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吉祥寺、井の頭公園の奥にあった「ステイフルライフストア(STAYFUL LIFE STORE)」。下り階段の先に延びるカフェ、雑貨コーナー、スタジオが一体化した半地下空間で、座席に見立てた階段が目印の、スタイリッシュな秘密基地だった。2023年に一端閉鎖したが、納得のいく移転先が見つかり、2025年4月にリニューアルオープンとなった。
従来の5倍のスペース、大箱店へと進化

移転先は三鷹駅北側、吉祥寺に向かう道筋の途中にある。古い商店街と並木道にはさまれた、いまだ注目されていないのが不思議な好ロケーションだ。
吉祥寺時代の落ち着いた穴場的雰囲気は健在だ。店舗が入っている建物は築50年を超すヴィンテージ物。運営が店舗の空間デザイン経験も手がけるブランディング会社だけに、レトロな外壁からして魅力的なこの物件の魅力を、店造りに巧みに活かしている。

補修工事からスタッフの手で行ったという店内は、通りに面した大きな窓枠や地下階段への手すりなど、オリジナルの使える部分は残し、建物の過去の手触りを通して、歴史を共有できるよう心がけた。結果、出来たてと思えない味のあるシックな存在感を放っている。
スペースは1階~地下1階の2層、以前の5倍近くに拡張した。天井の高い開放的な空間は、訪れるだけで心が落ち着く。

オーナーの服部真穂は語る。「社会が時代とともに発展していき、進歩したことが多い反面、いろいろなことに縛られ生きづらい世の中になってきていると日々感じています。そんな日常で、もっと自由にいられる、日々を忘れてゆったりとした時間を過ごせる、そんなお店にしたいと願っています」
同店の魅力は内装や外観だけにとどまらない。「さまざまなジャンルの方々が交差することで新たな刺激の場となればと」と服部いう言葉通り、カフェ、雑貨コーナー、スタジオが以前以上に充実し、ミックスされている。
カフェではオリジナルのスペシャリティコーヒーや町カレーなどを提供

大きくスペースを占めるカフェエリアは、メニューを大幅に一新。人気はエスプレッソをベースに淹れたアメリカーノやカフェラテ(600円〜以下、全て税込み)。エスプレッソ+ウォッカにバニラシロップを加えたエスプレッソマティーニ(1,200円)、ウイスキーベースのアイリッシュコーヒー(800円)などアルコール系も扱う。「クラフトジンジャー」や「いちごミルク」などのソフトドリンクも充実。

スイーツと食事も強化して、ほっこりできる町カレーなどを提供する予定だ。開店時間も中休みなしの8時~21時で朝から晩まで手軽に利用できる。
世界各地の厳選日用雑貨が集結

日差しが明るい1階には、厳選した日用雑貨類の販売エリアを用意。クリエーティブ集団の経営だけに、文具をはじめユニセックスで機能性に着目したこだわりの品揃えだ。

台湾の「TOOLS to LIVEBY」の見た目も切れ味も良しの紙切りハサミ(2,640円、以下全て税込み)、チェコ「Koh-I-Noor」の色鉛筆(1,820円)、「PUEBCO」のインド製木製ビンテージのフラワーポットなど、世界各地から厳選した品々が集められている。
地下にはDJやギャラリースペースを完備

地下は1階と対照的に、照明を抑えられた客席スペース。地上にも窓際席があるが、席数が多く、考え事などにより埋没できそうだ。余裕のある空間にDJブースも設置され、音楽イベントも定期的に開催される。その一隅には一転して明るく、白で統一された撮影スタジオも設置。専用のメイクルームもある本格仕様で、ギャラリースペースとしても利用できる。

目指すは何度も遊びに来たいと思ってもらえる空間。幅広い世代を呼び寄せるべく、家族向けのイベントなども開催予定だ。スタイリッシュなだけの店とはひと味違う、守備範囲の広い多面体カフェ。今後この多機能な文化拠点がどのような化学反応を示すかも楽しみだ。
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