Photo: Ayesha Parikh/Unsplash
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家から世界を旅できるベストバーチャルツアー10選

マチュピチュを歩き、システィーナ礼拝堂に感嘆し、火星に旅立つ

Kasey Furutani
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Kasey Furutani
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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していた旅行はキャンセルを余儀なくされているだろう。しかし、世界への窓が完全に閉じてしまったわけではない。インターネットにさえつながることができれば、家にいながらバーチャルリアリティー(VR)を活用してスウェーデンに旅して虹色のオーロラを見たり、アマゾンの熱帯雨林上空を飛ぶことができるのだ。

今回は、そんなバーチャルトラベルができる世界中のおすすめスポットを10カ所に絞って紹介する。何の準備も必要ない。わが家でくつろぎながら、高まる旅行熱を満たしてくれるバーチャルツアーに出かけよう。

季節や天候を問わず、いつでも大人気のアメリカ国立公園はGoogleの360度動画でバーチャルツアーが可能だ。アラスカのフィヨルドに心を打たれたり、ハワイの溶岩洞を歩いたり、フロリダのサンゴ礁の間を泳いでみるのはいかがだろう。しかも、自然保護官が公園の自然史や野生生物の説明もしてくれる。

オランダといえば、風車に囲まれた色とりどりのチューリップ畑を思い浮かべる者も多いのではないだろうか。世界最大級の花畑があり「ヨーロッパの公園」とも呼ばれるキューケンホフ公園は、残念ながら現在一時休園している。しかし、今年撮影されたYouTubeの360度バーチャルツアーに参加すれば、満開のチューリップを見たり、公園の歴史について学んだりできる。

いつか実際に訪れたとき、一番すてきな花々がどこで見られるか予習すれば、つかの間、閉塞感を忘れることができるだろう。

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カンボジアの仏教寺院の伽藍(がらん)、アンコールワットは、東南アジアを旅行したら必ず訪れるべき場所の一つだ。このYouTubeによる360度バーチャルシミュレーション動画では、アンコールワットが遺跡になる前の古代の生活を追経験することができる。これらの動画は学習用に作られたものなので、教育者向けモジュールセクションから建築様式や地域の気候、商業、貿易の項目に目を通せば、より深く学ぶことも可能だ。

実際のシスティーナ礼拝堂では写真撮影は禁止されているが、バチカン美術館が提供するバーチャルツアーなら、ミケランジェロの代表作を360度楽しめる。壮大な壁画『最後の審判』が描かれた部屋は、無人になることがめったにない人気の観光スポットだが、このツアーなら時間をたっぷりかけて偉大なる絵画を鑑賞しても、誰に気を遣う必要もない。

バチカン市国を訪れ、『ラファエロの間』でルネサンス美術や、ピオ・クレメンティーノ美術館で貴重な彫刻も堪能できる。

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アンデス山脈を登り、世界で最も重要な遺跡の一つマチュピチュの古代インカの驚異を目にしよう。1日以上かかるハイキングは困難なことで有名だが、YouVisit社が提供するバーチャルリアリティ動画なら高山病の心配もない。バーチャル形式でハイキングしながらツアーガイドによるナレーションを聞き、複雑な建築様式、インカの歴史、そしてもちろんアルパカについて学ぶことができる。

「新・世界七不思議」の一つである万里の長城。一生に一度は行ってみたいと思う人も多いだろう。1800年近くの歴史をもち、6000キロメートルもの長さに及ぶ壁は、もともとは敵の侵入から中国を守るために建設された。現在では、歴史的にも建築学的にも価値ある遺産として保護されている。

The China Guideが提供するバーチャルツアーで金山嶺から司馬台までの8キロメートルのトレッキングに挑戦し、望楼から見る冬の山々の壮大な景色を楽しもう。

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寒さに備えてジャケットを手に取るのを忘れずに。スウェーデン北部のラップランドにあるアビスコ国立公園からオーロラを眺めてみよう。Lights Over Laplandが提供するバーチャルオーロラツアーなら、あらゆる角度からオーロラを楽しむことが可能だ。雪の中で横になり、虹色の光が魔法をかける姿に時間を忘れて見入ってしまうだろう。

