東京カテドラル聖マリア大聖堂
Photo: Keisuke Tanigawa | 東京カテドラル聖マリア大聖堂
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、美しい建築15選

美術館・ホテル・宗教施設・学術機関など、鑑賞目的でも訪ねたい奇妙で美しい建物

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関東大震災や第二次世界大戦の東京大空襲で大きな被害を受けるまで、東京には、現在も京都で見られるような木造の家が立ち並んでいた。その後、鉄鋼やコンクリート、独創的な形状に重きを置いたさまざまな建築物が建てられ、東京は現代的に生まれ変わった。

ここでは、美術館やブティックから、宗教施設、学術機関まで、東京で鑑賞できる美しい建築物を紹介しよう。初夏の街歩きの参考にしてほしい。

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  • ミュージアム
  • 白金台

自然や歴史、文化などの側面から港区を知り、交流することができる施設。1938年に建設された旧公衆衛生院という歴史的建造物を活用している。

東京大学建築学科教授の内田祥三(うちだ・よしかず)が設計し、鉄骨、鉄筋コンクリート造りの構造に「内田ゴシック」と呼ばれるスクラッチタイルで覆われたゴシック調の外観が特徴的だ。建物内部の旧講堂などには細部にわたる意匠が当時のまま残されている。また、床、壁に石材を使用したユニークなデザインの2層吹き抜けの中央ホールも見逃せない。

カフェ、ミュージアムショップ、図書室などが併設しており、歴史的な建物の中で優雅な時間を過ごすことができる。

  • カフェ・喫茶店
  • 池袋

1921年、世界的建築家フランク・ロイド・ライトと、その高弟の遠藤新が手がけたのが、重要文化財でもある「自由学園明日館」だ。当時帝国ホテルの設計のため来日していたライトが自由学園の創立者である羽仁もと子・吉一夫妻が掲げる教育理念に共感し、設計を引き受けた。

高さを抑えて水平線を強調した屋根や、窓やドアなど木製の木枠を幾何学的に組み合わせた意匠などに、「プレーリースタイル(草原様式)」と呼ばれるライトの作風が表れている。建物内は教会のような荘厳な造りで、手塗りの壁や古い木の梁、暖色系の照明にほっと心が和らぐ。

かつて女学生たちが食堂として利用していた部屋では、コーヒーまたは紅茶と焼菓子を提供している(見学のみ500円、喫茶付見学800円)。第3金曜は夜間見学(1,200円)を実施しており、酒も楽しめる。

定休日以外に貸切などで見学できない日があるため、営業日については公式ウェブサイトを確認してほしい。

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  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所
  • 目白台

丹下健三

広大な庭園を有する椿山荘の近くにあるカトリック教会。特異な形状をした大聖堂は上空から眺めるとクロスの形をしており、掘り抜かれた山のような内部には、薄暗く荘厳な空間が広がっている。

その圧倒的な空間を利用したパフォーマンスや、コンサートなどのイベントも開催されている。設計は、東京都庁舎やフジテレビ本社ビルなどで知られる丹下健三だ。

  • アトラクション
  • 歴史的な建物&史跡
  • 赤坂

四ツ谷中学校前交差点、三差路中央の道を進んだ正面に見える、ネオ・バロック様式の洋風建築物。1909年、紀州徳川家の江戸中屋敷があった敷地の一部に、当時の日本を代表する建築家や美術工芸家が総力を結集して建設した日本唯一のネオ・バロック建築である。

東宮御所として造られたが、当時の皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)が使用することはほぼなく、嘉仁親王の天皇即位時に赤坂離宮と改められた。戦後になり改築され、現在では国賓、公賓を迎える迎賓館となっている。

一般には原則非公開だが、1975年から、接遇に支障のない時期に一般参観を開催している。

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  • Things to do
  • 小金井

戦後の復興期から始まるモダニズム建築の基礎を作り上げた建築家・前川國男の自邸として1942年、品川区上大崎に建てられた住宅。戦時体制下、建築資材の入手が困難な時期に完成した。

住宅は、小金井市にある「江戸東京たてもの園」に移築され、自由に見学できる。外観は切妻屋根の和風、内部は吹き抜けの居間を中心に書斎・寝室を配したシンプルな間取だ。前川の建築哲学を反映した、日本特有の木造モダニズムが今も多くの人を引きつけている。

  • ホテル
  • 高級ホテル
  • 丸の内

1915年に開業し、2012年に東京駅丸の内駅舎とともにリニューアルを果たした「東京ステーションホテル」。同ホテルは、国の重要文化財である赤レンガの東京駅丸の内駅舎の中に位置し、大正時代から人や街の歴史を見守り続けてきた歴史のある宿泊施設だ。

丸の内の南北のドームを望める客室もあり、ドーム内壁のレリーフや絶え間なく行き来する人々の眺めを堪能することができる。

客室のほか、フランス料理、日本料理、中国料理、バー、喫茶などの飲食施設、フィットネス&スパも併設し、現代のホテルに求められる機能性も備えたヨーロピアンクラシックスタイルの内装デザインの施設として展開している。

