トラノモンヨコチョウ
Photo: Kisa Toyoshima

虎ノ門横丁で押さえたい人気店5選

最新のネオ横丁でうまい酒と名店の味を堪能

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Yoko Asano
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 虎ノ門横丁でまず押さえたい人気店5選

テキスト:浅野陽子(フードライター)

2016年ごろから定着してきた東京のネオ横丁ブーム。かつての、大通りから一本入った横丁でサラリーマンがひっそり飲むイメージから一転。令和時代の「横丁」と言えば大人はもちろん、インスタ映えを狙う若い女性も楽しく飲める、オープンな場所に変わった。

恵比寿や赤坂、リニューアルしたばかりの渋谷横丁と、都内にはいくつも新型横丁が出現しているが、2020年6月に開業した虎ノ門横丁にはもう足を踏み入れただろうか。

虎ノ門横丁は街中でなく、虎ノ門ヒルズビジネスタワーというオフィスビルの3階に位置する。ロケーションそのもののもユニークだが、横丁内のテナントも予約の取れない人気店が集まり、ワンフロアで名店をハシゴできるという面白さもある。

また、客が好きな料理を店外に運び出して食べられる寄合(よりあい)席を設けたり、横丁内のワインショップで購入したボトルを各店に持ち込めたりするなど、独自のいろいろなシステムも新しい。

全26店舗あり、平日の夜や週末にはどの店もかなりにぎわっているので、最初は戸惑ってしまうだろう。そこで、初めて虎ノ門横丁を訪れる人に「ここだけはまず押さえてほしい5店」を選んだ。全て回るもよし、まず好きな店から攻めるもよし。適度なディスタンスを保ちながら、秋の夜長を最新横丁で楽しんでみては。

  • レストラン
  • ビストロ
  • 虎ノ門

代官山にある人気シーフードビストロの、姉妹店。生ガキやムール貝の前菜、オマールエビを使ったグラタンなどシーフードメニューと世界各国のワインが楽しめる。魚介料理は見た目が華やかで客席も盛り上がり、ついワインも進んでしまう。

虎ノ門店オリジナルの、アヒージョやサザエの酒蒸しを集めたセットメニュー『渚のアフタヌーンティー』(3,400円)は名物なのでぜひ注文して。ボリュームたっぷりだが口当たりがさっぱりした軽いものばかりで、二人でも十分食べ切れるだろう。

人気店なので週末は特に予約必須だ。同店の予約専用サイトで取れるが、サイト上で満席でも、店に直接電話すれば調整して入れる場合もあるので問い合わせを。

フレンチの技法で調理したさまざまな肉をオレンジワインと一緒に楽しめる、新しいスタイルのとんかつバル。ミシュラン一ツ星店の元オーナーがメニューを手がける。

ロースやヒレをはじめ、タンやエゾシカ、カモ、イノシシなど珍しい肉や肉の部位を少量ずつ、とんかつのような揚げ物にして提供する。自家製のソーセージカツは一番人気のメニュー。肉に添えられた福岡産の甘口しょうゆや塩、オリーブオイルを付けてもよいが、そのままでも十分おいしい。トンカツを丸ごと1枚ではなく、小さなサイズで一口ずつつまめるので、まさに横丁ならではのハシゴ飲みを楽しめるだろう。

ぜひ行ってほしい店の一つだが、虎ノ門横丁では少ない予約不可の店なので、入店を確実に狙うなら17時の開店少し前から並んでおくといいだろう。

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  • レストラン
  • フュージョン
  • 虎ノ門

沖縄と台湾、中国の料理を融合させたつまみと酒を提供するバルスタンド。表参道(琉球チャイニーズ ダイニング タマ 渋谷店)と丸の内にも店があり、それぞれ人気店となっている。ゴーヤチャンプルーやピータン、ゆでワンタンなどのメニューと泡盛や紹興酒、沖縄のビールが楽しめる。

