北アルプス芸術祭
目 『信濃大町実景舎』(Photo: Tsuyoshi Hongo)

2021年、見逃せない芸術祭4選

奥能登、紀南、北アルプスなど、4月以降に訪れるべきアートフェス

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2021年も全国各地の風土に根ざした多くの芸術祭が開催予定だ。本記事では、川俣正や宮永愛子らが参加してコロナ禍からの再スタートを図る北アルプス国際芸術祭 2020 - 2021』家の蔵に眠った「地域の宝」を市内から集める『大蔵ざらえ』などを実施する『奥能登国際芸術祭2020+』など4つを紹介する。

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北川フラムを総合ディレクターに迎えた『奥能登国際芸術祭2020+』が開催。これは、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた『奥能登国際芸術祭2020』を再出発させたものだ。

石川直樹や青木野枝、カールステン・ニコライなど現時点で16の国と地域から47組のアーティストが参加予定で、地域住民や民俗学などの専門家、アーティストが協働して、家の蔵に眠った「地域の宝」を使い手の記憶や思い出とともに市内から集める『大蔵ざらえ』プロジェクトなどを展開する。

コロナ禍からの再起の意味も込められた芸術祭なので、ぜひ訪れてみては。

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響で開催を延期していた『北アルプス国際芸術祭2020』が、『北アルプス国際芸術祭 2020 - 2021』と改称して、2021年8月21日(土)に開幕することが決定した。会期は10月10日(日)まで。

コロナ禍の中でもこれまで積み上げてきた人々とのつながりをさらに発展させ、来年に向けて新たなスタートを切るという思いを込めて、名称を変更したという。

第2回となる今回は、淺井裕介、リー・ホンボ(李洪波)、川俣正、マナル・アルドワイヤン、宮永愛子、シルパ・グプタ、持田敦子、マームとジプシー×ミナ ペルホネンなど14の国と地域から41組が参加予定だ。

なお、現在は北川が総合ディレクターを務める5つの芸術祭に参加するアーティストの「いま」の声を紹介するInstagramプロジェクト、『Artists’ Breath』も更新中。本芸術祭に参加するアーティストも登場している。

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和歌山県紀南地域でアートウィークが開催。アーティスティックディレクターには、コレクターとして著名な宮津大輔を迎えて、紀南地域のさまざまな場所や施設を舞台に現代アート作品の展⽰を⾏う。また、アートのみならず紀南の文化と⾵俗に関するシンポジウムや、博物館などと共同ワークショップも予定している。

コンセプトは「籠もる牟婁(むろ) ひらく紀南(きなん)」。紀南地域が所在する牟婁郡の「牟婁」には「籠(こ)もる」「神々の室」という由来があり、豊かな⼭林資源の中にこもり、熊野古道など内⾯的な世界を探求することに歴史的に秀でてきたという特徴がある。一方で、本州最南端の半島でもあり、かつて⿊潮ともに移⺠⽂化を醸成するなど「開放性」をも特⾊としている。

このコンセプトには、そうした歴史的、⽂化的資産を現代によみがえらせたいという思いとともに、あえて「篭もる」ことを許容し、この地域特有の歴史と文化を深く見直すことで、グローバルな世界と接合を試みたいという展望も込められている。

白浜、田辺エリアの複数会場で開催されているので公式ウェブサイトを確認してほしい

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2021年も全国各地の風土に根ざした多くの芸術祭が開催予定だ。本記事では、川俣正や宮永愛子らが参加してコロナ禍からの再スタートを図る北アルプス国際芸術祭 2020 - 2021』家の蔵に眠った「地域の宝」を市内から集める『大蔵ざらえ』などを実施する『奥能登国際芸術祭2020+』など4つを紹介する。

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2021年6月1日(火)、東京国立博物館を会場とした『国宝 鳥獣戯画のすべて』展が再開する。同展は緊急事態宣言の影響で休館中となっていた。会期は延長され、6月20日(日)まで、開館時間は8時30分〜20時(入館は閉館の30分前まで)。チケットは事前予約制で、詳細は公式ウェブサイトを参照してほしい。

『鳥獣戯画』は京都府の高山寺が所蔵する『甲巻』『乙巻』『丙巻』『丁巻』の全4巻から成る絵巻物で、制作時期は平安時代〜鎌倉時代とされる。動物や人物を異なる作風で描いた紙葉を貼り継いで絵巻にしており、複数の作者が描いていると考えられている。

