ル マグレブ シャンデリア
Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

モロッコ人が通う、東京のハラルレストラン7選

ハラル中華や本格モロッコ料理、ウザいオーナがいる店まで紹介

Mari Hiratsuka
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ >モロッコ人が通う、東京のハラルレストラン7選

監修:Zineb Bektach

近年、東京でも浸透しつつある「ハラル」という概念。ハラル認証マークをレストランや食品に付いているのを見かけたことがある人もいるだろう。

「豚肉は食べない」「アルコールは厳禁」など、決まりがあるのをなんとなく知っているという人もいるかもしれないが、そもそもハラルとは、イスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語。神に許されているのか、禁じられているのかを示す考え方で、コーランをはじめとしたイスラムの教典において、食にまつわる事項以外にも細かく決められている。

ここでは、タイムアウト東京で働く、モロッコ人スタッフのジネブ行きつけの店とそれぞれのおすすめメニューを聞いてみた。ハラルフレンドリーな中華料理店や本格モロッコ料理、風変わりな店主がいる店まで幅広く紹介する。どれも本格的で旅をしているかのような気分も味わえるだろう。

  • 六本木

おすすめメニュー:『ランチビュッフェ』(1,200円)

六本木ヒルズのすぐ近くにある、イランとアラブ料理が楽しめるレストラン。イラン料理はスパイシーというわけではなく、野菜たっぷりでヘルシーだ。イランの絵画が飾られた店内は異国情緒たっぷりでありながら、家庭的で落ち着く雰囲気。

おすすめは『ランチビュッフェ』(1,200円)。日替わりで、豆のスープや10種類以上のスパイスで味付けされた『ビリヤニライス』などが食べ放題だ。ラムと鶏のつくねの串焼きである『シシケバブ』と、それに合うように甘さ控えめで作られた、薄めでパリパリのナンが必ず付いてくる。デザートとチャイティー、コーヒーもあり、十分に満足できる。

ディナーでは、やはりケバブメニューが人気で、レバノンワインと一緒に楽しめる。イラン料理を食べたことはない人は、まずは手軽にランチビュッフェを試してみよう。

  • 亀戸

おすすめメニュー:『食べ放題 中華オーダーバイキング』(2,950円)

亀戸にある、ハラールフレンドリー(認証は申請中)な中華が味わえる店。もともとオーナーが中国のムスリム(回教)だったため、5年ほど前からメニューの提供を始めた。中華料理はアルコールやブタを使うことが多いため、それらを使用しないで調理するのはハードルが高いと思われていたのだが、同店ではそれを実現させ、おいしい料理を提供している。

特筆したいのは、メニューの豊富さと手頃さ。ディナーでは、豊富なメニューからオーダー式のバイキングを1人2,950円から楽しめるほか、火鍋や焼き肉のコースもある。ランチにはさらに手頃な『食べ放題 中華ランチバイキング』(1,280円)も用意している。

店は1階(礼拝室もある)と2階に分かれており、その広さに驚くだろう。2階は150人が収容できる宴会場で、スポットライトや音響設備も整った本格的なステージや、カラオケ付きの個室などがある。もとはキャバレーだったこともあり独特の雰囲気があり、映画のロケ地として頻繁に使用されるそうだ。

錦糸町には、姉妹店東京穆斯林飯店(トーキョームスリムハンテン)もあり、こちらも人気。

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  • 西麻布

おすすめメニュー:『ラムとドライフルーツのじっくり煮込みタジン』(2,860円)

2010年にオープンした、西麻布にあるモロッコ料理レストラン。モロッコ出身のオーナーによる本格的な料理は、スパイスを多く使いながらも食材そのものの優しい味が楽しめる。

チキンやラム肉などが豪快に盛られた『ケバブの盛り合わせ』(3,080円)や、モロッコのもてなし料理であるタジンが人気。タジンには、チキン、ミートボールなどあらゆるバリエーションがある。おすすめは、『ラムとドライフルーツのじっくり煮込みタジン』(2,860円)。ラムに、サフランなどのスパイス、ドライフルーツ、ゴマなどを加えて長時間煮込まれており、ラムは食べ応えがありながらも柔らかい。常連にはモロッコ大使館の職員も多い。

  • 日暮里

おすすめメニュー:『おなかペコペココース』(1,000円)

