テルアビブ

テルアビブでしかできない10のこと

イスラエル最大の文化都市。ファッションや食、デザインまで

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Time Out Tokyo Editors
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In association with イスラエル大使館

地中海に面したリゾート地にして、イスラエルの経済や文化を牽引する、中東でも有数の国際都市、テルアビブ(Tel Aviv)。先進的な文化都市の例に漏れず、ゲイフレンドリーな街としても有名な同地は、イスラエル内の他都市と比べて宗教色も薄く、様々な観光客が訪れる観光地になっている。

2月の終わりごろにもなれば雨季も終わりを告げ、10月ごろまではほとんど雨も降らず、過ごしやすい晴天が続く。夏場は気温や湿度の高さが気になることもあるが、歩けばすぐに海へ出られるテルアビブの環境ならば、大きな不満にはならないだろう。

ここではそんなテルアビブの魅力を、食文化やファッション、建築に音楽など、文化的な側面から紹介する。あわせてイスラエルならではのダンスや寿司にまつわる情報も掲載しているので、ぜひテルアビブ探索に役立ててほしい。

1. 何はともあれファラフェルを食べる。

まずは何と言っても腹ごしらえ。街中には実にたくさんのファラフェル屋が存在する。ファラフェルとは、ひよこ豆でできたコロッケのようなもので、中東で広く愛されているソウルフード。ピタパンにファラフェルや、やはり中東名物のフムス(ひよこ豆のペースト)、野菜などを挟んだファラフェルサンドの店は日本でもちらほらと見かけるが、テルアビブではサンドイッチに限らず、サラダやフムスとともにファラフェルを提供する店が多い。各店により、スパイスなど味付けも異なるため、食べ歩いて好みを探ってほしい。ディゼンゴフ(Dizengoff)通りの北の方にあるフムスアスリ(Hummus Asli)のファラフェルサンドは、フムスも美味でおすすめだ。

2. 古代の港町を散策する。

テルアビブの行政上の都市名は「テルアビブ・ヤフォ(Tel Aviv‐Yafo)」という。ヤフォとは、テルアビブ南部の地域名で、紀元前14世紀の文献にも出てくる古い港町。長い年月を経て20世紀、ヤフォに住んでいたユダヤ人移民団体が建設したのが、テルアビブという大都会のそもそもの起こりだ。すぐそばに海を感じる、石造りの迷宮のような路地はどこか神秘的だ。悠久の時を重ねてきた建造物とは対照的に、現在では、先鋭的なショップやギャラリーが数多く入居しているのもこの地域特有の魅力になっている。

3. シェンキンでイスラエルを身に纏う。

服に少しでも興味がある人なら、旅先でもファッションが気になるはず。目抜通りのシェンキン(shenkin)ストリートには、ハイセンスなブティックやショップが立ち並ぶ。日本でも人気のボディケアブランド『SABON』の本店があるのもこの通りだ。シェンキンストリートをさらに東に行ったところにあるブティック5(boutique 5)には、『テルアビブファッションウィーク2015』にも参加した気鋭のブランド『ムスリンブラザーズ(Muslin Brothers)』をはじめ、イスラエルの今を伝えるデザイナーのアイテムが数多く揃っている。

Tips. テルアビブファッションウィーク

テルアビブ中のファッショニスタが集結する『テルアビブファッションウィーク(TLV FW)』。建設中のショッピングモールを会場にするなどで注目を集め、多くの海外メディアも訪れる国際的なファッションウィークとして存在感を強めている。有名ブランドもさることながら、イスラエルを代表するファッションスクール、「シェンカー(Shenkar College of Engineering and Design)」の学生たちをはじめ、若手のエネルギッシュなクリエイションを目の当たりにできる。2015年開催時の様子は下のブログから。

4. ヒップな空間で夜を明かす。

テルアビブの夜を存分に楽しむなら、クリアルマ(Kuli Alma)をおすすめする。緑道が爽やかな大通り、ロスチャイルド(Rothschild)通りの両サイドにも活気のある店が並ぶが、さらに東側のイェフダハレヴィ(Yehuda ha-Levi)通りも越えたところにある同店。イスラエルの店には付き物のセキュリティチェックを済ませ階段を降りていくと、入り口からは想像もできない広々とした空間が現れる。DJスペースあり、オーセンティックなバーあり、ギャラリーありと、何部屋もあるそれぞれのスペースが独立した魅力を備えており、朝まで飽きずに楽しむことができる。最高にヒップな場所だ。

5. 中東のバウハウスを知る。

あまりに短い活動期間にもかかわらず、その後のデザインを一変させたドイツの学校バウハウス。その思想が、ここテルアビブの街並みに息づいていることを知っているだろうか。「テルアビブの白い都市」として世界遺産ともなっている中心街区には、バウハウス建築が湿度が高く日差しの強い土地柄に適応した姿で今なお数多く残っている。20世紀になってできたこの新しい都市は、バウハウスで研鑽を積んで戻ってきた若い建築家たちにとって、都市計画上でも新しい実験を試みるのに好都合な場だった。ディゼンゴフ通りにあるバウハウスセンターテルアビブ(Bauhaus center Tel Aviv)では、英語による解説付きで街を歩くガイドツアーも受け付けている。

