
東京、包丁ベストバイショップ5選
日本橋や浅草など、都内の専門店で至極の一本を選ぼう
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テキスト:浅野陽子(フードライター)
料理を始めるとき、鍋やフライパン、皿はちょっと奮発しても「包丁選びには力を入れない」という人は意外と多い。思い入れがないため、長年研いでいない包丁を無理やり使っている主婦もいる。
自炊に目覚めたなら、まずは上質な包丁を手に入れてほしい。良い包丁は料理の腕を一気に上げる。初心者でも芸術的に細いキャベツの千切りや、トマトの鮮やかな切れ味が簡単に現れた日には感動するだろう。そしてますます料理が面白くなるはずだ。
今回は、そんな運命の一本と出合える都内の専門店5店を紹介する。
日本橋木屋 本店
コレド室町の1階にある包丁の専門店。初代が1792年(寛政4年)に店を出したとされる日本の老舗企業の一つだ。
店内には一般的な和包丁からプロ向けのもの、左利き専用までさまざまな種類がそろい、あらゆる包丁がずらりと壁一面に並ぶ様子は圧巻。包丁以外にも、包丁を研ぐための砥石(といし)やハサミなどの刃物道具、鉄瓶や鍋、まな板のような料理道具も扱っている。
毎年秋に開催される研ぎ教室は大人気だが、通常の営業時間中でも研ぎ方を丁寧に教えてくれる。木屋で購入した包丁に限り、店に持ち込めばその場で研ぎ直しもしてくれる。
ヨシキン ショップ 六本木店
六本木駅近くにある包丁の専門店。刃先から柄までステンレスの一体構造となっているのが特徴の、グローバル(GLOBAL)シリーズを販売している。
海外のブランドと思われることが多いが、実は新潟県の燕三条地区で生まれた純国産包丁。切れ味の良さとデザインの美しさで、一般の料理好きから著名な料理研究家、シェフまで広く愛用されている。
日本国内のみならず海外にも熱狂的なファンが多く、来日時にまとめ買いする人も多い。
同店は世界で唯一の直営店で、品ぞろえも豊富だ。日本の食文化に合わせて作られた、グローバルイスト(GLOBAL-IST)シリーズも購入できる。1本1,100円からの研ぎ直しサービスも行っている。
つば屋包丁店
合羽橋道具街の中間辺りにある包丁専門店。1956年創業の老舗で、和包丁と洋包丁、またそば専門の包丁など、家庭用からプロ向けのものまで、あらゆる種類の包丁を1000本以上取り扱う。
全ての包丁がケース内などでなく、むき出しの状態で置かれ、客が手に取れるようになっている。包丁研ぎのサービス(有料)も行っており、午前中に持ち込めば当日渡しが可能だ。
釜浅商店
かっぱ橋道具街にある店。1908年(明治41年)創業、100年以上営業を続ける老舗で、包丁や南部鉄器を中心に雪平鍋やざるなど調理道具全般を扱う。
包丁のラインアップは約80種1000点をそろえ、包丁作りに関わる各職人への敬意を表し、あえて店の名を刻印していない。完成した素の状態(無名品)で販売するのが同店の特徴だ。
店内の他の商品も「良理道具(=良い理のある道具、日本各地の優秀な職人が作る優秀な道具の意味)」と呼び、一つ一つこだわり抜いて厳選したものが並ぶ。
中川政七商店 東京本店
暮らしの道具を扱うセレクトショップ、中川政七商店の東京本店。
1716(享保元)年に奈良で創業。手織りの麻の布製品から陶器、調理道具、季節の飾り小物まで、日本の伝統的な工芸技術で作る美しく機能的な日用品を販売している。
東京本店では包丁のラインアップも充実。岐阜産と新潟産の高品質な国産包丁を、サイズや種類別に取りそろえている。スタッフのアドバイスのもと、手に取ってじっくり選んでみては。
ライタープロフィール

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