写真:Keisuke Tanigawa
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ストリップ劇場を知る5のこと

美しさとライブ感を楽しむ、初心者向け基礎知識を紹介

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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タイムアウト東京 > Things to do > ストリップ劇場を知る5のこと

テキスト:まーや
写真:Keisuke Tanigawa、Kisa Toyoshima

「ストリップとは何か」。こう問われたら「女性がヌードになる出し物でしょう」と、あなたは照れくさそうに答えるかもしれない。その通りだ。ストリップとは舞台上で、踊り子が音楽に合わせて服を脱いでいく大衆娯楽。そして、大人による、大人のためのエンターテインメントである。

1980年代頃のストリップ最盛期には国内に300軒以上の劇場があったが、建物の老朽化や経営不振により年々減少。現在では20軒ほどが残るのみで、これから新しい劇場が増える見込みはほとんどないといえる。

何でもありの性産業が溢れかえる現代社会に、なぜ「ヌードを見るだけ」の場がいまだに存在するのか。そこには、女性のヌードの美しさやライブの楽しさによる非日常や感動、救いがあり、人生を豊かにする劇場でしか味わえない魅惑の世界が広がっているからだ。

ここでは、日々ストリップ劇場に通う筆者より愛を込めて、ストリップ初心者に向けた基礎知識を紹介したい。

1. 誰でも、いつでも、どこでも、気軽に行ける。

渋谷 道頓堀劇場

「ストリップは男性だけのもの」という時代は終わり、ストリップ好きの女性も増えている。18歳以上であれば、性別問わず、初心者や外国人観光客も大歓迎だ。現在、国内には約20軒のストリップ劇場がある。都内では、渋谷や新宿、池袋、浅草、上野などターミナル駅付近に立地。少し足を伸ばせば、熱海や道後等の温泉地にもある。基本的に年中無休で、12時頃から23時頃まで毎日上演している。

事前予約の必要はなく、寄席のようにいつでも入場できる。出先や出張先で不意に予定が空いた時、近くを通りがかった時、フラリと立ち寄れる気軽さがある。

2. 財布に優しい、むしろリーズナブルすぎるのかもしれない。

ロック座 エントランス

入場料は通常3,000から6,000円程度。多くの劇場で、学生や女性、シルバー割引、早朝、深夜割引などのサービスを行っている。多くの劇場は、入場すれば閉館時間まで居られるのも魅力。一時外出や飲食物の持ち込みが可能な劇場も多く、館内に自動販売機や売店を設置している劇場もあるので、一日中滞在できる。(ちなみに、オープンからラストまで劇場に行くことを「プンラス」という)。

3. なんといってもプロの踊り子が素晴らしい。

かすみ玲

オトナの女性の肉体を、まじまじと観る機会はレアだ。磨き上げたヌードならなおさら。ステージでは脱ぐまでのストーリー展開や、音響と照明スタッフらが施す演出も冴えわたる。

舞台構成について簡単に紹介しよう。踊り子の順番やショーの内容を決めたものを「香盤(こうばん)」と呼ぶ。1日に5から7人の踊り子が出演し、それぞれ約20分のショー(「景(けい)」)を披露する。通常はメインステージと花道で「ダンスショー」を行い、「盆(ぼん)」と呼ばれる円形舞台で脱衣。開脚などのキメのポーズを決める「ベッドショー」を行う。

1公演の所要時間は2、3時間ほどで、毎日4、5公演行われる。香盤は原則10日に1回変わり、その度に出演者や演目が変わる。同じ香盤は二度となく、一期一会。偶然の出会いを楽しもう。

4. オトナの社交場で、秘密の思い出をつくろう。

かすみ玲

ステージ中にも、様々な「応援」ができる。基本は「拍手」と「手拍子」。拍手は、踊り子の登場と退場時、盆に乗った時、ポーズを決めた時だ。手拍子は、明るいアップテンポのショーで。タイミングにコツがいるが、周りの動きに合わせてチャレンジしたい。

リボン

また、玄人向けだが「タンバリンやリボンを用いた応援」もある。どちらも有志の観客による応援で、ショーを盛り上げるためには欠かせない。熟練したタンバリン使いが発する軽快なリズムや、何本ものリボンが舞台上に舞う様は、ステージに華を添える。

5. 敬意を持って、劇場ごとに決められたマナーを守ろう。

マナーと言っても、通常の舞台鑑賞と変わらない。踊り子のため、ストリップ劇場存続のため、必ず守ろう。

携帯電話やスマートフォンは場内では取り出し、使用不可で、ショーの無断撮影と録音はもちろんNG。マナーモードもしくは電源オフにして、必要な際はロビーで操作しよう。次に、踊り子の衣装や身体に触れること、ショーの妨げになる行為(私語、ヤジ、騒音など)、ほかの観客の迷惑になる行為もNGだ。また、場内は禁煙なので、喫煙は決められたスペースで。飲酒はOKだが泥酔には注意を。

これらは最低限のマナーで、劇場別にローカルマナーがある。受付や、開演前のアナウンスでも案内があるので、初めて行く劇場は最初に確認するのがベターだ。

ストリップは楽しく、美しい。はじめは誰しも緊張するが、勇気を持って第一歩を踏み出してほしい。ここまで読んで、心の準備ができたのなら、初心者から中級者向けの『東京、ストリップ劇場5選』を参考に、実際に足を運んでみてはいかがだろう。 

協力

写真:Keisuke Tanigawa

かすみ玲 

2006年4月21日デビューした、全国のストリップ劇場で活躍中の踊り子。169センチの高身長にスレンダーなボディとチャーミングな笑顔が魅力。

「踊る魅力と汗と場内の空気に、いたく感動して居座ってます。あのピンクの照明がたまらない。わかる方は頷いて……、わからない方は一歩踏み入れて!どこかで、お会いしましょう」

漆まーや

まーや

ストリップとアート、酒を追いかける会社員ライター。
ブログ「盛り場放浪記」もチェック。

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