雪深く、松の木が生い茂る冬のワンダーランドで犬やトナカイに乗って滑走するバーチャルそりツアーもある。

アマゾンの熱帯雨林の驚異を巡ってみるはいかがだろう。コンサベーション・インターナショナルが制作したYouTubeの360度動画は、地元民はもちろん、遠く離れた私たちそれぞれの生活にとって熱帯雨林がどのような影響を与えているのかを学ぶ素晴らしい教材だ。映像は空撮から始まり、ゆっくりと下がっていき、森全体から、こずえで野生の生き物が多く暮らす低木層、そして先住民族と出会うなど、この地に生きる生き物たちのリアルな姿を目の当たりにできる。

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茨城県のひたち海浜公園は、今、約530万本のネモフィラが見ごろを迎えている。この小さな青い花は「ベイビーブルーアイ」とも呼ばれ、背の低い場所に群生するハーブだ。4月中旬から5月上旬にかけて一斉に開花し、丘一面が青い海へと姿を変える。

公式ウェブサイトでは、現在29カ所の異なる視点それぞれから360度の景色が楽しめる無料のバーチャルツアーを提供している。本来ならばこの時期は観光客がひしめきあっているが、公園閉鎖中の今は、無人の丘に広がる景観を一目見ることができる貴重なツアーなのだ。

実際に宇宙空間に行くには膨大な費用と訓練が必要だが、Access Marsなら火星をウェブバーチャルリアリティー空間で探検することができる。Access Marsは、航空宇宙局(NASA)の火星探査機キュリオシティが、この赤い惑星上で活動するのを追体験するものだ。2011年に打ち上げられた探査機は、9年間にわたって火星を探索。科学的な調査に使用され、我々地球人が見つめる中、地表などの写真撮影を続けてきた。火星探査の歴史について学びながら、広大な赤い大地に降り立ってみよう。

オンライン開催しているイベントを知る

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ゴールデンウィークや秋の連休の楽しみは、各地の陶器市に行くことだという人も多いのではないだろうか。数多くの作家や窯元の作品がずらりと並ぶ陶器市は、焼き物好きにとってはまさに天国のようなイベント。しかしながら、今年のゴールデンウィークに開催が予定されていたほとんどは、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で中止または延期になっている。 しかし、肩を落とすのはまだ早い。毎年、全国から約120万人もが集まる『有田陶器市』は、2020年4月29日(水・祝)の9時から5月5日(火・祝)の17時まで、オンライン上で「Web陶器市」を開催することを決定した。ここでは、有田陶器市の歴史や『Web有田陶器市』でできることを紹介する。 『有田陶器市』とは   有田陶器市   佐賀県有田町で毎年ゴールデンウィークに開催される陶器市。その始まりは、1896年に開かれた『陶磁器品評会』だといわれている。『陶磁器品評会』は、日清戦争などの社会的な不況で、焼き物が売れず腕のいい職人が雇えない、そして焼き物の質がどんどん落ちていくという悪循環を何とかしようと立ち上がった深川栄左衛門と田代呈一の主催で開催された会。当時は、互いに焼き物を持ち寄り、その腕を競う会として行われていたが、大正時代に入ると『蔵ざらえ大売出し』が品評会と同時に開催されるように。この『蔵ざらえ大売出し』が、今の陶器市の起源となっているそうだ。 現在は、有田駅から上有田駅にかけての約4キロメートルの通りに、約450の作家や窯元、販売店が出店。『テーブルコーディネート展』や、有田伝統の『皿かぶり競争』といった、同陶器市ならではのイベントも行われ、毎年多くの有田焼ファンでにぎわっている。   昨年配布された会場のマップ(有田陶器市)     昨年配布された会場のマップ(有田陶器市)   『Web有田陶器市』でできること   有田陶器市   今年は残念ながら例年のような光景は見られないが、『Web陶器市』には約130の作家や窯元、販売店が出店。各参加者が用意したおすすめ商品をオンライン上で見て、購入することができる。参加者は『Web有田陶器市』の公式サイト(随時更新中)に一覧があるので、事前にチェックしておこう。 購入方法は?決済方法は各参加者によって異なるが、クレジットカードやコンビニ払いを用意している。決済は、各参加店ごとに行うシステムだ。 送料は、1店舗当たりの購入金額が税込み2,000円以上であれば無料(商品の発送は国内のみ可能)。商品は、決済が完了してから5日以内に発送予定だが、発送先や参加者の状況に左右される場合もあるので、購入する際は必ず店舗の説明内容に目を通しておこう。 購入点数についてのルールがないのはうれしい限りだが、もちろん在庫数は無限ではない。できるだけ多くの人が商品を購入できるよう、節度あるショッピングを楽しもう。なお、『有田陶器市』の公式サイトは、期間中アクセスの集中により繋がりにくくなることが予測されるので、目当ての商品がある人は『Web有田陶器市』の公式サイトに直接アクセスすることをおすすめする。 『有田陶器市』の詳しい情報はこちら 『Web有田陶器市』の詳しい情報はこちら

