シェフが巡る夜の新宿ツアー

パークハイアット東京のエグゼクティブシェフに聞いた新宿での深夜の過ごし方

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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パークハイアット東京のエグゼクティブシェフであり、ニューヨークグリルを含め様々な賞を受賞したレストラン8店を監督するトーマス・アンゲラー。彼は4年間、新宿に住み、新宿で働いている。新宿エリアで深夜に訪ねるべき最高のバーやレストランを案内するのに彼以上の適任者はいるだろうか。トーマス・アンゲラーに夜の新宿の過ごし方を聞いた。

「私が完璧な夜を過ごすなら、ホテルからスタートするでしょう。まずニューヨークグリルでゆっくりとカクテルを飲みながらサンセットを眺めますね。52階から東京が夜のモードに変わりゆくのを眺めるのが最高なんですよ。日が沈むと一斉にライトが点灯し、まるでコンピューターゲームのように見え、出かけるのが待ちきれなくなります。

そこで、南にある西原エリアへ思い切って出かけることにします。そこには小さなレストランやバーが多数立ち並び、観光客はあまり見かけないですが人々はフレンドリーです。お気に入りの焼鳥屋、ふくもあります。25人も入れば満員になる小さな店です。ゲストシェフが訪れた時に連れていくんですが、皆気に入ってくれますよ。シンプルながらも、品質が極めて優れているのです。

串焼きはどれも絶品ですが、たっぷりとネギを盛った『せせり』(首の肉)をぜひ味わってほしいですね。もし冒険したい気分であれば、『ぼんぼち』(尾骨周りの肉)を。最後は、ピーマンにチーズを詰めてベーコンで巻いた『チーズ』で締めくくるのがおすすめです。とてつもない逸品なんですよ。どんな食材もベーコンを巻くと一層美味しくなります!

お酒と串焼きである程度満たされたところで、バー ナカガワに向かってみてください。オーナーは素晴らしいモスコミュールを作るのですが、彼が2週間かけてウォッカにショウガを漬け込んだ酒がまた効くのです。彼は手作業で氷を削り、クラシック音楽のみを流します。このようにオーナーが全力を尽くす本当に小さな店を発見できるのが東京の醍醐味(だいごみ)です。

24時頃になったら、ゴールデン街のバーに向かってみましょう。その途中で、コンテナが積み上げられた代々木VILLAGEに立ち寄ってもいいですね。夏季には、美しいヤシの木の隣に砂を敷き詰め、オリジナルビーチを作っているんですよ。大量のビールと共にデッキチェアでくつろいでも良いし、壁に何千枚ものレコードが並ぶミュージックバーで過ごしても良いでしょう。

ゴールデン街に到着したら「バー・ルーレット」をするのが気に入っています。誰かが通りを選び、次の人が数字を、また次の人が左か右かを選ぶ。例えば、2番目の通りの、左側にある、3番目のバーを訪ねてみるというわけです。実際に入店して様子を見てみると、決して失敗することはないはず。あるバーはパンク、別のバーはジャズ、また別のバーは人形で装飾され80年代のJ-POPばかりを流すなど、常に楽しいバーを発見できるでしょう。

バーで数時間過ごしたら、朝日が昇るとともに家路につくのではなく、ラーメンで締めくくりましょう。ゴールデン街には美味しいラーメン店がいくつかありますが、はおすすめ。豚骨ラーメンを注文すれば、豚骨スープによって超高層ビルの間から朝日が昇る時間に家まで歩いて帰るパワーが湧いてきます。」

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トーマス・アンゲラー

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