Futura 2000『Untitled』
Futura 2000『Untitled』

「NEW AUCTION」が示す新たなアートオークションの形態

ミヤシタパークにピカソからKYNEまで集結

編集:
Time Out Tokyo Editors
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原宿をベースに活動するアートオークションプロジェクトNEW AUCTION』が始動した。アート界のレジェンドから新進気鋭の若手アーティストまで約130点もの作品がそろい、2021年10月30日からプレビューを開催中だ。11月6日(土)には神宮前のバツアートギャラリーオークションを行う。

アーティストをサポートする還元制度を導入

「従来からのオークションという概念に縛られずに、新しい体験、新しい価値観を提供すること」を目指す『NEW AUCTION』。購入の流れはいたってシンプルで、オークション開催日の約2週間前に、全出品作品が掲載されたオンラインカタログが、公式ウェブサイトで公開される。オークションの開催前には、通称「下見会」と呼ばれる、展示品を直接鑑賞できるプレビューを行い、オークションには直接参加するほか、当日にウェブサイトや電話、または委託入札によって参加することもできる。会場で落札した場合は、その場で作品の引き渡しも可能だ。

注目のポイントは、国内では初となる還元制度を導入していること。従来のオークションでは落札額にかかわらず、作者には売上が入らない仕組みを取っている。例えば30万円で手放した作品が1,000万円になっても、その差額は還元されないことになる。

しかし『NEW AUCTION』では、作者の所属ギャラリーやコンタクト先をトラッキングし、落札額に応じて何かを還元することができるのだ。文化を発展させつないでいくための、リスペクトが込められた制度を導入しているのである。

Futura 2000『Untitled』(『NEW AUCTION』キービジュアルから)
Futura 2000『Untitled』(『NEW AUCTION』キービジュアルから)

ピカソからFutura2000まで、約130点が集結

10月30日〜11月6日(土)、『NEW AUCTION』は渋谷のレイヤード ミヤシタパーク、第1回目の「下見会」を開催中オークションの対象となる作品が集まり、アートディーラーだけではなく一般人も無料で入場できる。

主な出展作品には、パブロ・ピカソやアンディー・ウォーホル、ニキ・ド・サンファルといった美術史で目にする名前から、ウォルフガング・ティルマンス、ドナルド・ジャッドのように日本でも人気の高い現代美術家、そして草間彌生や奈良美智ら、国内の著名なアーティストがラインアップに挙がった。

KYNEによる作品(『NEW AUCTION』キービジュアルから)
KYNEによる作品(『NEW AUCTION』キービジュアルから)

ミヤシタパークのアートスペース、サイ(SAI)でのソロエキシビションが話題となったKYNE(キネ)や、カラフルな色彩が印象的なROKKAKU AYAKO、グラフィティアーティストのFutura2000などの作品も登場。実に幅広いジャンルのアーティスト作品が一堂に会した。

より身近に、生活の一部としてのアートを

映画やドラマの世界にあるようなアートオークションは縁の遠い世界だと思われがちだ。しかし実際に足を踏み込んでみると、金銭的価値という新たな目線で美術を鑑賞できる。また、フェアな投資によってアーティストのサポートができることそのものに安心感がある。

投資、資産としてのアート価値が高まっているが、『NEW AUCTION』では「未来のアートシーンを豊かにさせる」という広い意味での先行投資が実現できる。自身の財産を作品に置き換える、若手アーティストをフックアップする、純粋に観たい作品の実物を観に行く、など目的は多様で構わない。まずは現場に足を運んでみることをおすすめしたい。

テキスト:高木望

『NEW AUCTION』の詳細はこちら

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