店で仕込むレモンやショウガ、コーヒーを漬け込んだオリジナル泡盛も大好評。4,000円でボトルキープもできる。どの料理もとても酒に合うが、優しい味わいで飽きずについ食べ過ぎてしまう。立ち飲みスタイルも好評で、人気店が集まる虎ノ門横丁でも特ににぎわっている。

予約可能なのであらかじめ電話するか、虎ノ門横丁に到着してから直接店に行って時間と人数を伝えてもいいだろう。ランチメニューの台湾の豆腐料理、鹹豆漿(シェントウジャン)も美味だ。ランチで売り切れていなければ、夜もつまみとして注文できる。

  • レストラン
  • タイ料理
  • 虎ノ門

代々木のタイ料理店(ソムタムダー 東京)の虎ノ門店。本店はバンコクにあるが、ニューヨークやホーチミンにも出店しており、海外では名の知られた有名店だ。虎ノ門の同店は、代々木の店に次ぐ日本進出2号店となる。

タイ料理の中でも、タイの東北部(イサーン地方)のメニューを提供する。辛味と酸味がはっきりした味付けが多いのが特徴で、独特な刺激感とうま味は一度食べるとハマる。

パッタイ、トムヤクン、グリーンカレーなど日本人好みのタイメニューはひと通り味わえるが、イサーン地方の名物、ソムタム(青パパイヤのサラダ)はぜひ注文を。

ランチではこのソムタムと、ラームプー(ひき肉と香味野菜の炒め物)、ガイトート(タイ版フライドチキン)、もち米をセットにしたお得なメニュー『イサーンスペシャルセット』(1,500円)が食べられるのでおすすめだ。

季節のフルーツを使ったソムタムや、エビとイカのレッドカレー炒めなど、世界のどの店舗にもない虎ノ門店限定のメニューも食べてみたい。

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  • レストラン
  • 虎ノ門

1949(昭和24)年創業の、新宿の老舗串焼き店の分店。初回訪問時には串5品が入ったコースを頼むとよい。名物の豚のレバー、シロ(大腸)、ピーマンの肉詰めなど人気の串が入っており、虎ノ門横丁のハシゴ飲みのつまみにもぴったりだ。

刺し身でも食べられる鮮度抜群のレバーは、柔らかく濃厚な口当たりで絶品。実はこの鳥茂が発祥と言われているピーマンの肉詰めもおすすめ。創業以来継ぎ足しているたれで仕上げられ、甘口だがさっぱりして飽きない。

世界中のワインと日本酒が注文できるが、どれも串料理と絶妙の相性で飲み過ぎてしまいそうになる。

ランチはなく、16時からのディナータイムのみ営業。虎ノ門横丁内でも人気の店で、16時台からでも一気に混み始めるので営業時間前から並ぶか、予約を。

ライタープロフィール

Yoko Asano

フードライター。食限定の取材歴20年、「dancyu」「おとなの週末」「ELLE a table(現・ELLE gourmet)」「AERA」「日経MJ」「近代食堂」など食の専門誌を中心に、レストランや料理人への取材多数。テレビのグルメ番組への出演実績もある。「NIKKEI STYLE」(日本経済新聞社)の人気コーナー「話題のこの店この味」で毎月コラム連載中。

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近年、東京では毎夜多くの人が詰めかける話題の横丁が次々と誕生している。人を引きつけて止まない特徴的な六つの新型横丁を紹介しよう。予約困難な名店が集う横丁や、国際色豊かで意外性抜群のカオスエリア、乾杯で盛り上がる郷土愛に満ちた47都道府県のドリンクや料理を満喫できるなど、その魅力は多様で奥行きのある場所ばかり。気安く、おいしく、楽しい時間を過ごせる横丁ライフを満喫しよう。

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東京の横丁ガイド
  • ナイトライフ

表通りから横へ入った町筋に小さな店が連なる横丁。ルーツを敗戦後の闇市マーケットにさかのぼるものもあれば、町おこしの一環などで比較的最近作られたテーマパーク的なところもあるが、いずれも安く飲み食いできて、人と人との距離が近く、気取らず楽しめるのが醍醐味。

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