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  • アート
  • 所沢

隈研吾

ところざわサクラタウン内にある、水面に浮かぶ岸壁のミュージアム。建築家の隈研吾が水に浮かぶ石をイメージして手がけており、その姿には圧倒される。

高さ約8メートルの巨大本棚に囲まれた『本棚劇場』や本の街『エディットタウン』など、革新的なデザインも忘れずにチェックしてほしい。また『荒俣ワンダー秘宝館』など、生命の神秘と未知との遭遇がないまぜになった摩訶不思議な空間も同館ならでは。

  • アート
  • 三鷹

荒川修作+マドリン・ギンズ

芸術家で建築家の荒川修作とマドリン・ギンズによる、世界で最初に完成した「死なないための住宅」。三鷹市のランドマーク的存在で、9戸の集合住宅は、内外装に14色の鮮やかな色が施され、部屋ごとの色の組合せが全く異なるのが特徴だ。

基本的には住宅なので、訪れる際は、しばしば行われる見学会のタイミングを狙おう。

なお、テレワークプランも実施している。人気のプランのため予約は取りづらいがチェックしてみてほしい。

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  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所
  • 代々木上原

代々木上原にあるモスク。敷地内には、イスラーム教やトルコ文化を紹介する、トルコ文化センターも併設されている。モスクは一般公開もされており、イスラーム教徒でなくても内部を見学することが可能。イスラーム教への改宗を勧める行為は禁じられているので、安心して見学することができる。

しかし、礼拝堂でお祈りしている人の前を横切る行為は禁止されているので、見学する際は注意が必要だ。また、女性は、肌の露出している洋服は避け、スカーフを持参しなくてはならない。足を運ぶ際は、忘れないようにしよう。

  • アート
  • 白金台

1933年に建てられたこのアールデコ様式の邸宅は、かつては朝香宮殿下と、その后(きさき)であり明治天皇の第八皇女である允子内親王の住居だった。夫妻は、1920年代のパリでアールデコと呼ばれる装飾様式に触れ、帰国後に朝香宮邸を建てた。

大広間や大食堂など、主要な部屋の内装はアンリ・ラパンの手によるもので、玄関のガラスレリーフ扉などはルネ・ラリックのデザイン。建築そのものは宮内省内匠寮の技師である権藤要吉が担当、設計した。館内で行われる展覧会では、作品だけでなく、それらと室内空間の調和を楽しむことができる。

2014年に改築された新館には、ホワイトキューブの展示空間が備わり、映像や音楽、パフォーミングアーツなど、より多様で分野横断的な表現の舞台となった。オリジナルグッズを提供するミュージアムショップやカフェも併設されている。

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  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所
  • 神谷町

新興宗教の霊友会の施設であるこの宇宙船のような寺は、神谷町の裏通りに突然現れる建物である。近づきがたい外観にも関わらず、実際のところ、釈迦殿はかなりオープンで親しみやすい場所だ。

  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所
  • 築地

伊東忠太

築地に建つ、京都西本願寺の東京別院。正式名称は「浄土真宗本願寺派本願寺築地別院」。1617年に浅草横山町に建てられたが、明暦の大火をきっかけに移転した。一風変わったエキゾチックな外観は、古代インド様式の石造り。

東京(帝国)大学工学部教授を務めた建築家、伊東忠太が設計を手がけ、1934年に完成した。夕方からはライトアップされ、昼間とは違った美しい姿を見せる。本堂内は、ステンドグラスやシャンデリア、家具など、細部まで一見の価値がある。

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  • ショッピング
  • 青山

ヘルツォーク&ド・ムローン

プラダの国内最大のフラッグシップショップ。地下1階、地上5階からなるフロアには、メンズやレディースをはじめ、スポーツや香水など全てのラインがそろう。ガラスのブロックを積み上げたようなビルは、表参道の交差点から根津美術館へ向かう途中、一際目をひく。

これは北京オリンピックのメイン会場、通称「鳥の巣」を手掛けたスイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムローンの作品だ。ビル見たさに詰めかける者も多くまさにフラッグシップショップの役目を果たしている。

  • アート
  • 浅草

金色のオブジェ「フラムドール」が屋上に輝く、アサヒ アートスクエアは、隅田川の吾妻橋ほとりで異彩を放っている。スーパードライホールの4~5階にあるアサヒ アートスクエアは、アサヒビール株式会社のメセナ活動の拠点となるアートスペースだ。

展示、舞台などを中心に、さまざまなイベントも開催されている。

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  • コーヒーショップ・喫茶店
  • 本郷
  • 価格 2/4

隈研吾

こんなに美しい大学はこれまでなかったのではないか。ダイワユビキタス学術研究館は、隈研吾の設計である。木材のパネルの裏には複数のセンサーが設置されており、気温や風速、放射線量などを測定し、それらのデータを今後の研究のために利用することができる。

博士号を取ろうとしているのでなければ、1階のカフェ、厨菓子くろぎに立ち寄ってみるとよいだろう。建物同様に洗練された内装の店内で、美味しいかき氷を楽しめる和菓子専門店である。

建築や野外の美術館なら……

  • アート

戦前期のモダニズム建築や日本最古の弁財天を祭る寺院から、オブジェ性の高い吸気塔、「世界を代表する20の建造物」として紹介された建物まで、大阪には見るべき貴重な建築物が点在する。文化施設やバーとして利用できる場所もあるため、豊かなデザインに囲まれながら、ゆったりとした時間が過ごせる。大阪の一度は訪れてほしい名建築を紹介したい。

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