ローカルレジェンド#23 還暦ホスト 鶴谷文隆

還暦を迎えてもなお、ホストを続ける理由とは……

鶴谷文隆
作成者: Mari Hiratsuka |
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「ホストとして勝負をしたい、大人の色気を生かしたい」と話すのは、現在62歳「還暦ホスト」の鶴谷文隆(つるや・ふみたか)だ。

鶴谷がホストの世界に足を踏み入れたのは、自動車事故がきっかけ。慰謝料の3000万円を支払うために、銀行員を辞め、知人の紹介で名古屋のホストクラブで働くことになった。その時、鶴谷は30歳だった。

そもそも、女性のためのダンスホールだったという歴史をもつホストクラブ。東京で1960年代後半に誕生した、最初のホストクラブ「ナイト東京」では、大量のダンス講師を雇い、講師とともに酒を楽しむことができた。

鶴谷が当時働いていた店も、社交ダンスがメイン。ダンスホールでは、生バンドが演奏をするなど、豪華な場所だったそう。踊れないと話にならないので、ダンスに磨きをかけました。また、休日にはお客様とゴルフに行くことが多かったので、ゴルフの練習にも明け暮れていましたね」と当時を振り返る。練習の成果もあり、指名客がだんだんと増え、このときにホストとしての手応えを感じたそうだ。

そして鶴谷は、名古屋で自身が「ナンバーワン」を務めていた店を辞め、歌舞伎町へと拠点を移す。3年前の2016年のことだ。「ホストとして勝負をしたい」という気持ちが鶴谷を突き動かした。「東京に来た当初は、違うホストクラブで働いていました。しかし、街を歩いているときに『ホストをファッションと考えてほしくない。ちゃらちゃらした格好で誤魔化すな。主役は僕たちではなくお客様である』という看板を見て、そのまま店(アデオス)の扉を叩いて、働きたいとオーナーに直談判しました」。

アデオス(Adeos)は、シャンパンコールや大きな音楽を流さない、上質な空間で客との会話を重視している店だ。働くのは大人の男たち。「私のお客様は40代以上の方が多く、娘さんと一緒に来店されたり、地方から足を運んでくださる方もいますね」と鶴谷。

Adeosの店内

「1日の過ごし方としては、朝7時に起床します。その後、お客さんにご挨拶などをし、SNSをチェックします。一番風呂に入るため、北新宿の銭湯、松の湯に並ぶ日もありますね。備長炭が沈めてあって、サウナの温度も心地良く、大好きな場所です。出勤前に軽く食事をする際には、新宿だと思い出横丁に行きます。カブトという老舗のウナギ屋さんが特におすすめです。大将の出身も、僕と同じく青森なんですよ」と気さくにプライベートについても答えてくれた。

新宿の思い出横丁

今後の目標を尋ねると「ナンバーワンになりたいという気持ちが常にあります。生き様が好きで、心の支えとしているジュリー(沢田 研二)が10年後、80歳で引退すると言っているので、僕も10年後の72歳まで、この仕事を続け、ナンバーワンの栄光をまた味わいたいと思っています」と力を込めた。

2019年3月16日(土)には鶴谷が主宰するイベント『ADEOS 鶴谷文隆 presents フランスワイン紀行』が開催。ぜひ足を運んでみてほしい。

アデオスの詳細はこちら

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