Little Island at Pier 55
Photograph: Michael Grimm

ニューヨークのハドソン川沿いに新しい水上公園がオープン

植物豊かで眺めも抜群な近未来的「オアシス」

Shaye Weaver
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Shaye Weaver
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2021年5月21日、ニューヨークに新しい水上公園、リトルアイランド(Little Island)がオープンした。場所はチェルシーのハドソン川沿いにあるPier 55。いくつもの重厚な柱の上に作られたこの公園は、どこか近未来的だ。

リトルアイランドのアーチ型の開口部を抜けると、開放的な芝生が広がった公園を360度見渡せる場所に出る。そこから楽しめるのは、低木やつる性の植物、40フィート(約12メートル)などの高低差により変化する色や植栽のグラデーションだ。

Little Island
Photograph: Shaye Weaver/Time Out

景色でいえば、リトルアイランドの頂上から見られるマンハッタン、ハドソン川、ニュージャージーの素晴らしい眺めも見逃せない。頂上までは歩道を通って、もしくはガバナーズ島のヒルズのように、岩をよじ登って行くこともできる。

ゆっくりしたい場合は、日光浴ができる3つの広い芝生へ行くものいいだろう。アーチ型のつる棚を抜けた先にあるのは、シラカバの木やサルスベリ、バラやアネモネなど、白い花だけを集めた「秘密の庭」だ。

Little Island
Photograph: Michael Grimm

秘密の園に隣に見えるのは、「The Glade」と呼ばれる小さな円形劇場。ここでは、川と隣の桟橋を背景にしたショーやそのほかのイベントが行われる予定。園内にはもう一つ大きなメインの円形劇場があり、そこでも大規模なパフォーマンスが行われるという。

リトル・アイランドは植物が豊富で、35種類の樹木、65種類の低木、270種類の草、多年草、つる性植物、球根などが植えられている。2020年秋、我々がこの公園のランドスケープデザインを担当したシグネ・ニールセン(ランドスケープ・アーキテクトであり、MNLAの創立者)に話を聞いた時、彼女は「(この公園で人々は)植物に包まれているように感じるだろう」と語っていた。

Little Island aerial
Rendering: Courtesy Michael Grimm Photography

2012年に構想されたこの公園は、億万長者のバリー・ディラーとその妻ダイアン・フォン・ファステンバーグによるプロジェクトだ。2015年、イギリス人デザイナーのトーマス・ヘザーウィックが公園のデザインを発表。彼は「ポッド」と呼ばれるチューリップ型のコンクリート製支柱を高さを変えて設置し、起伏ある地形を構築することで「水に浮かぶ葉」のような水上公園を作る提案した。

しかし、ニューヨークではよくあることだが、2億5,000万ドル(約271億円)の同プロジェクトは、すぐに訴訟沙汰になった。公園の建設に反対する市民団体、シティークラブの訴訟を不動産開発業者のダグラス・ダーストが支援し、2017年に公園の建築許可が取り消しに。同年末にニューヨーク州知事であるアンドリュー・クオモがダーストとディラーを仲介したことで、最終的に建設が再開されたのだ。

新しい緑のオアシスで朝の散歩をしたい人のために、この公園は午前6時からオープンする。ただ、12時から20時の人通りの多い時間帯に訪れたい場合は、まずウェブサイトで入場(無料)の予約をする必要がある。担当者によると、毎日25時閉園なので、予約時間帯を避けて訪れるのもいいのではないか、とのことだ。

原文はこちら

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