サンシャイン水族館
サンシャイン水族館

営業再開のサンシャイン水族館でゾウギンザメの赤ちゃんが一般公開

日本で初となる孵化、まるでミニチュアのような幼魚

テキスト:
Hisato Hayashi
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2020年6月8日から営業を再開した池袋のサンシャイン水族館では、現在ゾウギンザメの幼魚が一般公開されている。同館では2019年3月からゾウギンザメの飼育展示を開始し、2020年1月27日には日本初となる孵化を確認していた。その後2月21日までに5体孵化。

ゾウ? サメ? 優雅に羽ばたくような遊泳

産卵中のゾウギンザメ
産卵中のゾウギンザメ

ゾウギンザメは英名をGhost shark(Elephant shark、Elephant fishの表記もあり)、学名をCallorhinchus miliiとし、「軟骨魚綱 ギンザメ目 ゾウギンザメ科」に分類される。大西洋南西部(南オーストラリアやニュージーランド)に生息し、日本近海では見られないため、日本での飼育はサンシャイン水族館を含めて2館のみとなっている。

小さな幼魚たち
小さな幼魚たち

ゾウの長い鼻のように見えるとがった口先(吻端、ふんたん)は、ロレンチーニ器官と呼ばれる器官を備え、生物が発する微粒な電流を通じて餌となる海底の甲殻類や貝類を探すのに適している。成魚になると、大きな胸びれをパタパタと上下に動かし、まるで羽ばたくような仕草で優雅に水中を泳ぐようになる。一方幼魚の場合は優雅とは程遠く一生懸命に泳いでいるのだそう。

泳ぎの様子はこちら

館長の丸山克志は、幼魚の誕生について「とにかく嬉しいの一言に尽きます! 親とそっくりな姿で、まるでミニチュアが泳いでいるようです」と喜びを述べている。 

進化が遅く意外と長生きの謎が多い生物 

ゾウギンザメの成魚
ゾウギンザメの成魚

2014年のワシントン大学医学部の研究結果では、ゾウギンザメのゲノムの進化速度が脊椎動物のなかでも極めて遅いことが判明した。これは古代魚で有名なシーラカンスよりも進化速度が遅く、その骨の形成過程は今後、人間の骨粗しょう症の治療にも研究の余地があるとされている。また、原始的な防御機構のため、免疫細胞がほとんど存在しないにもかかわらず長寿(15年程度、飼育下における推定)であることなど、まだまだ謎の多い生物だ。

ゾウギンザメの卵
ゾウギンザメの卵

サンシャイン水族館では、現在パフォーマンスや有料イベントを休止し、マスクの着用を義務付けて入場制限を設けながら開館している。ジメジメと暑いこの時期、涼しい水族館で不思議な生物の赤ちゃんに出会うのはいかがだろうか。

サンシャイン水族館

展示場所:館内1階『冷たい海』水槽 

※現在は水族館内の混雑緩和のため、入場制限あり

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