1. ナポリ(イタリア)
マストな料理「マルゲリータ・ピザ」
イタリアで食について話す時に外せないのがナポリだが、ナポリで食について話す時に外せないのはピザだろう。安くてサッと食べられるピザは、19世紀に労働者階級のたの食べ物として登場した。「ピザ通り」の異名を取るトリブナーリ通りにある昔ながらのピザ屋は、今もなおナポリっ子たちの旺盛な食欲に応えている。
物価上昇の波はナポリにも押し寄せているが、ピザは安価なスナックであることに変わりはなく、一切れ1ユーロから手に入る、ナポリが誇る安くて最高の食べ物なのだ。それを裏付けるかのように、ナポリは今回の調査で最もリーズナブルな街にランクインした。
今訪れるべき理由
「ナポリ料理の魅力は、多様性、シンプルさ、そして陸と海の食材に歴史が融合していることです」と語るのはナポリ在住ライターのガブリエラ・プロイエッティ(Gabriela Proietti)だ。「食文化の豊かさは街の至るところで感じることができます。例えば、パスタ・アッラ・ジェノベーゼ、ラグー・ナポレターノ(ナポリ風ミートソース)といった料理に。あるいは、朝に食べるリコッタチーズを詰めたスフォリアテッラ、ラム酒風味のシロップに浸したババといった焼き菓子の中うっとりするような甘さに。16世紀から続くピニャセッカ市場の散策でも、感じることでしょう。
活気あるスペイン地区はここのところ食分野で急成長していますが、よくあるオープンテラス付きのレストランで満足するのはもったいない。マルゲリータ・ピザを食べるなら、ナポリの宝であるピザ、サッカー、ディエゴ・マラドーナ(セリエAのナポリに在籍し黄金時代を築いた)を愛するオーナーによる『Pizzeria Santa Maradona』がおすすめですよ。ナポリ伝統料理にクリエイティブなひねりを加えた『Cu.Qu. / cucinadiquartiere』も、ぜひ訪れてほしいレストランです」