パリ市、セーヌ川を泳げる場所に変貌させる計画を進行中

2024年オリンピックではオープンウォータースイミングを開催

Ed Cunningham
テキスト:
Ed Cunningham
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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パリは、少し前まで「ちょっと汚い」と思われていた。この街の典型的なイメージといえばたばこの吸殻に覆われた道、無限に広がる犬のフン、回収されないゴミ箱の山。セーヌ川の濁流には、大腸菌がまん延しているといわれていた。ちょっと水を浴びただけで、何日もトイレに通わなければならない、もしくはそれ以上にひどくなるほどの汚さだったのだ。セーヌ川で泳ぐことは、今でも法律で禁止されている。

しかし最近、パリでは街をきれいにしていくための動きが盛んだ。2024年のオリンピック開催に向け、汚れた道の美化から大気の質の改善まで、あらゆる取り組みが行われている。下水で満たされていたセーヌ川も、その恩恵を受けていて、フランス政府は、2025年までにこの川で水浴びができると確証しているという。

​​2018年当時、パリ市長のアンヌ・イダルゴは、この川をパリジャンが泳ぐのに適した場所に変えるために、10億ユーロ(約1,415億円)もの巨額の投資を実施。そして、2024年が間近に迫った今、川の浄化が劇的に進んでいる。最新のプロジェクトでは、特に汚水汚染をターゲットとし、左岸の公共庭園の下に4万6000立方メートルの巨大な水槽を建設中だ。

パリの下水道は雨水であふれ、セーヌ川に汚水が流出することがよくあるが、この新しい「タンク」は、余分な雨をため、川にあふれる下水の量を劇的に減らす(ただし、完全に止めることはできない)ように設計されている。その結果、セーヌ川が水浴びをするのに適した、より健康的な川になるというわけだ。

2024年のオリンピックでは、セーヌ川でオープンウォータースイミングが開催される予定だ。しかし地元の人や観光客にとって、セーヌ川の浄化はそれ以上の意味を持つ。

近年、市当局は川沿いに遊歩道や仮設ビーチを設置してきた。次のステップとしては、23カ所(一部は市内中心部)で泳ぐことが許可されるのが待たれる。

背泳ぎをしながら、ノートルダム寺院やルーヴル美術館、オルセー美術館を見上げることができるようになるのは、本当にもうすぐなのだ。

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