6. デザインはコールテン綱で学ぶ。

テルアビブ近郊のホロン(Holon)市でひときわ目を引くのが、湾曲したコールテン綱が幾重にも重なる巨大な建造物。テルアビブ出身の建築家ロン・アラッド(Ron Arad)設計のこの建物は、2010年に開館したデザイン専門のミュージアムだ。『ヨウジヤマモト』なども特集されたことのある展示内容ももちろんだが、建築自体も大きな見どころになっている。特に光の扱い方は秀逸で、紫外線をカットした自然光を展示空間に巧みに取り込む構造になっており、微妙な光の変化を感じることができる。コールテン鋼の湾曲が落とす影と、地中海沿岸の強烈な太陽光が織りなすコントラストも美しい。

7. カフェで親密な時間を過ごす。

観光に疲れたらカフェで一息入れよう。イスラエルの朝食の定番シャクシュカが一日中食べられるブレックファスト専門店ベネディクト(Benedict)やチョコレートのマックスブレナーなど有名店もいいが、もう少し親密な空気を楽しみたいならシュマンモネット(Shmanmonet)はどうだろう。イェフダハレヴィ通りの一角にある同店は、2015年6月にオープンしたばかりの若い店だが、多くの人々に愛されている。日本人含む多くの若者たちが憩う居心地のいい空間では、若手アーティストとのコラボレーションも行っており、ストリートアーティストが作品を店内壁面に制作したり、音楽アーティストによる生演奏なども行われる。

Tips. スザンヌデラルセンター

コンテンポラリーダンス界においてイスラエルが重要な位置を占めていることは、もはや周知の事実だろう。オハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団や、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックダンスカンパニーなど、多くの素晴らしいダンスカンパニーがこの地から生まれている。後者は、俳優としても活躍する森山未來が1年間ダンス留学していたことで日本でも有名だ。両カンパニーがともに拠点を置くのが、スザンヌデラルセンター(Suzanne Dellal Center)。劇場やスタジオ、カフェなどがあり、旬な舞台が鑑賞できる。スザンヌデラルのある街区、ネヴェツェデク(Neve Tzedek)は、現在のテルアビブ建設初期に造られた歴史ある美しい町だ。

8. 市場で旅を実感する。

中東の市場の雰囲気を体感したいならカルメル(Carmel)市場へ。アレンビー(Allenby)、キングジョージ(King George)、シェンキンなどの通りがぶつかる交差点から続く市場には、両側に食材や衣類、アクセサリーなどを扱う露天がびっしりと並ぶ。市場南側の、色とりどりのフルーツやナッツがひしめき合う様を眺めると、それだけで旅情がそそられ晴れやかな気分になるだろう。また、ヤッフォで開かれている蚤の市も、様々な古道具の店のほかファラフェルの屋台なども並び、賑やかだ。ただし、どちらも土曜日は静まり返っているので注意してほしい。

9. ミズラヒームに耳を傾ける。

音楽好きならば、キングジョージ通りにあるサードイヤー(The Third Ear)を訪れるといい。ものものしいショッピングセンター、ディゼンゴフセンター(Dizengoff Center)のすぐ近くにある同店は、レストランやバー、ライブハウスも併設された、老舗レコードショップだ。様々なCDやDVD、レコードが揃うが、アラブ音楽の影響を色濃く受けたイスラエルならではの大衆音楽「ミズラヒームミュージック」も気にしてみてほしい。東欧から移住したユダヤ人のアシュケナジーム、 地中海沿岸にルーツを持つスファラディームに対して、アラブ系ユダヤ人をミズラヒームと呼ぶ。その語を冠したポップソングからもこの国の多重性が聴き取れるかもしれない。

10. 偉大なる海に抱かれる。

南北に長く発展したテルアビブは、西側に行けば街のどこからでも比較的すぐに海へ出ることができる。そう、聖書に「偉大なる海」と謳われた、地中海だ。テルアビブのビーチにはいくつものカフェが並び、テルアビビアンたちはそのカフェの名前でビーチの場所を呼び分けている。また、北部のテルアビブポート(Tel Aviv Port)は、再開発が進み、レストランやショップが立ち並ぶ注目エリアとなっている。このエリアは、シャバット(ユダヤ教の安息日)でもオープンしている店も多いので、土曜日の過ごし方に困ったときのためにも覚えておくといいだろう。

Tips. テルアビブの寿司事情

和食ブームに先駆けて世界中で見られるようになった「sushi」屋。テルアビブにも寿司やラーメンを出す店が増えてきている。「JAPANIKA」といういかにもな名前の寿司バーは、テルアビブ内の大通りに数店舗を構える人気店だ。パン粉を付けて揚げた、その名も『ジャパンコ(JAPANKO)』など、寿司というよりは「sushi」と呼ぶしかないメニューばかりだが、中心街のロスチャイルド(Rothschild)通りの店舗などは朝5時までやっているので、飲み過ぎた後で、インスタントでもいいから味噌汁が飲みたくなったときには重宝するかもしれない。

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