谷中商店街にある「日本一ウザい」店主がいるレストラン。イランとトルコ、ウズベキスタン料理を提供している一軒だ。もちろんハラル対応。店に入れば、忙しなく働くオーナーのアリが笑顔で迎えてくれる。男性には「金持ち風の男が来たぞー」などときつめに、女性には優しいジョークを飛ばす、その「ウザい」姿も名物。

メニューも一応あるが、ここではコースで頼んだ方がリーズナブルだ。客の出身国や食べるペース、好きそうな食材を見て、それぞれに合わせた料理が次々と運ばれてくる。ランチタイムに提供している『おなかペコペココース』はスープや煮込み(チキン、ラム、豆、野菜から1つ選べる) 、ミニ前菜 、 チャイ、デザートなどが付いて、1,000円。ディナーコースは2,000円からで3人以上でコース予約をすると水タバコ1台が付いてくる。

なお、毎日20時からベリーダンスのショーも。ディナータイムは平日でも混み合うため、予約した方がベター。

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  • 日暮里
クスクス
クスクス

おすすめメニュー:『野菜のクスクス』(1,914円)

日暮里にある、自家製にこだわったチュニジア料理が楽しめるレストラン。

店名にもなっているクスクスとは小麦からできたパスタの一種で、栄養価が高く、チュニジアではかつて主食とされていた。『野菜のクスクス』(1,914円)は、野菜とクスクスをサフランなどのスパイスと一緒に蒸したもので、トマトベースのソースと一緒に食べる。ほかにも、鶏肉の中にチーズや米を詰めてオーブンで焼いた『ダジェージマハシ』(1,760円)が人気だ。

辛いものが好きな人は、チュニジア発祥の調味料ハリッサ(1皿110円)も試してほしい。どんな料理にも好んで使われるというハリッサは、唐辛子、スパイス、オリーブオイルをペーストしたもの。煮込み料理やクスクスに加えて、ローカル流の食べ方を楽しもう。

  • トルコ料理
  • 渋谷
  • 価格 2/4
アンカラ 宮益坂店
アンカラ 宮益坂店

おすすめメニュー:『ケバブセット』

渋谷、宮益坂の中腹にあるトルコ料理店アンカラ(ANKARA)。つるんとした喉越しが特徴的なトルコ風水餃子『マントゥ』や、揚げたナスにヨーグルトソースをかけた『パトルジャン シャクスカ』など、いずれも家庭的で優しい味わい。夜は何人かでシェアしながら楽しむのがおすすめ。

不定期ではあるが、店内ではベリーダンスのパフォーマンスが行われることもあり。ランチは遅くまで営業しているので、渋谷でランチを食べ損ねたときには重宝する。

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  • 新宿
カレーハウスCoCo壱番屋 ハラール新宿歌舞伎町店
カレーハウスCoCo壱番屋 ハラール新宿歌舞伎町店

おすすめメニュー:『チキンカツカレー』(967円)

誰もが知るカレー店、通称「ココイチ」のハラル認証を受けた店舗。東京オリンピック開催に伴う外国人観光客の増加に向けて、より多くの人に日本の国民食であるカレーライスを楽しんでもらえるようにとオープンした。

看板が黄色ではなく緑色なのが特徴で、カレーソースはもとより使っている食材も従来の店舗とは異なる。楽しみの一つであるトッピングももちろんハラルに対応しており、さまざまな組み合わせを楽しめる。

メニューには『牛しゃぶカレー』(907円)、『野菜カレー』(733円)、『海の幸カレー』(804円)などがそろうが、一番人気は『チキンカツカレー』(967円)。新宿歌舞伎町店のほか秋葉原にも店舗があるため、気軽に足を運べるのもうれしい。

ハラルをもっと楽しむなら……

東京流、ハラルレストラン10選
東京流、ハラルレストラン10選

近年、ハラルメニューを提供する日本食レストランが増え、ハラルが東京で浸透しつつある。輸入食品に頼らずとも、ラーメンや焼肉、御膳など、日本食のハラルフードを楽しめる時代が到来したのだ。ここでは、ハラル認証を受けた素材を使ったメニューを提供しているレストランをリストアップした。海外からムスリムの友人を迎える時、はたまたハラル文化を学びたいという時、ぜひ役立ててほしい。リクエストに応じてアルコールを提供する店もあるが、あるオーナーいわく、「この国では酒なしでレストランを経営するのは難しい」のだそうだ。

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