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新型コロナウイルスの世界的感染拡大により多くのギャラリーや美術館が休館となる中、東京、香港、ニューヨーク、ソウル、パリなど各国に拠点を持つギャラリー・ペロタン(Galerie Perrotin)のホームページがリニューアルした。美術を愛する人々にとっては宝の山とも言えるこのホームページは無料で閲覧できる。 アーティストのインタビューやフィルムを視聴できるほか、スタジオツアーやホームビジットが楽しめる。さらに、ソファでくつろぎながら、過去や現在にギャラリーで展示されたアーティストのポッドキャストを聞くこともできる。特に、60以上の展示を360度のツアーとして無料で鑑賞できるバーチャル・ギャラリー・ビジットだ。このバーチャル・リアリティー・ツアーでは、村上隆、マサキ(Madsaki)、タカノ綾といった日本人アーティストや、ダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、バリー・マッギー(Barry McGee)、リー・ベー(Lee Bae)、ピーテル・ヴェルメルシュ(Pieter Vermeersch)などといった世界的に有名なアーティストの作品が鑑賞できる。 © Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. Courtesy Perrotin Photo: Guillaume Ziccarelli また、村上隆の作品のみを集めたバーチャル・エキシビションが3つあり、ニューヨーク、パリ、上海で開催された個展の作品が含まれている。村上隆のミューラルやインスタレーションを巡って、彼のアイコンとも言える笑顔の花で覆われた壁面を楽しんではどうだろう。 マサキを取り上げたバーチャル・エキシビションも2つあり、アンディ・ウォーホールに触発された作品をフィーチャーした、パリと香港で開催された過去の展示の作品を見ることができる。タカノ綾の3D展示では、2019年にペロタン・ニューヨークで開催された展示会から、油絵8点と50点以上のドローイングが展示されている。     Courtesy MADSAKI/Kaikai Kiki Co., Ltd. / Courtesy Perrotin Photo: Ringo Cheung これらのバーチャル・ビジットはインタラクティブであり、作品と展示空間を体感するための多くの方法が設けられている。3Dのフロアプランを使ってギャラリー内を「見て回る」ことや『ドールハウス』機能で展示全体を俯瞰することもできる。さらに、作品にズームして近くから見たり、さまざまな角度から鑑賞することもできる。日頃、展示をゆっくり堪能する時間がないと感じている人には、このギャラリー・ペロタンのオンライン展示はぴったりだ。 本展示は公式サイトから見ることができる。 原文はこちら 関連記事 『オンラインで作品の見どころが学べる展示10選』 『自宅で感激:第3回 オンラインビューイング演劇作品一覧』

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世界中で猛威を振るう、新型コロナウイルス感染症。2020年3月25日、東京都知事の小池百合子による記者会見では、都民に向けた対策として週末の不要不急の外出を自粛する要請が発表された。 ここでは自粛要請期間中、自宅でも楽しめるさまざまなカルチャーを紹介する。世界各国のアートシーンのオンラインビューイング、Spotifyで聴くプレイリスト、デリバリーフードなど、この機会にチェックしておきたい情報を随時追加していく。危機的状況の中、自身とまた大切な人の健康を守るためにも、充実した在宅時間を過ごしてほしい。

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