荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ
Photo: Santiago Felipe Courtesy of the artist and David Zwirner, New York荒川医《ネメシス・ペインティング(猫なで声のパフォーマンス!)》 2022年 デビッド・ズワーナー、ニューヨーク
Photo: Santiago Felipe Courtesy of the artist and David Zwirner, New York

東京、10月に行くべきアート展5選

写真家のアレック・ソスの個展から、パフォーマンスアーティストの荒川ナッシュ医やSHIMURAbrosまで

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芸術の秋を充実させるべく、2024年10月に東京で行くべきアート展覧会を厳選して紹介しよう。「ザ・コンランショップ」の生みの親であり、デザインブームの火付け役にもなったテレンス・コンラン展のほか、「東京都写真美術館」では、アメリカの写真家であるアレック・ソスの展覧会が開催。「国立新美術館」開館以来初となるパフォーマンスアーティストの個展「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」など見逃せないアート展をセレクトした。お気に入りの作品を見つけに行こう。

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「横浜市民ギャラリーあざみ野」で、ドイツと日本を拠点に活動するアーティストユニット、SHIMURAbrosの個展が開催。現代的かつ挑戦的な内容を発信するため、さまざまなジャンルのアーティストに目を向けた展示「あざみ野コンテンポラリー」のシリーズだ。

ユカとケンタロウによる横浜出身の姉弟ユニット、SHIMURAbrosの創作の源泉は「映画」で、映画表現の本質である「光」を表現し、それを物質に変換することを試みている。本展では、活動初期の映画作品や、鑑賞者の移動によって映像的に変化してゆく光学ガラスによる彫刻シリーズ、2024年の最新作など、「光」を扱う実験的作品を一挙に紹介する。


会期中は、アーティストトークやゲストを招いた上映会など、関連イベントも開催を予定している。映画の歴史とそのメカニズムを踏まえ、人間の知覚の在り方を探求し続ける彼らの作品世界を楽しんでほしい。

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  • 恵比寿

「東京都写真美術館」で、世界的に高い評価を受けてきたアメリカの写真家、アレック・ソス(Alec Soth)の展覧会「部屋についての部屋(A Room of Rooms)」が開催。初期の代表作から、今秋刊行予定の世界初公開となる最新作までを一挙公開し、ソスの30年に及ぶ表現活動の魅力に迫る。

ソスは、国際的な写真家集団「マグナム・フォト」の正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした、物語を紡ぎ出す写真作品で知られている。本展では、「部屋とそこに暮らす人」をテーマに、世界各地で訪ねた人々の部屋の中で撮影したポートレートと、個人的な持ち物を写し出す。

「ポートレートや風景、静物などを定期的に撮影しているが、最も親しみを感じるのは室内の写真だ」とソスが述べるように、個々の空間で被写体から醸し出される親密さは大きな魅力となっている。

2024年10月12日(土)には、ソス本人が来日し、本展とこれまでの活動について語るアーティストトークが開催。定員は190人で、参加費は無料だ。また、2025年1月2日(木)・3日(金)は展示の入場が無料となっている。

貴重な機会を見逃さないように。

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  • 丸の内

「東京ステーションギャラリー」で、イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったサー・テレンス・コンラン(Sir Terence Conran、1931〜2020年)を特集する。「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」をモットーに、デザインが暮らしを豊かにすると信じ、デザインによる変革に突き進んだコンランの人物像に迫る日本初の展覧会だ。

1970年代から展開した「ザ・コンランショップ」におけるセレクトショップの概念で、世界のデザイン市場を激変させたコンラン。このほか、家具のデザインやロンドンの倉庫街を一新させた都市の再開発、さらにはレストラン事業を手がけ、「モダン・ブリティッシュ」という料理スタイルをイギリスに定着させた。また、1989年には世界初の「デザイン・ミュージアム」の開館を実現させている。

会場では、パターン・デザインした食器やテキスタイル、家具デザインのための模型、ショップやレストランのためのアイテム、愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品と資料が一堂に集まる。コンランファンは絶対に訪れてほしい。

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  • 横須賀

猿島と横須賀市街地で、「SENSE ISLAND/LAND |感覚の島と感覚の地」が2年ぶりにリニューアル開催。2019年に猿島でスタートした夜間芸術祭が大幅にエリアを広げ、夜間だけでなく日中も楽しめるようになった。

「横須賀のまちと無人島猿島を舞台にした感覚/地層/アート」をテーマとした本芸術祭は、さまざまな歴史・文化・産業が集積する横須賀の「地層」に目を向け、アートによる時間と大地の可視化・文脈化を試みる。初開催から引き続き、総合プロデュースを齋藤精一が務め、今回はゲストキュレーターとして青木彬も参加。

各会場では、国内外13組のアーティストによる作品展示と、5組のパフォーマンスアーティストによる多様なパフォーマンスイベントが行われる。

会期中のイベントチケットは9月中旬以降に販売開始で、市街地会場でのアート作品の鑑賞は無料だ。点在するアート作品を通じて、日常とは異なる特別な横須賀を感じてほしい。

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  • 乃木坂

「国立新美術館」で、パフォーマンスアーティストの荒川ナッシュ医(あらかわなっしゅ・えい)を特集する展覧会が開催。荒川との共同作業によってさまざまなアーティストが描いた絵画や、展示空間にコンセプチュアルかつ祝祭的なパフォーマンスを組み入れて表現した作品などを紹介する。

1977年に福島県で生まれた荒川は、1998年からニューヨーク、2019年からはロサンゼルスを拠点にし、国際的に活動する。同美術館において、開館以来初となるパフォーマンスアーティストの個展である本展では、荒川とその協働者によるライブパフォーマンスが定期的に行われる。

また、公募で集まった65歳以上の参加者が出演する、同館で撮影された新作映像にも注目だ。振付家・舞踊家のピナ・バウシュ(Pina Bausch)が65歳以上の参加者と作り上げた作品『65歳以上の男女によるコンタクトホーフ』から想起されている。さらに、「国立新美術館に来る観客と出会いたい」と言う荒川は、「短くも親密な」展覧会ツアーも会期中に行う。

観客の前で生成中に成長する、荒川のユーモラスなパフォーマンスアートの世界へ足を運んでみてほしい。

もっと芸術の秋を楽しむなら・・・

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約15年間にわたりメキシコで画家・教育者として活躍した北川民次の生誕130年を記念する展覧会「北川民次展―メキシコから日本へ」が、2024年11月17日(日)まで世田谷美術館」で開催されている。

北川の回顧展は、1996年の「愛知県美術館」での開催以来、28年ぶり。これまで開催されなかった背景には、長く続いたヨーロッパ中心主義の影響で、日本国内の画家が広く紹介される機会が限られていたことがある。しかし、今回の展覧会は、ヨーロッパ以外の美術にも関心が高まってきた時代の流れを反映し、これまで見過ごされてきた空白を埋める重要なものだ。

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バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰―ガンダーラから日本へ―」展が、日本橋の「三井記念美術館」で2024年11月12日(火)まで開催されている。

バーミヤン遺跡の壁画に焦点を当てた本展では、壁画に描かれている太陽神と弥勒の世界に迫ることで、特に弥勒信仰の地理的な広がりをたどる。

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六本木の「森美術館」で、国内27年ぶり、2回目となる最大規模の個展「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が2025年1月19日(日)まで開催されている。

六本木ヒルズ」を象徴するように配置された、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois、1911〜2010年)のパブリックアート『ママン』 。クモの形を模したこの彫刻を知っている人は多いと思うが、その作家であるブルジョワについて国内ではあまり知られていない。

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