コストコ」が建ち、元プロレスラーの大統領が「ニキビと車酔いの根絶」を政策に掲げるなど、作中で描かれる人類のバカっぷりはもはやホラーの域だ。

下ネタ満載、友人と鑑賞するのを推奨する。

『岸和田少年愚連隊』(1996年)

1970年代の大阪の不良を描いた、ナインティナイン主演の青春映画。しかも矢部浩之が主演で岡村隆史は準主演という感じなのだが、意外にも矢部がいい。完全に矢部でしかないのに、不思議とうまくハマっている。

ほかにも、ブラックマヨネーズの吉田敬や野生爆弾など吉本芸人が多数登場するが、バラエティーノリのテレビ映画ではなく、青春映画としてとてもよくできている。

恋とけんかと違法行為に明け暮れる不良学生のかったるい日常感をうまくとらえており、不良の感じが絶妙にリアル。監督の井筒和幸は現場でのアドリブをどんどん採用していたらしく、全員の演技が超イキイキしている。

「ファミレスでヤンキーの会話を盗み聞きしてたら面白かった」みたいな、そういう笑いがテンコ盛り。実は選曲が素晴らしく、T・レックスの『ゲット・イット・オン』が流れるオープニングはブチ上がるし、寺内タケシや黛ジュンを取り上げているのも渋い。

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『暴走!ターボ・バスターズ』(2010年)

セス・ローゲン一派への、オランダからの回答。

仲良しのおバカ5人組が金欠を理由に「オレたちはもう一切カネを払わない!」と反体制精神を掲げ、支払いを踏み倒して万引に明け暮れていたらなぜか国民的英雄に祭り上げられるというストーリーからして、既に最高だ。

アホなヤンキーと汚いギャルが暴れ散らかし、下ネタとドラッグ描写と不謹慎ギャグが全編にわたって吹き荒れる、完全にどうかしている映画。こんなので笑ったら人格を疑われるんじゃないかレベルの笑いが満載なので、家族や友人と観る際は要注意である。

オランダの人気テレビシリーズ『New Kids』の劇場版らしく、同国では初日観客動員数歴代トップを記録した国民的作品だそう。続編の『暴走!ニトロ・バスターズ』や、同じ制作陣による『破壊のスタントマン』も推したい。

『ビッグ・リボウスキ』(1998年)

1990年代初頭のロサンゼルスを舞台に、マリファナばっか吸ってるヒッピー崩れの中年無職・デュードが、人違いで借金取りにボコられたことをきっかけに怪事件に巻き込まれ、さらにベトナム帰りの友人・ウォルターが事態をどんどんややこしくしていく。

コーエン兄弟の超傑作にして、カルト的人気を誇るシュールなオフビートコメディーだが、相当変な映画である。

デュードのトホホ感とウォルターのブチギレ具合、予測不可能な超展開っぷりには「ええええ~?」と笑ってしまうこと請け合いだ。『チェンソーマン』の藤本タツキも影響を受けたと語っているが、納得。これぞストーナー&サイケデリック。レッチリのフリーが超アホな役で出ていて、それも最高!

字幕もいいが、本作の吹き替え版は相当楽しいのでおすすめ。声優・玄田哲章の最も素晴らしい仕事の一つではないか。

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『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』(2013年)

ハリウッドスターがホームパーティーで調子に乗っていたら、突如として世界の終わりが訪れるという話。2000年代後半から10年代前半にかけて、「ドラッグ・下ネタ・男の友情」の3本柱を掲げたコメディー作で一世を風靡(ふうび)したセス・ローゲン一派の傑作である。

ユルユルな日常系コメディーかと思いきやスペクタクル要素が満載で、アクションありパニックホラーありサスペンスありの、かなりド派手なスーパー娯楽映画だ。 エマ・ワトソンやリアーナ、チャニング・テイタムなど大スターがめじろ押しのキャストは華やかだし、超絶くだらないラストはまさに年末年始にピッタリでめでたさ。

気の置けない友人と、それも可能な限り複数人で鑑賞してほしい。同じくセス一派が制作した、クリスマスのらんちき騒ぎを描く『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』もおすすめ。

イラスト

Lee Yuni(李 潤希)

大学在学中から、イラストレーションやグラフィックデザイン、写真、映像制作など、音楽関係のアートワークを手がける。近年では映画の宣伝美術デザイン、映像制作などアートディレクターとして活動する傍ら、イラストや漫画を制作している。

公式ウェブサイト

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また、アカデミー賞を受賞したものも少なくない。中には古典的なフェミニズム映画もある。多くの作品には賛否両論がつきまとうが、これらは全て映画史に置いて欠かせない作品だ。

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クリスマスなんて嫌いだ。キラキラと輝くイルミネーションの「光」。その影で「闇」に身を潜め、独りポツリとつぶやいた。

今回、クリスマスが苦手な私が映画を選定した。それは、欧米ほどクリスマスが重要視されていない日本において、「闇」の側面からクリスマスという「光」にスポットを当てることによって、日本のクリスマスに新たな発見を得ようという試みでもある。

新たな発見とともに送る珠玉の10本を、今宵あなたへ。

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