鳥獣戯画
『国宝 鳥獣戯画のすべて』会場、東京国立博物館平成館(Photo: Kisa Toyoshima)

展示は3章構成で、第1章ではこの絵巻を全巻展示、4巻の絵巻物をそれぞれ最初から最後まで通して公開されるのは史上初だ。ここでの見どころは、この絵巻で最も有名な『甲巻』だろう。同巻は「動く歩道」に乗って鑑賞することになっており、来場者は全員が間近に作品の細部を堪能できる。線描や紙の質などの違いから異なる作者に帰されており、そうした細部の違いに注意してみると面白いだろう。

鳥獣戯画
動く歩道(Photo: Kisa Toyoshima)

『甲巻』以外の3巻でも、線描の違いなどに見どころが丁寧に説明されている。『乙巻』では前半の実在の動物が躍動感あふれる線描であるのに対し、後半の架空の動物は線の肥痩(ひそう)が小さく、手本を参考にしたのではないかという。

鳥獣戯画
『鳥獣戯画 乙巻』部分(獅子)、平安時代 12世紀 京都 高山寺蔵(Photo: Kisa Toyoshima)

 『丙巻』は鎌倉期の作例とも言われる一方で、前半の人物を描く場面では、人物などの薄い墨線が当初のオリジナルの墨線の上を後代の筆で濃い線がなぞっている。オリジナルの線をもとに判断すれば、この巻が平安時代のほかの作例と共通性を持ち、平安時代にまで制作年をさかのぼらせることもできることが指摘されている。 

鳥獣戯画
『鳥獣戯画 丙巻』部分(双六)、平安〜鎌倉時代 12〜13世紀 京都 高山寺蔵(Photo: Kisa Toyoshima)

『丁巻』は躍動感あふれる線の運びが見どころだ。一見粗放とも思わせる描写だが、振り返る貴人の表情は鎌倉期の似絵(にせえ)をほうふつさせ、描写のコントラストも楽しめる点も面白い。 

鳥獣戯画
『鳥獣戯画 丁巻』部分(振り返る貴人)、鎌倉時代 13世紀 京都 高山寺蔵(Photo: Kisa Toyoshima)

第2章は、前半は現在の絵巻物から分割されたミホミュージアム(MIHO MUSEUM)所蔵の断簡や狩野探幽の『探幽縮図』などを展示。錯簡の多い『鳥獣戯画』の当初の姿や、どのように現在まで伝世してきたかを考えさせる興味深い試みだ。

鳥獣戯画
鳥獣戯画断簡(MIHO MUSEUM本) 平安時代 12世紀 滋賀 MIHO MUSEUM蔵(Photo: Kisa Toyoshima)
鳥獣戯画
『明恵上人坐像』 鎌倉時代 13世紀 京都 高山寺蔵

第3章では、『鳥獣戯画』を所蔵する高山寺と、高山寺を再興した僧、明恵上人など絵巻を取り巻く背景に着目した構成となっている。重要文化財の『明恵上人坐像』は寺外での公開は28年ぶりとなる。NHKの報道によると、今回の展示に先立っての調査で像内に巻物が納入されていることが判明したという。像内の納入物は珍しいことではないが、像の制作年や作者など制作の背景の手がかりとなると思われる。

鳥獣戯画
龍子(たつのこ) 京都 高山寺蔵

ほかにも現存最古のタツノオトシゴの標本などが展示されており、明恵上人が天竺(てんじく)をしのぶ品々の一つとして所有していたと考えられている。包みには「小龍」と書かれており、当時の日本人が異国をどのように想像していたかを考えるのも楽しい。さらに、ミュージアムショップではすみっコぐらしやミッフィーとコラボレーションしたグッズも販売されており、作品ともども見逃せない。

『国宝 鳥獣戯画のすべて』展の詳細はこちら

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無料で美術館やギャラリーが東京には一定数ある。今回セレクトするのは、質の高い国内外の作家を紹介する資生堂ギャラリーや明治期洋画の重鎮、黒田清輝の作品を展示する黒田記念館から、目黒寄生虫館やおりがみ会館といった変わり種まで16館だ。

会館時間が変更されている場合もあるので、事前に公式ウェブサイトを確認してから訪れてほしい。

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無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

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2021年4月6日(火)〜6月13日(日)、スイスを拠点に活躍する現代アーティスト、ピピロッティ・リストの展覧会『ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-』が京都国立近代美術館で開催される。

 

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